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2017-09

無抵抗 - 2009.05.11 Mon

32章には私にとって色々受け入れ難いことが書かれていましたが、その中でも理解しにくかったのが、スネイプ先生がヴォルデモートにほとんど反撃しようとしなかったことでした。
私はその理由を、ヴォルデモートから杖の秘密を聞かされてダンブルドアの真意を疑って混乱したためかもしれないと思ったり、ハリーに真実を伝える方法を模索することに集中していたためだと考えたりしたことは、既に述べました。
もう一つ、私の頭をよぎり、無視できないものがあります。
スネイプ先生には、圧倒的な力に対する畏れのようなものがあったのではないか、というものです。

どうもスネイプ先生には、子どもの頃から一貫して父的なものへの恐れ、畏れ、憧れのようなものがあったように感じます。
父親が母親を怒鳴りつけている部屋の隅で泣いていたり、家の様子を聞かれて眉間に皺を寄せたり、両親が喧嘩ばかりしていると言ったり、「僕はいなくなる」と家を出ることを望んだり、父親のことを「あの人は何にも好きじゃない」と言ったり、半純血のプリンスと名乗ったり、父親や家庭に対する葛藤を感じます。それも、真っ向から対立しようというより、逃げていこうとする姿勢、大きな力に対する脅え、委縮のようなものを感じます。
お父さんは暴力を振るう人だったのでしょうか。幼いセブルスが恐怖を感じて魔法の力をコントロールできなかったたりすれば、よけいに痛めつけられたかもしれません。
圧倒的な力には抵抗できないとの思いが身についていたのではないかという気がします。そして、だからこそ余計強い力に憧れたのではないかと思います。

作者も、チャットで死喰い人になろうとしたスネイプ先生のことを、
~like many insecure, vulnerable people (like Wormtail) he craved membership of something big and powerful, something impressive.
「多くの不安定で傷つき易い人々(ワームテールのような)のように、彼は大きくて、力のあるもの、何か堂々としたものの一員であることを切望しました」(二尋の直訳です。間違っていたらご指摘ください)と言っています。
大きくて力のあるものに対する畏敬の念はあったのだと思います。
心理学の領域に踏み込んでまで説明することは私にはできませんが、何か父親に対する葛藤のようなものに由来しているのではないかと思っています。

ヴォルデモートに対しても、ダンブルドアに対しても、同じような思いを抱いていたのではないかと私は考えています。
だから、リリーを守って欲しいとダンブルドアに頼みに行った時にひどく怖がっていた様子だったり、ダンブルドアの理不尽な「殺してくれ」という要求に抗議しながらも、鋭い視線に結局屈してしまったりしたのではないかと思うのです。
ヴォルデモートに対しても、太刀打ちできないような思いがどこかにあって、いざ死を宣告されると蛇に睨まれた蛙のようになってしまった可能性も私は否定できません。
常に冷静で、どんなに激しい視線で貫かれても閉心術を破られなかった精神力とは別に、そんな一面もあったのではないかと思います。
もしそうであったとしても、それは弱さではなく、心の傷に因るものなのだと私は思っています。

● COMMENT ●

無抵抗な訳

お返事ありがとうございます(^^)

私も、スネイプ先生がなぜにヴォルデモートの攻撃に無抵抗だったのか疑問なんです。

ヴォルデモートの右腕になる程なんだから、何かしらの切り抜け方法があってもよさそうです!

二尋さんの考察も、なるほど…と思いました(^-^)/

そこでですね、叫びの屋敷でスネイプ先生がハリー達がそばにいることに気が付いていた可能性は無いんでしょうか?(>.<)

私の想像力不足で、叫びの屋敷のどの辺にハリー達がいるのか、いまいち掴めないんです(^^;

スネイプ先生はハリーが現れた時、瀕死の状態だったから、タイミング良く現れたことに驚かなかっただけなんでしょうか?

