topimage

2017-08

その言葉 - 2011.11.20 Sun

スネイプ先生が、リリーの手紙や写真をローブの奥にしまい込む場面の次に現れたのは、校長室に立つスネイプ先生の姿でした。
ハリーに託した記憶の、最後の場面です。

ここで、スネイプ先生が、フィニアス・ナイジェラスの報告によってハリーたちの居所がディーンの森であると知ったことが、明らかになります。
そして、フィニアス・ナイジェラスがハーマイオニーのことを『穢れた血』 と呼んだ瞬間、スネイプ先生は「その言葉は使うな!」と強い口調で遮りました。

かつてリリーに向かって一度だけ投げつけ、それをきっかけとして絶交されてしまった言葉『穢れた血』。この言葉を、現在のスネイプ先生が快く思っていないことが伝わってきます。

5巻28章のタイトル「スネイプの最悪の記憶(Snape's Worst Memory)」の『最悪(Worst)』は、スネイプ先生にとって屈辱的な場面だったから、と5巻当時は思った私でしたが、7巻後は、最愛の人を傷つける言葉を口にしてしまった場面だから、一生の後悔だから、と考えを改めました。

入学前、「何か違うの?マグル生まれって」とリリーに尋ねられた時に、躊躇して「いいや」「何も違わない」と答えたセブルスは、マグル生まれに対する偏見を知りつつ、傷つけない配慮をする子どもでした。
しかし、その配慮はリリーに対してだけのものだったらしく、リリーは「あなたは、わたしと同じ生まれの人全部を、『穢れた血』と呼んでるわ」(7巻33章p.432~433)と指摘しています。
セブルスが当時その言葉を使ったのは、スリザリン寮生の一人として、使わないでは済まされない風潮もあったからではないかと思っています。決して好んで使っていたわけではないと好意的に解釈したいです。

スリザリン寮はそもそもサラザール・スリザリンが純血主義で、組分けにもその思想が大きく反映されているため、寮生も自然と純血主義の方向に向かいます。
しかし、セブルスは、それ自体が目当てでスリザリンに憧れていたわけではないと私は考えています。
母親が、結婚後の生活との落差を嘆き、学生生活を美化して語り聞かせるなどしてスリザリンを語ったために、セブルスは希望に満ちた明るい場所として認識したのだと考えています。怒鳴り散らす父親のいない、魔法の力を試せる素晴らしい場所として、強く憧れたのだと。決してマグルを排除する思想に惹かれてスリザリンに入りたかったわけではないと思います。
入学日のホグワーツ特急内でジェームズに向かって言った「きみが、頭脳派より肉体派がいいならね―」(7巻33章p.426)という言葉からも、スリザリン寮に対して頭脳派の集まる場所という印象を持っていたことがうかがえます。
寮内ではそれなりに自分の居場所もあったのでしょう。スリザリンの仲間たちの名前も何人か上がっているし、彼らを庇う言葉も聞かれます。
価値観の変化もあったかもしれませんが、スリザリンの中で生活していく者として、同調しなければならなかった部分もあったのではないかと考えています。

例えば、その明晰な頭脳を判断基準にレイブンクローに組分けされていたとしたら、きっとその言葉は使わなかったでしょう。何しろ、レイブンクロー生にとって重要なのは頭の良し悪しですから、他の寮生を侮辱する言葉も「頭が悪い」「愚者」ではなかったかと思います。
そう考えると、グリフィンドール寮生の価値観からは「臆病者」が最も侮辱的な意味を持つことになります。結構その基準でセブルスも侮辱されていたし。
学ぶ者を選ばないとしているハッフルパフにだけそういう侮辱的な言葉はないとか。あるとしたら「差別」そのものでしょうか。

スリザリンだけが、悪者のように言われがちですが、組分けの基準で価値観の違う4つの組に分けるのですから、それぞれの大事にする部分とそれに相反する部分というものは当然きっちり分けられ、それぞれに侮辱的な言葉が存在するわけです。
たまたまスリザリンの場合だけ、それが気質や能力ではなく生まれにあるため、「差別」に相当し、他の言葉以上に人を傷つけてしまうのだと思います。
スリザリン生の一人として、他寮の生徒を揶揄する目的で使ってはいたけれど、その言葉の持つ攻撃力は知っていたからこそ、リリーには使わなかったのだと思います。

リリーに指摘されて返す言葉のなかったセブルスですが、その後は誰に対しても決して使わなかったと私は信じています。
教師となってからは、スリザリン寮生たちにも、そんな指導をしていたのではないでしょうか。残念ながら、ドラコは使いたい放題でしたが。
スリザリンの先輩であり元校長でもあるフィニアスにすら「その言葉は、使うな!」と厳しく言っているくらいですから、管理下にある寮生にその言葉を使わせるとは思えません。
スネイプ先生の前では、スリザリン生であってもその言葉は使わなかったと信じたいです。

(スネイプ先生が「使うな」と言った言葉を使うのはとても抵抗があったので、私も使用を最小限に留めるために、タイトルに使うのはやめました)

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://legilimens.blog68.fc2.com/tb.php/290-63b500c6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

マグルの血 «  | BLOG TOP |  » リリーの手紙と写真

拍手コメントについて

拍手コメントをいただいた時は、その記事のコメント欄にお返事いたします。

プロフィール

二尋

Author:二尋
スネイプ先生への愛を語らずにはいられません。         

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

スクロール式になっています

前ブログからの訪問者数

リンク

このブログをリンクに追加する

最近のトラックバック

ブログ内検索

RSSフィード