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2017-05

furious - 2010.07.07 Wed

夜の校長室で、スネイプ先生は、杖をダンブルドアの黒く焼け焦げた右手に向け呪文を唱えながら、左手でゴブレットに入った金色の濃い薬を、半分気を失っているダンブルドアの喉に流し込んでいます。
ゴーントの指輪の呪いにかかったダンブルドアを治療している場面です。
机の上には割れた指輪とグリフィンドールの剣が載っていました。

ダンブルドアがここまで戻ってこられたのは奇跡だとスネイプ先生は言っています。また、後の章でダンブルドア本人が、石を見て正気を失い分霊箱になっていることも呪いのことも忘れ指輪を取り上げてはめた、と言っています。
ゴーントの家で指輪をはめ、そこから姿現しで、まずホグワーツの敷地の外までたどり着き、その後歩くか箒を呼ぶかなどして校長室に戻ってきたのでしょうか。

6巻では「著しく傷ついて戻ってきたときのスネイプ先生のすばやい処置がなければ、わしは生きてこの話をすることができなかったことじゃろう」(6巻23章p.281)、と言っています。
姿現しで到着した時点で、スネイプ先生にパトローナスか何かで知らせ、迎えにきてもらったのかもしれません。
しかし、スネイプ先生が「指輪を割れば、呪いも破れると思ったのですか?」(7巻33章p.442)と聞いているところを見ると、単独で校長室に戻って指輪を割ってから、スネイプ先生に救援を要請した、と考えた方が良い気がします。
分霊箱を破壊する目的でゴーントの家まで剣を持って行き、うっかりはめてしまった指輪をその場ですぐさま割って、著しく傷ついた身体で指輪と剣を忘れずに持って戻ってくるより、指輪をはめたまま校長室に戻りそこにあった剣を使うこと方が、自然な感じがします。
また、スネイプ先生も「私をもう少し早く呼んでくださったら、もっと何かできたものを。もっと時間を延ばせたのに!」(7巻33章p.441)と言って指輪と剣を見ているので、ホグワーツに戻ってから時間にロスがあったことがうかがわれます。

それにしても、スネイプ先生の憤慨ぶりには驚かされます。
意識の戻ったダンブルドアに、スネイプ先生は前置きなく指輪をはめた理由を尋ねますが、それに対する明瞭な回答はありませんでした。
しかしさらに問い詰めるより前に、「ここまで戻ってこられたのは、奇跡です!」(7巻33章p.441)と怒ったように言っています。
ここ、「怒ったように」と訳されていますが、原文ではSnape sounded furious.と「furious」が使われています。
furiousは、辞書によれば、『〈人が〉(…に)ひどく腹を立てた, 激怒した, 怒り狂った(プログレッシブ英和中辞典)』とあり、より激しい感情が見て取れます。
指輪をはめた理由そのものを知りたいというより、強い呪いがかかっていると知りながらはめた行為を、咎める気持ちの方が勝っているようです。

強い呪いをしばらくのあいだだけ片方の手に押さえ込むことはできたものの、それもあと1年、というのがスネイプ先生の診立てです。
呪いの指輪に触れたりしなければ、こんな事態にならなかったものを。もっと早く呼んでくれれば、もっと長く生きられたかもしれないのに……。
言葉の端々から、そんなスネイプ先生の無念な気持ちが伝わってきます。
ダンブルドアの年齢はこの時点(ハリーが6年生になる前の夏休み)で115歳くらい(150歳くらいという説も以前ありましたが、公式サイトによれば1881年生まれが正しいようです)。
指輪の呪いがなくてもあと半年生きられるかどうかわからないほど高齢なのに、スネイプ先生はひどく悔しそうです。

傷つき弱っている人に対して、労わるより先に怒ってしまうのは、相手を心配するからこそのことだと思います。「怒る」というより、「叱る」が近いかもしれません。
心配なあまり怒ってしまう心理を専門家はどう見るのか私は知りません。
が、自分の体験では、大切な人を失うかもしれないという不安を伴う時に、感情が昂って怒っているように見えてしまう気がします。よほど大切な相手でないとこうはなりません。

スネイプ先生は、ダンブルドアを愛していると思います。リリーとは違う種類の愛情をもってダンブルドアを見ていたと思います。
たとえあと半年で天寿を全うするほどの年齢でも、愛する人があと1年の命と決められてしまうのは、とても辛いことです。
まして、本人の努力で防げたかもしれないとあっては、どれほど無念だったことか。その気持ちが、こうして激怒の声となってスネイプ先生の口から迸るのだと思います。
私には、愛の叫びとしか思えません。

● COMMENT ●

ハリーとの閉心術を思い出しました^^;

今晩は。KUMORIです<m(__)m>。

私はこのシーン、不謹慎ながらも嬉しくなったシーンでした。5巻、ハリーとの閉心術の訓練を彷彿したからです。
セドリックとの記憶を見たとき、またハリーがヴォルデモートとのつながりを断ち切れなったとき、やはり『スネイプは怒ったように』という表現があったので…^^;。スネイプ教授にとっては、『怒り=心配』の表れだと知って嬉しくなりました。セドリックの件でスネイプ教授が『怒った』顔をしたのはやっぱり、ハリーだけではなくて、他の生徒も大事にしていたんだろうな、というのを想像しました。スネイプ教授が注いだ愛情は、リリーだけではなかった、と勝手に思ってます(笑)。

そう思うと、ダンブルドア教授が「愛じゃよ」「愛情が君を守っている」というのは、両親の愛情…自分が好む人の愛情は勿論の事、スネイプ教授や、ペチュニア伯母さんのような、(一見)嫌っていそうな人も君の為になっているんだよ、なっていたんだよ、というメッセージにも受け取れます…(かなり勝手に飛躍させてしまってます。ごめんなさい…)

まだこの章の総括は早すぎますが…、33章はダンブルドア教授とスネイプ教授からの、ハリーを最後まで導いた2人の教授(校長)からの最後の授業だったのかな、と思ってます。

いくつもの愛

KUMORIさん、コメントありがとうございます。
そうそう、スネイプ先生、ハリー以外の生徒も怒ってますよね。
ネビルが初授業で鍋を溶かしてしまって、薬を浴びた時なども先生怒りの声を上げていたけれど、あれはやっぱりネビルを心配してこその声だと思っています。
スネイプ先生の愛情はリリーにだけ向けられていたわけではないと私も思います。

ハリーを守っていた愛が、両親の愛だけではない、というのはとても素敵な発想だと思います。
ペチュニアも不器用な人ではありますが、愛がなかったとは思えませんよね。

>最後の授業
確かに、ここでハリーはいっぺんに多くのことを学びましたね。


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スネイプ先生への愛を語らずにはいられません。         

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