あんな、タイミング良く現れるのは凄い確率だと思います。
賢い先生がムダな所で命を落とすとは思えません。

ヴォルデモートに迫られて、「ハリーを連れてくる」と言っていましたが、ヴォルデモートがもし、「じゃあ、よろしく」ってなったとして、あのタイミングでハリーにダンブルドアからの伝言を伝えて、さらにはヴォルデモートに殺されに行くように仕向けたでしょうか。
しかも、ハリーはそのタイミングのスネイプ先生の話を信じて、命をかけようと覚悟するかな…と。

スネイプ先生は、ダンブルドアにリリーを助けてくれと頼み、それに対しての「なんなりと」であり、リリーが助からなかったからあれは無効なのでは。
リリーを愛しているなら、ハリーを守れということに生き甲斐を見いだしていたとすれば、世界の平和も大事ですが、いくらダンブルドアからの命令でも「なんなりと」ハリーを犠牲にしようとするとは思えません。

あと、ダンブルドアが「情がうつったのか」と言われて守護霊をわざわざ出したのは、私には言い訳に見えました。
本当は、情は確実にあったと。
無器用な人だから、絶対に素直に「はい。」などと、言わなそうです。

なぜに、ダンブルドアは閉心術の達人のスネイプ先生にハリーはヴォルデモートに殺られても大丈夫だと、伝えなかったんでしょうか?

スネイプ先生がハリーは大丈夫だと気が付くことなく、ハリーはやはり死なないといけないと理解していたら、ハリーの犠牲の上の平和な世界を生きられたでしょうか。

生きる意志が無かったなんて思わないのですが、どこか自分の命をかけるタイミングがあれば、そうしようと覚悟していたように思います。

最初に戻りますが、もしもスネイプ先生がハリー達に気が付いていたら、ヴォルデモートに迫られた時に、思いめぐらせたのは、杖のこと、ダンブルドアのこと、ハリー達をヴォルデモートに知られてはいけないし、ハリーに伝言を伝えなければいけないこと、などが頭を駆け巡り、結果今このタイミングで、命がけでハリーに伝えようと決めたのかな?と、私はスネイプ先生がヴォルデモートに無抵抗だったのは、こういうことかな?と思いましたが…どうなんでしょう?

やっぱり、ハリー達が近くにいることには気が付いてはいなかったんですかね?σ(^_^;)?

既に話されていたり、分かりきったようなことでしたら、お恥ずかしい限りです~(^^;

>コアラロケットさん

コアラロケットさん、コメントありがとうございます!
ゆっくり考えてからお返事したいので、2~3日お時間下さい。
考えがまとまりましたら、この続きに書きますね。

9/7
お返事遅くなって申し訳ありませんでした。
お考え聞かせてくださってありがとうございます。
まず、この部分
> 既に話されていたり、分かりきったようなこと
ではないことは確かです。世間で議論し尽くされたわけでもありません。
ローリングさんが明かさない限り(可能性は十分ありますが)、議論は続くと思います。

この場面で、スネイプ先生がハリーの存在に気付いていた、ということは私は考えたことありませんでした。
そういう目で見て読んでみましたが、やっぱり私にはそうは感じられませんでした。

ハリーが叫びの屋敷に到着した時、既にスネイプ先生はヴォルデモートのそばにいました。
もしハリーより後から入って来たなら、ハリーの存在を知っていた、と私も考えることができるのですが、先に居たとなると、スネイプ先生はそれどころじゃなかった、と思ってしまいます。
ヴォルデモートに呼び出され叫びの屋敷に入ったスネイプ先生は、ヴォルデモートのそばで球体に守られて空中に浮かんでいるナギニを目にした時、まず考えたのはダンブルドアの言葉だと思います。ナギニが守られるようになったら、ハリーに真実を告げよ、という言葉を。
それをどうやって伝えようかと、ヴォルデモートに気付かれないよう注意しながら画策している時に、床下の気配にまで気付くとは思えないのです。(それほどの集中力だという意味です)
そして、ハリーが来た時驚かなかったのも、おっしゃる通り瀕死の状態だったからだと私は思います。死にかけている人は、驚く(驚きの表情を出す)エネルギーもないと思います。

