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気力 - 2009.05.24 Sun

私は、以前、スネイプ先生が、「希望・幸福・生きようとする意欲」といったプラスのエネルギーであるパトローナスを作り出すことができたことから、先生は生きる意欲を持っていたのだ、と書いたかと思います。
リリーを愛した自分を肯定し、リリーとの一番幸せだった想い出を糧に、前向きに生きていく意欲が湧くようになったからこそ、月のように眩しく輝くパトローナスを作り出すことができたのだと。
今でもその気持ちに変わりはなく、また前回書いたようにリリーへの想いよりも優先するものがあったと考えていることから、スネイプ先生は、ハリーに伝える役目は負ったものの、死んで記憶を残すことでその役目を全うするつもりではなかったのだと思っています。
実際は、ここまでハリーに憎まれた状態で、どうやって正しく情報を伝えるつもりだったか、見当もつきませんが。

それでも、決してここで死ぬつもりではなかったと思います。
なぜなら、ハリーをずっと見守ってきたスネイプ先生が、ハリーを死なせる方向に導いてしまったままで、責任を放棄するとは思えないからです。ハリーが成すことを、見届けるつもりはあったのだと思うからです。
だから、ここでヴォルデモートに「おまえが生きているかぎり、セブルス、ニワトコの杖は、真に俺様のものになることはできぬ」(7巻32章p.402)と言われて、わずかな抵抗として、杖を上げたのだと思います。
もしかしたら、無言呪文で防御したものの、すぐには何も起こらなかったことで、一瞬でも防御を解いてしまったのかもしれません。
一瞬、スネイプは死刑を猶予されたと思ったように見えた。(7巻32章p.402)との描写もあるので。
多分、今までもそんなヴォルデモートの気まぐれを見てきたのではないでしょうか。あるいは、呪文による攻撃を想定していての防御で、檻に取り込まれることは防げなかったとか。
とにかく、防御できなかったことは、つくづく残念です。

まさかナギニの檻に取り込まれるとは、スネイプ先生も思っていなかったのでしょう、叫ぶ以外、何もできなかったようです。
この叫び、原文ではyellが使われています。(驚き・恐怖などで)鋭く叫ぶ、という意味です。
いつもヴォルデモートの前では冷静だったであろうスネイプ先生が、感情を顕わにした最初で最後の場面だったかもしれません。
そして、蛇語での「殺せ」の言葉はスネイプ先生には聞き取れないまま、いきなり首を噛まれて、どんなに驚き、怖かったことでしょう。

恐ろしい悲鳴が聞こえた(7巻32章p.402)
There was a terrible scream.(UK版7巻p.527)

screamは、驚き・恐怖・苦痛などで上げる悲鳴、金切り声のことです。
まさに、そのどれもが入り混じった気持ちだったのだと思います。
この瞬間の先生の苦痛を思うと、私も胸が張り裂ける思いです。
どんなに痛くて、苦しくて、怖かったことでしょう。可哀想に。

そして、スネイプ先生が諦めていない姿に、強く胸を打たれます。
ハリーに気づいていないスネイプ先生の、足が痙攣している状態にありながら、首の出血を止めようとしている指に。
ここ、the fingers trying to staunch~(UK版7巻p.528)となっています。
staunchすることをtryしている指なんです。
staunch(=stanch)は、〈血を〉止める、〈傷口〉の血を止めるという意味ですから、血を止めることを試す、努力しているという意味なのだと思います。
スネイプ先生なら、首からの激しい出血が命取りになることはよく心得ていたと思います。ここで死ぬわけにはいかないからこそ、血を止める努力をしていたのだと思います。
おそらく自由の利かなくなった指で、ぎこちなく、一生懸命傷口を押えていたのでしょう。その姿を想像することは、とても辛いです。

そして、スネイプ先生、この後もまだtryしています。
~,whose widening black eyes found Harry as he tried to speak.(UK版7巻p.528)
瞳孔が広がっていくスネイプの暗い目がハリーを捕え、話しかけようとした。(7巻32章p.404)

首を貫かれ、喉から、A terrible rasping gurgling noise(ひどく耳ざわりなゴボゴボいう音)がしている状態で、言葉を発するのは大きな努力が必要だったと思います。
日本語訳では「死に際の、息苦しいゼィゼィという音」(7巻32章p.404)となっていましたが、原文のこの描写は、血液混じりの呼気が、うがいのような音を立てていたのだと私は解釈しています。

思いがけずハリーに伝える機会がやってきて、先生は迷わず、記憶を出すことにしたのでしょう。もしかしたら、ヴォルデモートに見られる危険を覚悟で、ハリーが来ても来なくても、記憶の糸を出しておくつもりだったかもしれません。まるで、準備していたかのように、いっぺんに漏れ出ていきましたから。
目と口と耳と、なりふり構わず記憶を出すスネイプ先生に、残された時間が少ないことを悟った焦りが感じられました。
いくら、生きる意欲はあっても、もう体が限界に来ていることは、わかっていたのだと思います。
ハリーが無事、フラスコいっぱいの記憶を汲み上げるとすぐに、ローブをつかむ力が弱り、短い一言を残して、動かなくなってしまいました…
まるで、見届けたかのようです。
全く、大した気力です。
死ぬ直前まで頑張っていたスネイプ先生には驚かされます。
そして、本当に頭が下がる思いです。

● COMMENT ●

こんにちは。
7歳の子どもにスネイプを思い出させるためにググッたらこちらのブログにたどり着き、夢中で読んでしまいました。

私はハリーの視点で読んだので、「スネイプ(「先生」という尊称もつけず・・・)の人生、すごくかわいそうじゃない? ちょっとあんまりだよね。」といった感想程度だったのですが、二尋さんの記事を読むと、本当に身につまされます。

これからもずっと読んでいきたいと思います。楽しみにしていますね♪

見方が変わると

cosmosさん、はじめまして!
偶然みつけた私の記事に興味を持ってくださってありがとうございます!夢中で読んでくださったとのこと、とても嬉しいです。
7歳のお子さんとは映画をご覧になったのでしょうか。
今までの映画では登場場面が少なかったので、人物像がつかみにくいですよね。

私も最初はハリー視点で読んでいたのですが、スネイプ先生を援護する視点で読むとまた別のものが色々見えてきて面白いです。
偏った視点での語りですが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。


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スネイプ先生への愛を語らずにはいられません。         

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