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2017-05

閉心術 - 2008.08.24 Sun

遅刻すれすれで部屋に入ったスネイプ先生が、ヴォルデモートの指示に従ってついた席は、ヴォルデモートの右側でした。
文字通り右腕(一番信頼する有力な部下:広辞苑)という印象で、この場面、大変誇らしく思いました。
スネイプ先生は、実際はヴォルデモート側ではなかった上に、ヴォルデモートが復活した3年前、召集に2時間遅れで到着し、『ご不興を買った』経験があるにも拘わらず、これほど重んじられていることに感心します。そこにダンブルドアの入れ知恵があったとしても、裏切りの気配を感じさせない強い精神力があればこその席順です。

スネイプ先生はハリーの移動日を、土曜日の日暮れ、と報告します。
これは後の33章のダンブルドアの言葉が示す通り、ヴォルデモートに疑念を生じさせないためのものでした。
報告を受けたヴォルデモートは、スネイプ先生の目を見据えます。

その視線のあまりの烈しさに、傍で見ていた何人かが目を背けた。凶暴な視線が自分の目を焼き尽くすのを恐れているようだった。しかし、スネイプは、静かにヴォルデモートの顔を見つめ返した。
(7巻1章p.9)

ハリー視点で語られてはいないこの章での描写は、私は偏りがないものと見ています。
自分が見られてもいないのに思わず目を背ける傍の死喰い人。それほどの烈しい視線を正面から受け止め、静かに見つめ返すスネイプ先生。
一体何度こうして見据えられ、見つめ返したことでしょう。そのたび、ただの一度も疑いを持たれなかったスネイプ先生の強さにひたすら敬服するばかりです。
スネイプ先生の閉心術がヴォルデモートの開心術を上回っています。
33章では、ダンブルドアもこう評価していることがわかります。 

「ヴォルデモートに価値ある情報と見えるものを伝え、しかも肝心なことは隠しておくという芸当は、きみ以外の誰にも託せぬ仕事じゃ」(7巻33章p.447)

けれど私は、ヴォルデモートの烈しい視線すら貫けないほど心を閉ざせるスネイプ先生の強さや技術を誇る気持ちよりも、そこまで感情を抑え込むことのできたスネイプ先生の苦しみを想像する方が勝って辛いです。

スネイプ先生がヴォルデモートにも見破られないほど心を閉ざすことができたのは、リリーを守りたいと強く願った時以降のことだろうと思います。リリーを何としても守りたくて、きっちり心を閉ざす術を身につけたということは理解できる気がします。
でも、守るべき対象がハリーとなってからもそれだけの力があったのは、普段から自分の悲しみを封じ込め気持ちをすり替えていたからではないかという気がして気の毒でなりません。
どれほどの苦しみを押し殺してヴォルデモートの腹心の部下を演じ続けたのだろうと思うと、スネイプ先生が冷静であるほど辛くなってしまいます。

● COMMENT ●

本当に何て辛く苦しい生きざまなのでしょうか・・・。

皆がヴォルテモートからの「苦痛」や「死」を恐れて諂い敬うのに対してスネイプ先生はやはりヴォルデモートやそれらの「苦痛」「死」を恐れてはいなかったような気がします。

以前どこで読んだか聞いたのか・・「スネイプ先生がボガートを見たら何が出てくるのか」という質問にJKRさんは「重大なネタばれになるから答えられない」と言ったということを思い出しました。

スネイプ先生の恐怖はヴォルデモートでも死でもなく・・・。

「愛する者を失った恐怖・苦悩」は自分の死よりも恐ろしく苦しく、特に愛を持たないヴォルデモートなんかには全く理解出来ない心理で、その心でバリケードを張るスネイプ先生の心(涙)なぞ見えるわけもないんでしょうね。



迷い中

ゆうゆうさん、コメントありがとうございます。
>愛する者を失った恐怖・苦悩」は自分の死よりも恐ろしく苦しく、特に愛を持たないヴォルデモートなんかには全く理解出来ない心理で、その心でバリケードを張るスネイプ先生の心(涙)なぞ見えるわけもない
なるほど、おっしゃるとおり、ヴォルデモートには到底理解できない心理だと思いました。
スネイプ先生は死ぬ時まで、死や苦痛を恐れていたと私は思っていますが、それにしても、愛するものを失うことは、やはりそれ以上の苦痛だったろうと思います。
ゆうゆうさんは、その「愛する者を失った恐怖・苦痛」がスネイプ先生の心を遮断する壁となったとお考えだということでしょうか。参考にさせいただきますね。

