topimage

2017-11

口にしなかった言葉 - 2010.01.30 Sat

リリーと議論する記憶の中でセブルスは、ルーピンを病気だと言うリリーに「毎月、満月のときに?」と言っただけでした。
ルーピンの正体を知りながらも、結局「人狼」という決定的な言葉を口にしなかったセブルスの姿に、強く胸を打たれます。

リリーが、セブルスを「恩知らず」とか、ジェームズをヒーローのように「あなたを救った」とか、まるで見当違いなことを言っているにも拘わらず、セブルスはルーピンの正体をばらしていないのです。
不十分な言葉でリリーの怒りを買っても、自分の見たものについては、ついに一言も語りませんでした。

何度目かの読み返しでこのことに気づいた時、思わず声に出して泣いてしまいました。
この状況で、ルーピンを貶めてまで自分を有利にしようとしなかったところに、私はセブルスの魂の気高さを感じます。
ルーピンの秘密をばらした時に彼が受ける社会的なダメージの大きさを、セブルスはわかっていたのではないかと思います。また、ダンブルドアに口止めされたことを、きっちり守ろうとしたのでしょう。
(結局、ルーピンの正体を明らかにしたのは、教師となったルーピンがハリーたちを襲うというあってはならない出来事があった直後でした。さすがにその時は、ルーピンの社会的ダメージ云々を言っている場合じゃなくなったからだと私は思っています。)


「最悪の記憶」の試験の場面でのセブルスは、人狼に関する設問があっても一心不乱に解答を書くのみで、ルーピンの方をちらりとも見ていませんでした。
シリウスは試験中よそ見をし、ジェームズは落書きしているというのに。またこの二人は、試験後ルーピンの前で話題にして笑い飛ばしたり、大声で話して「小さい声で頼むよ」とルーピンに哀願されたりしていたというのに。

私は以前、O.W.Lの日は暴れ柳事件より前の出来事ではないかと推察したことがありました。
セブルスが、設問の「人狼」に反応する様子はなかったからです。
それに、あの事件の後でジェームズやシリウスが、二対一で攻撃してくるとは思えなかったからです。いくらなんでも、暴れ柳事件が最後の悪ふざけだと思っていました。
暴れ柳事件でセブルスに、死ぬかもしれないような悪戯をしておきながら、OWL試験の後、退屈だという理由でいきなり二人がかりで攻撃し、多くの人の前で辱めるとは思えませんでした。また、暴れ柳事件では、ルーピンだってかなり心に傷を負ったはずですから、大声で話題にするとも思えませんでした。
シリウスもジェームズも、何の反省もないではありませんか!
暴れ柳事件からは、何も学ばなかったのでしょうか。

それに、ルーピンだって自分も他人も危険に晒すと知りながら、ダンブルドアと決めたルールを破っていました。その罪は重いと思います。
なのにセブルスは、怒るリリーの前でもルーピンの秘密を守り続けたのです。支離滅裂になりながらも、「ジェームズは君が好き」などと自分が不利になるようなことを言いながらも……。
その人間性に、私は強く強く惹かれます。
セブルスの魂の清らかさ気高さが、ここでリリーに伝わらなかったことが残念でたまりません。

● COMMENT ●

解釈に感動しました

火冬と申します。
流し読んでいた場面にそのような解釈の仕方があるとは思いませんでした。
思わず、感動しました。
これから読み直そうかと思います。
失礼します。

はじめまして!

火冬さん、はじめまして。
私の解釈に感動してくださってありがとうございます!

リリーがジェームズのしたことを誤解しているのに、それを否定はしても、事実は一切告げなかったことに驚いています。
他愛ないように見えて、一つ間違えば、死人と殺人者が出たかもしれない、少なくとも人狼が一人増えたかもしれない恐ろしい悪戯だったのに。言えば、リリーを心底呆れさせることができたかもしれないのに。
そう思ったら、泣けて泣けて仕方ありません。

コメントありがとうございました。
読み直して、何かお気づきのことがあったら、教えてください。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://legilimens.blog68.fc2.com/tb.php/263-00eb3719
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

かみあわない二人 «  | BLOG TOP |  » ポッターのやっていること

拍手コメントについて

拍手コメントをいただいた時は、その記事のコメント欄にお返事いたします。

プロフィール

二尋

Author:二尋
スネイプ先生への愛を語らずにはいられません。         

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

スクロール式になっています

前ブログからの訪問者数

リンク

このブログをリンクに追加する

最近のトラックバック

ブログ内検索

RSSフィード