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2017-07

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選んだ道 - 2009.05.17 Sun

7巻を読み終わった後も、私には、スネイプ先生はなぜハリーに真実を告げた(記憶を託した)のか、ということが疑問でした。
リリーが命に代えて守った息子ハリーを、リリーのために自分も命懸けで守ってきたというのに、「死ぬべき時に死なねばならぬ」と本人に伝える役目をなぜ果たそうとしたのか、ということがわかりませんでした。

「リリー・エバンズを愛していたなら、本当に愛していたなら、これからのおまえの道ははっきりしておる」
「その死を無駄にせぬことじゃ。リリーの息子を、わしが守るのを手伝うのじゃ」(7巻33章p.437)
と言われ、選んだハリーを守る道は、言わば愛の証です。
ダンブルドアは、ハリーを守ってきた理由を「あの子に教え、育み、自分の力を試させることが大切だったから」と言っていますが、スネイプ先生自身は、少なくともその話を聞かされるまでは、リリーのためにハリーを守っていると思っていました。
33章では、その辺「あなたは私を利用した」(7巻33章p.451)と言ってダンブルドアと議論していますが、「あの子に情が移ったと言うのか?」という、まるで論点のずれた質問をされて、はぐらかされた印象です。
結局、その時スネイプ先生は、ハリーへの情ではなくリリーを今でも愛していることを示しただけで、その場面は終わってしまっています。

34章で「蘇りの石」によって出てきたリリーは、ハリーが死地に赴く時、それを止めるどころか、嬉しそうに微笑み「勇敢だった」と言っています。
私はこのリリーの言葉にとても違和感を持ちました。
自分の命と引き換えに守った息子が、たとえ世界の平和のためとはいえ、たった17歳で死のうとしていることを、喜ぶ母がいるだろうかと。
これは、シリウスの「君の一部なのだ」という言葉から、ハリーの幻、ハリーの願望ではないかと私は見ています。でなければ、リリーたちにはハリーが死なないことがわかっているからとか。
少なくとも、リリーの望みはハリーが生き延び、人生を全うすることだと私は思います。そして、スネイプ先生もそう思っていたはずです。
そして、ダンブルドアから肝心な計画を教えられていないスネイプ先生は、自分が真相を告げることでハリーが死ぬと思っています。
リリーが死んだ時、「私も死にたい」と言ったスネイプ先生がなんとか自分をコントロールできたのは、リリーの死を無駄にしないために、「リリーの息子を守るダンブルドアを手伝う」という心の支えができたからだと思います。
だから、リリーへの愛を貫くつもりなら、ハリーに真相を伝えず、リリーの望み通り生かしておく、という道もあったはずです。

なのに、なぜあんなにも懸命に伝えようとしたのか。
自分の命の灯が消えかかって、息も絶え絶えなのに、
‘Take…it…take…it…’(UK版p.528)
「これを……取れ……これを……取れ」(7巻32章p.404)
などと言って内にあった記憶を出したのか。

前回、ダンブルドアなど強い力に逆らえないスネイプ先生の心の傷について語りましたが、私はこの場面では、スネイプ先生がダンブルドアの命令に逆らえなかったとは思っていません。
本人を前にしてこその反応だと考えています。
だから、ここは純粋に、スネイプ先生の意志でこうしたのだと思います。
なら、なぜ?

私の出した結論は、世間一般の見方とは違うかもしれませんが、私は、スネイプ先生がハリーの命より、つまりリリーへの愛より優先したものがあったからだと考えています。
それは結局ダンブルドアの目指したものと同じものなのかもしれませんが、もう少し限定されているかな、という気もします。
ホグワーツに暮らす人々、生徒たちや先生や他の職員を救うために、ハリーを死に向かわせたのだと考えています。
日本語訳では、さらっと通り過ぎてしまった「全力でホグワーツの生徒たちを守ると、約束してくれるじゃろうな?」(7巻33章p.443)に対する頷きSnape gave a stiff nod(UK版p.547)を、私は「しっかり頷いた」と解釈しているからです。

スネイプ先生は、十数年の教師生活の中で確実に成長し、ホグワーツの生徒たちを愛するようになっていたと私は思っています。
ドラコなどスリザリンの生徒だけでなく、ネビルもケイティも、全ての生徒がスネイプ先生によって守られていたように私には見えます。
30章でマクゴナガル先生などの寮監たちに追われた時だって、一切傷つけようとはしませんでした。

ハリー、ヴォルデモートそしてスネイプと、身寄りのない少年たちにとってはここが家だった……。(7巻34章p.466)
と、ハリーのホグワーツについての想いが34章に書かれていますが、少年時代だけでなく、大人になってからも、スネイプ先生にとってホグワーツは家庭であり、ホグワーツの住人は家族だったのではないかと私は思っています。

真実を告げれば、ハリーは死に、リリーの望みを絶ってしまう。
けれど、ヴォルデモートもまた倒れ、世界に平和がもたらされ、ホグワーツの住人は心安らかに過ごすことができる。
この二つを秤にかけ、選んだ結果が、ハリーに真実を告げること、だったのではないかと思います。
これ以外、今の私には納得できる説明がつきません。

スネイプ先生には、リリーへの愛を上回る愛が新たに生じていて、愛する人々を守るために、リリーへの想いを犠牲にして、ハリーに真実を告げたのだと、今の私は考えています。


● COMMENT ●

どちらかではなく…

開心術←全部読みました!