ただ、ここでなんとか生き延びたとして、それをどうやってハリーに伝えるつもりだったのだろうか?という疑問はあり、それは私の中で解決できていないのも確かですし、ここで私が「スネイプ先生はハリーに気付いていなかったと思う」で会話を終わらせるのも勿体ない気がします。
文中、気になった部分があるので、ハリーに気付いているかどうかはともかく、「無抵抗な理由」からも離れて、伺います。

> リリーを愛しているなら、ハリーを守れということに生き甲斐を見いだしていたとすれば、世界の平和も大事ですが、いくらダンブルドアからの命令でも「なんなりと」ハリーを犠牲にしようとするとは思えません。
> あと、ダンブルドアが「情がうつったのか」と言われて守護霊をわざわざ出したのは、私には言い訳に見えました。
> 本当は、情は確実にあったと。
> 生きる意志が無かったなんて思わないのですが、どこか自分の命をかけるタイミングがあれば、そうしようと覚悟していたように思います。
> 最初に戻りますが、もしもスネイプ先生がハリー達に気が付いていたら、ヴォルデモートに迫られた時に、思いめぐらせたのは、杖のこと、ダンブルドアのこと、ハリー達をヴォルデモートに知られてはいけないし、ハリーに伝言を伝えなければいけないこと、などが頭を駆け巡り、結果今このタイミングで、命がけでハリーに伝えようと決めたのかな?と、私はスネイプ先生がヴォルデモートに無抵抗だったのは、こういうことかな?と思いましたが…どうなんでしょう?

「命をかけるタイミングあればそうしようと覚悟していた」「今このタイミングで」は、無抵抗だった理由ですね?
では、ハリーに情が移っていながら、なぜハリーが死ぬべき時に死ぬ運命にあると伝えたのだと思われますか?
リリーを愛しているなら、ハリーを守ることに生きがいを見いだしていたなら、ダンブルドアの命令でもハリーを犠牲にするとは思えない、というコアラロケットさんのご意見、私も全く同じです。
リリーへの愛の代わりではなくハリー自身を愛していたなら、ますますハリーを犠牲にしようとは思わないような気がするのですが。
そこを教えてください。

どこかで命をかけるタイミングがあればそうしようという覚悟、というのは、少なくとも最初はそうだったと私も思っています。
私の中では、スネイプ先生のその気持ち(命をかけるタイミングを伺う気持ち)は時間とともに変化していっています。この辺は願望ですが、根拠のない妄想でもありません。
その根拠を書いた記事、英語力も無いのに書いたことが恥ずかしくて隠してしまったのですが、以前イギリス人に確認したところ私の考えが大きく間違ってはいないことがわかったので、再び見えるようにしておきます。
http://legilimens.blog68.fc2.com/blog-entry-469.html

ダンブルドアのように世界の平和を目指すのではなく、スネイプ先生にとっての家庭であるホグワーツを守りたい気持ちから、ハリーを犠牲にすることを選んだのではないかと考える根拠となる部分です。


ありがとうございます(^^)

丁寧なお返事ありがとうございます(*^^*)

そうですよね、それどころじゃないですよね…。

ハリーから数センチ先にスネイプ先生がいたとあったので、なんらかの気配を感じたりするかな~と、思ったのですが(..)
あれだけ、ヴォルデモートがハリーは自分から来ると何度も言っていたのもありましたし。

なぜスネイプ先生がハリーに死ぬべきだと伝えようしたか…

情を感じつつも平和へと導こうと戦う同士として、伝えた…というのはどうでしょう?(汗)

しかしそれも結局行き着くのは、ホグワーツを守りたいと思ったからなんですよね。

過去の考察も読ませて頂きました。
本当に深いところまで掘り下げて読み取っていて、勉強になりました(^^)

あれからまた少し無い頭をひねって考えたのですが、スネイプ先生はヴォルデモートにダンブルドア側だと信じこませる必要があったから、無抵抗だったということは無いですか?(>.<)

ヴォルデモートが杖の所有者になったと信じこませて、過信につながるように…とか。

どうしても、スネイプ先生が何もしなかったのが悔しくて…。

なんとか生き延びてくれ~!!
と、叫びたくなります(^o^;)

こちらこそ!

