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2017-05

かみあわない二人 - 2010.02.11 Thu

ジェームズに逆さ吊りにされ、擁護したリリーに向かって「穢れた血」と言ってしまったセブルスは、リリーから絶交を言い渡されてしまいました。

以前、セブルスを口下手だと書きましたが、肖像画の前でのリリーとのやり取りは、ほとんど一方的にリリーが話し、セブルスが弁解する余地がありません。ものすごい剣幕で話すリリーに、思考がまとまらなくなってしまったのでしょうか。
セブルスの説明の言葉を最後まで聞かずに、勝手に文章を完結してしまうリリーにも腹が立ちます。
全部言わせてあげてよ。「聞いてくれ」って言ってるじゃない!

しかし、リリーにしてみれば、もう何年も同じ話をしてきたと感じているのでしょう。今更何を繰り返す必要があるのかと。
確かに、一つ前の記憶で、リリーは懸命にエイブリーやマルシベールの行いを非難し、闇の魔術を否定していました。
けれど、その時点で既に二人の会話は全くかみ合っていませんでした。
リリーが何を嫌っているのか、セブルスには全然わかっていなかったのだと思います。実際、リリーの言う闇の魔術を、セブルスは冗談だと思っていたようだし。
また、リリーがジェームズをけなすのを聞いたとたんセブルスの体全体が緩んで、足取りが軽くなり、リリーが再びマルシベールとエイブリーを非難する言葉は耳に届いていないようでした。
それはそれでものすごく可愛くて好きなのですが、こうして二人はかみ合わない会話を続けてきたのだろうと思うと、悲しくなる場面でもあります。

セブルスは闇の魔術がどういうものなのか、この時はわかっていなかったのだと思っています。
ちょうどレギュラスがクリーチャーの受けた扱いによって考えを変えたように、セブルスはリリー(の息子)がヴォルデモートから狙われることになって初めて、自分の所属する場がどういうものか理解したのだと思います。それまではただわかっていなくて。

闇に惹かれたというより、ただただ大きな力に憧れていただけ、それが人にどのような影響を及ぼすのか、どれほど人を傷つけ自分自身の魂も損なうものなのか、ということまではわかっていなかったのだと私は思っています。リリーの「邪悪なもの(Evil)なのよ」という言葉も、具体的なものとして、セブルスの心には届かなかったのだろうと思います。

7巻以前に私が抱いたセブルスのイメージは、父親=マグルに対して恨みを持つ心に深い闇を抱いた少年でした。今は、純真で無垢で清らかな心を持っている少年をイメージしています。
確かに家庭環境は彼の心に影を落としたけれど、魔法の世界に対する強い憧れと希望によって、彼の心は支えられていたと思うのです。
リリーに対しても、そんな魔法の世界の象徴のように思い、強く憧れていたのではないかと考えています。マグルどころか、魔法そのものの象徴として、大きな支えになっていたと。

父親=マグルへの復讐といった根深い恨みによって闇へ闇へと進んでいったわけではないと私は考えています。
スリザリンという環境も影響し集団心理が働いて、『何かすごく力のある格好良いもの』的な見方をしていたに過ぎなかったと思うのです。ただ、リリーとの決別によって、後戻り出来る道は断たれてしまったのでしょうけれど。

同様にリリーにも、セブルスの魂が無垢であることや、セブルスの求めるものはそれほど邪悪なものではないとは、わかっていなかったのだと思います。何度言っても闇の魔術を使う集団から抜け出さない闇に惹かれた人にしか見えなかったのでしょう。

リリーを責めることも、とても出来ないと感じています。
出会った頃から二人は少しかみ合っていなかった。
お互いの話を最後まで聞いていなかった。
大事なことはお互い全然伝わっていなかった……。


この時、「どうして、わたしだけが違うと言えるの?」と聞かれ、何か言おうともがいていたセブルスに、リリーは軽蔑した顔で背を向け去っていきました。
ああ、リリー。あなたは彼にとって特別な存在だったのよ、あなただけは本当に違うのよ、と代わりに言ってあげたいです。



● COMMENT ●

読んで私も、「あ、ほんとにかみ合わない会話してるわぁ・・・。」なんて読み返してしまいました。でも私としては、セブは立場の確保で仕方なくマルシベール達を非難できなかったと思います。スリザリンにもマグルだとか混血だとかはいっぱいいると思うのですが、「血を裏切る女の息子」という、グレーゾーンに分類されない、的確な敵意(?)をむけられる半純血だったわけじゃないですか。グリフィンドールのいい家のお坊っちゃんたちからはやりたい放題やられて、スリザリンの人達からは「あいつ、半純血だってよ」とか言われたと思います。スリザリンは比較的に裕福な家柄も多いみたいだし、まだ子供で学校という小さな社会で生きていくしかないセブルスにとってかなりハードな学校生活スタート・・。そんなときに、スリザリンの中でも一目置かれていたと思われるルシウス先輩が、自分の横に居場所をつくってくれちゃったらもう収まってるしかないし・・。だから、スリザリンの先輩方を非難することは、セブにとってかなり危険なことだったと思います・・(妄想大展開だけど・・)。「昔、僕が言ったことを思い出してほしい。僕は、僕自身は、マグル生まれも何も変わらないと思っているんだ」って言いたかっただろうなぁみたいな。というか、リリーはそこのところを思い出してほしかった。変わったと思っちゃったのかなぁ・・?    というのが私の見解です。

半純血の扱い

カロリーナさん、はじめまして!

カロリーナさんは、この時セブルスはある程度闇の魔術に否定的な気持ちを持っていた上で、マルシベール達を非難することができなかったとお考えなのですね。
この時セブルスが「マグル生まれも何も変わらない」と思っていたとしたら、とても素敵なことだと思います。

私はどちらかというと、いじめられようが無視されようが、自分の正しいと思うことは言うタイプだと思っているので(妄想です)、この時は残念ながら本当にマグルへの偏見は持ち合わせていて、リリーだけが特別だったと見ているのですが。

しかし、それはそれとして、半純血のスリザリン生は寮内ではどのような扱いを受けていたのだろう?とは思います。
カロリーナさんがおっしゃるように「あいつ半純血だってよ」的な扱われ方を受けたのかどうか気になるところです。
狭い魔法界では「スネイプ」が純血の家系でないことは一目瞭然だったでしょう。
純血が少数派となった現代では、半分プリンスであるということで十分だったのか、十分でないにせよいじめの対象にはならなかったのか、一段低く見られて引け目をかんじていたのか、逆に明晰な頭脳で一目置かれていたのか、その辺のイメージが定まっていません。
そこは割と曖昧にぼかされた感じで、逆に色々想像する余地があって面白いです。

コメントありがとうございました。
また何か思うところがあったら教えてください。

コメ返ありがとうございます!。ただいまさらに読み込み中です。JKローリングさんにはさらに書いてもらうこと希望なんですが、ちょっとなさそうで残念です。

読み返すたびに新しい発見があって、イメージも変わることがありますよね。
はっきり書かれていなくてもどかしい部分もありますが、そこはそれぞれ好きな想像で補えるのが魅力です。
そんな、読者それぞれの中の色々なスネイプ先生像を聞かせてもらうのも私の楽しみの一つです。また聞かせてくださいね。


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