凄い検証です!感動しました!丸一週間かけてやっと読み終え、やっと感想文を書けます^^

読みながら時にスネイプ先生のコトで泣きました。


リリーへの思いと、ホグワーツ住人への思い…二つに分かれて書かれてましたが……

私は分かれてるのではなく、繋がっているのではないかと思うのです。


リリーは、ハリーを守る為に死んだけど、元はと言えばヴォルデモートから世界を守る為に不死鳥の騎士団に入ってます。


リリーの意志を引き継ぐのなら、ハリーを含めた全ての人を守る努力をするのだと思います。


死の間際…ハリーに「死ね」と言う為に記憶を渡したのではなく、今後の行動と思考の材料として渡したのだと思いました。

先生しか知らない情報が沢山あるので、それを秘密にしたままではいけないと判断したのだと思いました。



ヴォルデモートとの最後の会話中、先生は何もできませんでした。

それは、逃げる方法、ハリーに知らせる方法、そしてハリーへの伝え方を考えていたのではないかと思うのです。

もちろん先生自身は死ぬつもりがないからこそ、ハリーへの伝え方が1番の問題点だと考えられるからです。

自分が死ぬとわかった時には、遜色した意見ではなく、あるがままの記憶を渡しました。それしか方法が無かったかと言えば……あったと思います。渡す記憶のチョイスが出来たと思うから。


先生は、死ぬ直前まで生き残るコトを前提に働き、リリーの死を無駄にしない為に働き、死ぬ時にはハリーを認め全てを託して、リリーに会えるコトを希望に亡くなっていったのだと…私は思うのです。


生徒のコトを思う気持ちも、リリーからの引き継ぎだと思うのです。

リリーは全ての人に愛された。それは、リリーが全ての人を愛していたから。スネイプ先生も先生なりに全てを愛そうと努力したのではないかと思うのです。ジェイムズは例外として…


そして、多分途中から、ハリーに対して、守る可き子供ではなく、リリーの意志を引き継ぐ同志もしくは、ヴォルデモートに立ち向かう一人の大人の男、自分の意志を引き継いでもらう一人の男…そんな風に感じていたのではないかと思うのです。


ヴォルデモートに立ち向かう男に、自分の修正しない記憶を委ねるべき男に、判断の材料として記憶を渡し、死ぬ覚悟をし、リリーの目を見ながら死んだ。


何が言いたいかわからなくなって来ましたが^^;


スネイプ先生は純粋にリリーのコトだけを想い、リリーのみを特別扱いをして、それ以外の人はハリーも含め、愛すべき対等同等の人間と見てたのではないか?と思うのです。

で、最初に戻って……分かれてるのではなく…リリーの意志を引き継ぐ=ホグワーツを愛する

というように、繋がってるのではないかと思うのです。

なるほど!

うみさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
そして、最初から読んで下さった上に、ご意見書いて下さって、ありがとうございます!

〉リリーは、ハリーを守る為に死んだけど、元はと言えばヴォルデモートから世界を守る為に不死鳥の騎士団に入ってます。
〉リリーの意志を引き継ぐのなら、ハリーを含めた全ての人を守る努力をするのだと思います。
確かにそうでした!ヴォルデモートと闘う側にあったリリーの意思を私は忘れていました。
そうか、そうですね。
おっしゃる通り、私は、リリーの息子を守る立場と、人々を守る立場を分けて見ていました。後者はリリーの意思でもあったんですね。
なるほど、そう考えると、スネイプ先生がハリーに真実を伝えようとしたことも理解しやすくなりますね。

〉スネイプ先生は純粋にリリーのコトだけを想い、リリーのみを特別扱いをして、それ以外の人はハリーも含め、愛すべき対等同等の人間と見てたのではないか?と思うのです。
これは私も同意見です。
リリーに対してだけ持っていた偏った愛(恋愛感情)が、長年ホグワーツで過ごすうち、人間全てを愛する気持ち(人間愛)を持つようになっていったイメージです。
ただ、私の場合、あくまで一緒に過ごした生徒や職員たちから学びとっていった、というイメージで、リリーの目指したものを結局目指した、というところに繋がらなかったわけですが。
目からうろこが落ちる思いです。
ただ、今ご意見を見せていただいたばかりで、まだ十分消化できない部分もあるので、今後も考えていきながら、私の血肉にさせていただこうと思います。


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スネイプ先生への愛を語らずにはいられません。         

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