私はこの部分、考えるほどに自分の考えがまとまらなくなっています。
気持ちをすり替えるスネイプ先生を気の毒、と自分で書いておきながら、そうなのか?と自問自答しているところです。
もしかしたら、もう少し前向きなものがあったかもしれないような気もしています。
最終章を語るまで自分の結論を出さないでおこうと思います。

>「愛する者を失った恐怖・苦痛」がスネイプ先生の心を遮断する壁となった・・・

そうですね。それもあります。そしてスネイプ先生の閉心術の強さの決定的なものは、やっぱり「亡くしてなお強く深く想い続ける「愛」の強さ・・と私は思っているのでした。

ハリーがヴォルデモートの心の侵入を無意識に自然にシャットアウト出来た状況が、死んだシリウスとドビーを強く想っている時だったかと記憶しているので・・・。

とすればスネイプ先生の閉心術の強力な力とは「・・・・・・」ということかなと。
(これ書いていて思ったのですが、もしこの方法だとするとスネイプ先生のキャラからしてあの閉心術の特訓でいくら出来なくともハリーには絶対に教えられないですよね・・・。コツを。ルーピン先生がパトローナスを出すコツを教えたみたいには・・・・・だめだ妄想してしまう!!がうがう!)

>「愛する者を失った恐怖・苦痛」
は・・ええっと・・他の魔法使いが「ヴォルテモートを恐れて動揺し、その恐怖が心や力を不安定にさせるような状況」を「愛する者を失った恐怖・苦痛」を最も恐怖と思うスネイプ先生にヴォルテモートは持たせることが出来ない・・・故に閉心術という術の力を不安定にさせることが出来ないから解けないかなと・・・。

>考えるほどに自分の考えがまとまらなくなって

その気持ちすごく良く解ります。
私の場合、考えや思いを抑えられなくなって日記や掲示板に書くのですが、書いていくと最初に湧き上がって書いていた思いが変わってきて、途中ぐるぐると堂々めぐりを初めて「あれ?私は何が言いたかったの?」となって、そして最初の考えとは違う新たな考え方を発見したりして。
 
新たな考えが浮かぶ、それが楽しくて二尋さんの掲示板にこんな夜中に書き書きしている私なのでした。もしかしたら考えを惑わしてしまったかもしれません・・・・・恐縮です・・(汗)。

やはり…

やはりスネイプ先生は
勇敢ですね…

最後まで心を閉ざしていたけど…
最後の最後で愛する子供のハリーにだけ記憶をきせたというところも
感動ですね…

本当に勇敢だ…

充電

【ゆうゆうさん】
再度コメントありがとうございます!
考えを惑わされてしまったわけではないんです。
何だか最近思考がまとまらなくて。
日記もいつもより時間がかかる割には納得いかない文章だし。
そういうバイオリズムなのかな~と思っています。
自分の考えもまとまらなければ、人様の言葉も入ってこない感じで、ちゃんとお返事できなくてごめんなさい。
ただ、こうして考えをまとめるために書いていただけるのは、私としては嬉しいんです。そうやって使って欲しかったので。これからも、どんどん書き込んでくださいね。

ちょっと充電してきます。

感動

【永遠さん】
熱く語ってくださってありがとうございます。
ずっと心を閉ざし続けたスネイプ先生には心動かされますね。

いつからの閉心術

リリーもホグワーツに入り、いろいろな事で離れていきます、からかわれたり、自分の思い通りにならない人間関係を構築していくうちに、もう、学生時代から自分の気持を表に出さない閉心術のようなものを術ではないにしろ身につけていたのだと思うと、
その寂しい気持が感じられてかわいそうで仕方がありません。

本当はやさしくて勇敢でちょっとだけ不器用だっただけなのに、小さい頃からコミュニュケーションを取る技術を磨いてこなかった(磨けない環境におかれていた)ばっかりに、ずっと誤解されて、自分の心を傷つけないために閉ざしていた心、
誰かが学生時代の時に無理やりにでも友情などを築き上げる関係にまきこんでいたら、と思うと残念です。

私は最初、ダンブルドアがそのことまで理解して補助してくれるために傍ににおいて(「信用している」といって)くれていると思っていました、最終巻が出た後そうじゃなかった事もよく分かり・・・


長年のスネイプ先生の寂しさがひしひしと伝わってくるようでつらいです。


経験

hajime*mamaさん、コメントありがとうございます。
スネイプ先生が心を閉ざすことに優れている、というのは資質というより、経験という感じがしますね。
入学前に両親の様子をリリーに聞かれたときの受け答えからも、既にそんな様子が見えるような気がして切ないです。自分を守る術だったと考えると尚更です。
数少ない、心を開ける対象だったリリーには絶交され、ダンブルドアには気持ちを踏みにじられ、本当にどんなにか寂しかったことでしょう。


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