コアラロケットさん、質問にお答え下さってありがとうございます!
>平和へと導こうと戦う同士として
>結局行き着くのは、ホグワーツを守りたいと思ったから
が、お答えですね?

リリーのために守っていてもハリー自身に情が移っていたとしても、死なせる方向に導くことが不自然な気がしてなりません。助かる可能性を知っていたならそれもわかりますが、私は知らなかったと思っているので、そうなるとなぜ伝えようとしたのだろう?という疑問が残ります。
そこで、リリー又はハリーより優先するものがあったのではないか、と考え、それは何だろうと考えると、ハリーの「スネイプにとってもここは家だった」という内容の言葉が浮かびました。
ここ、原文で'He and Voldemort and Snape, the abandoned boys, had all found home here ... 'となっていて、直訳すれば「ここに家庭を見いだしていた」となることに心を打たれました。(最初のHeはハリーを指します)
家族(ホグワーツの人々)を守りたかったのかなあ、というのが今のところ私の中で一番有力な考え方ですが、同じようで嬉しいです。

スネイプ先生が無抵抗だった理由、
>スネイプ先生はヴォルデモートにダンブルドア側だと信じこませる必要があったから、
もしかして、「ダンブルドア側」ではなく「ヴォルデモート側」と書こうとなさったのでしょうか?
裏でダンブルドアと示し合せていたと気付かれないよう、あくまでヴォルデモートの手下としてダンブルドアを殺し、杖の所有権は自分にあると見せかけるため、ということですか?
ナギニに襲われる直前にヴォルデモートから杖の所有権の移動の話を聞いてダンブルドアの意図を理解して、咄嗟に自分が犠牲になる判断をした、というのもアリだと思います。
私はそこまでスネイプ先生の能力を高く見てはいないし、ここではハリーに伝えることに集中していると思ってはいますが。
いずれにしても、もう少し抵抗するかせめて身を守って欲しかったです。
そう思うと本当に悲しくてなりません。
叫びたい気持ち、同じです。

ありがとうございます(^^)

そう、ダンブルドア側じゃなくて、ヴォルデモート側です(^_^;)

汲み取って頂いて、ありがとうございます。

スネイプ先生は『臆病者』という言葉に過剰という程反応します。

それは、リリーを自分で守ろうとしなかったことをずっと悔やみ、責めているからなのかな?と思いました。

最期の場面でヴォルデモートに逆らえなかったと思いたくない心情が私にあるのかもしれないです。

ハリーポッターは本当に奥が深いですね!

原作を最終巻から逆からですが、読み始めました(^^)

なんせ、長い物語ですから全部読み返し終えるのにはまた時間がかかりそうですが、また自分では分からないことを書き込ませて下さい☆

臆病者

コアラロケットさん、再度コメントありがとうございます!
『臆病者』に過剰反応することについて、今まで私はあまり深く考えていませんでした。
『臆病者』に反応した当時のスネイプ先生の気持ちしか思い至らなかったのですが、過去に遡ってまで考えていませんでした!おっしゃるようにリリーを守らなかったこと、そもそも死喰い人になった自分の弱さを責めているのかもしれませんね。

読み返しされるのですね。
きっと新しい発見が山ほど出てくると思います。
本当にハリポタは奥が深いです。
私も何年か考えていますが、わからないままの部分は結構あって、こうやってコメントいただけると新しく考え直す良い機会になっています。
また何かお気付きのことがありましたら、教えて下さい。


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