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2017-05

合言葉 - 2009.07.29 Wed

叫びの屋敷を出たハリーは、城に戻り、校長室を目指します。
途中、大広間に横たえられたフレッドやルーピン、トンクスの亡骸を目撃し、自分のために死んだと激しく動揺、心を引き抜いてしまいたいと思いながらハリーは走り続けました。スネイプ先生の最後の想いが入ったクリスタルのフラスコを握りしめて。
校長室を護衛するガーゴイル像に合言葉を聞かれて、ハリーが反射的に叫んだ「ダンブルドア」は、本当に正しい合言葉でした。

ここは何度見ても胸の詰まる場面です。
合言葉に「ダンブルドア」という言葉を選んだ、スネイプ先生の胸中を思うと、息苦しくなってきます。
校長自身がこの場所を通る際に、合言葉を言う必要があったかどうか定かではありませんが、ダンブルドアが存命中、自分の好きなお菓子の名を合言葉に使っていたことを考えると、やはり校長本人も言っていたのではないかという気がします。喜んで口にしていた言葉だったのではないかと思います。


校長室の合言葉は、通常、生徒たちには知らされていないようです。
ハリーが2年生で初めて校長室に入った時はもちろん、その後4年生であてずっぽうで言ってみた時も知らなかったわけです。
6年生で個人授業を受ける際には、合言葉も知らされましたが、つまり、やたらに生徒に教えるわけにはいかない言葉だったのだと思います。
かつてマクゴナガル先生やアンブリッジが合言葉を言っている場面があったり、トレローニー先生が校長室に居た場面があったことを考えると、ダンブルドアの時代は教員は一応皆知らされていたのではないかという気がします。

でも、スネイプ先生の場合、教員全員に教えていたかどうか疑問です。
教師ではあっても死喰い人のカロー兄妹には知らせていなかったような気がします。スネイプ先生自身、あの空間を汚されるように思ったかもしれませんし、歴代の校長たちも嫌がりそうです。
もしかしたら、誰にも教えず、すべての伝達事項は職員室でのみやり取りされていたかもしれません。カロー兄弟だけに知らせないのは不自然だし、実際、スネイプ先生の真意を知る人は誰もおらず、教職員の誰とも二人だけで話すような必要はなかったでしょうから。
全てを一人で抱え込んできたのですから、むしろ誰も校長室に入れるわけにはいかなかった気がします。
そもそも、ヴォルデモートの腹心を演じるスネイプ先生が、ダンブルドア側であることがバレるような言葉を教えるはずないと思います。

でも、ダンブルドアを信頼し、ダンブルドアを心の拠り所とするハリーのような人なら、本当に中に入りたいと、この場に立った時、合言葉がわからず途方に暮れた時、一度は口にしてしまう言葉だということを、スネイプ先生はわかっていた気がします。
こんなに急に死ぬことになろうとは、スネイプ先生も計算外だったと私は考えているのですが、それでも、いつハリーや騎士団員が入ろうとしても、対応できるようになっていたのではないかという気がします。
誰にも教えずにいて、それでいて真にダンブルドアを求める者は入れるような仕組みだったと思います。

また、ホグワーツを去る日が近いと悟ってから「ダンブルドア」を合言葉にしたのではなく、校長に就任した時から変わらない言葉だったのではないかと私は考えています。でなければ、ジニーやネビルやルーナが簡単に校長室に忍び込めるはずありません。
入り方のわからなかった3人が「ダンブルドアだったら」とか「ダンブルドアの時は」などと会話して、偶然開いたのだと思います。

そして、ダンブルドアが自分の好物を合言葉に使っていたように、スネイプ先生自身もこの言葉を口にしたかったために、合言葉に決めたようにも思えます。真にダンブルドアを求める者として、心の拠り所として。
それに、ダンブルドアの死後も、何度だって声に出して呼びかけたかったのだと思います。肖像画にも面と向かっては言えない素直な気持ちで。そんな姿を想像しています。

ハリーを始めダンブルドア側にいる人の行動を考慮した上で、ダンブルドアに忠実でダンブルドアを愛する自分の想いも込めた言葉だったと私は思っています。

● COMMENT ●

7/30に拍手コメント下さった方へ

拍手とコメントありがとうございます!

33章以降は、本当に読むのも辛いですよね。スネイプ先生の大事な記憶を見ているのですから(こう書きながら今も泣きそうです)。
でも、先生が伝えたかったこと、しっかり見ていきたいので、私も頑張ろうと思います。
応援ありがとうございました。


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コメント下さった方へ

初めまして。
本当に、「秘密の部屋」のダンブルドアの言葉のようですね!
「本当にこの学校を離れるのは、わしに忠実な者がここに一人もいなくなった時」、とか「ホグワーツでは助けを求める者にはそれが与えられる」とか言っていましたものね。
スネイプ先生もまた、「忠実な者」の一人だったのだと思います。

コメントありがとうございました。
またどうぞいらしてください。

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コメント下さった方へ

はじめまして!
数ヶ月間もの間、毎日見てくださってありがとうございます!
また、文章を書く励みになる感想の数々、嬉しく読みました。
こちらこそありがとうございます。

私も6巻を読んだ時は、スネイプ先生がダンブルドア側であるかどうかは信じきれていませんでした。
が、それまで見てきた、人を丁寧に扱う人柄や、ダンブルドアを殺した時の苦しみは信じていましたから、たとえダンブルドア側でなかったとしても、人間性を信じる気持は変わりませんでした。
そして本当に、思った通りの素晴らしい人でした。7巻の出来事は大変ショックでしたが。
読了後一週間何も手につかなかったとのこと、よくわかります。
愛する気持ちは比較できません。どうぞ、これからも一緒にスネイプ先生への愛を語っていってくださいね。
コメント、お待ちしています。大歓迎です!

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コメントくださった方へ

はじめまして!
ハリーたちと一緒に成長しながら読むことのできた、幸せな世代の方なのですね。
多くの人が、主人公になりきって、本を読むと思います。
私も、4巻まではずっとハリーの気持ちで読んでいました。
だから当然スネイプ先生も好きではなかったのですが、ちょっとハリーから離れて読むと、すごく魅力的な人物だとわかりました。
見方が変わると、物語も変わってきますよね。
どうぞまた最初から違う視点で読み返して、たくさんの発見をしてください。
原書の挑戦も応援しています!きっとよりたくさんの発見があると思います。

どうぞまたいらしてくださいね。
コメントありがとうございました。


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