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2017-08

水浸しのローブ - 2007.04.18 Wed

「学用品のカバンを持って来い」と言われたハリーが、教科書を取りに行って必要の部屋に隠し、再びトイレに戻るまで、スネイプ先生は何分かの間を、水浸しのトイレで待っていたと思うと、気の毒で仕方ありません。

だいたい、水浸しのトイレの床にひざまずいて反対呪文を唱えたのですから、膝から下のローブはびっしょり濡れていたに決まっています。また、水と血に濡れた床に横たわったドラコを抱えて立たせた際に、腕や胸あたりも濡れたはず。その後支えて病棟まで連れていっていますから、スネイプ先生のローブは、さらにドラコの血や水を吸ったことでしょう。
そんなびしょ濡れのスネイプ先生を待たせて、ハリーは教科書を隠そうとなおも悪あがきをしています。
隠す場所を提供してくれた必要の部屋は、大聖堂ほどの大きさがあり、その中にはホグワーツの住人が何世代にもわたって隠し続けたものが山となり、通路がいくつもありました。その一つに入って、右折やら左折やらして、戸棚に教科書を隠し、しばらく佇み、目印のものを置いています。またこの間、ハリーは、どんな物品が隠されているかかなり詳しく観察しており、必要の部屋で過ごした時間は1,2分ではなさそうです。そこからトイレに戻ったのは、1分後のようですが。

濡れたローブが、スネイプ先生の体温を奪っていたのかと思うと、やり切れません。もっとも、ハリーが血と水でぐしょ濡れであるとの記述はあっても、スネイプ先生がそうであるとは、書いていないのですが。
ドラコを病棟に連れていった時に、校内を歩くのに不適切な姿であるからと、自身とドラコを清めていった可能性もあります。真っ黒なローブでは、それほど血の色もわからないかもしれませんが、スネイプ先生が恐ろしい形相で、びしょ濡れで廊下を大股に歩き、床に血の混じった水を滴らせていたら、生徒はひどく驚くに違いないですから。
ドラコを抱えたり支えた時に、手には血もついたでしょう。その血まみれの手のまま、マダム・ポンフリーがスネイプ先生を帰すとも思えないし。(あ、でも3巻で担架を作って、ハリー達やシリウスを運んだスネイプ先生自身の傷は、放置されていましたっけ)

それでも私は、この場面、血と水に濡れたスネイプ先生が、冷たい水浸しの床に静かに立っている姿を想像してしまいます。3巻で自分の傷の手当ては後回しにして奔走したスネイプ先生が、この時だって自分のローブの濡れを気に掛けるとは思えないからです。
立ち姿は静かですが、ドラコの命が危険にさらされたこと、破れぬ誓いの内容、ドラコの任務、やりたくないと断ったもののダンブルドアから命じられた何か、そんな様々なことを一度に考えていたのではないかと私は想像しています。
その状況でローブを乾かすなどという発想はない気がします。
本人も気付かぬうちに随分冷え切っていたに違いありません(泣)

ハリーが戻って以降のスネイプ先生は冷静そのもので、やはり優秀な閉心術士だと思いました。トイレに飛び込んできた時こそ、感情が露(あらわ)になっていましたが、体が冷えるに従い、冷静さも取り戻していったのでしょうか。
おかげで、先生が何を考えているのか、どうしてこんなに軽い罰を言い渡したのか、私にはさっぱりわかりません。

それにしても、ハリーが戻ってきた時、黙って手を差し出す仕草も、教科書を一冊ずつ取り出し、魔法薬の教科書を入念に調べる様子も、想像するとその色っぽさにクラクラします(汗)
水の滴るローブを纏い、細長い手をカバンに突っ込み一冊ずつ取り出し、冷え切った指がページを繰り、表紙の裏表や背表紙などをじっくり見つめるスネイプ先生の姿。「ローニル・ワズリブ」の文字を見つけても、顔色一つ変えない冷静さ。確かに自分の所有物であると言い切るハリーに、言い方を変えて三度確認する慎重さ。ハリーに話しかける際のきわめて低い声や囁き声。全て美しくてうっとりします。

どうもこの場面、先生の美しさばかりに気を取られて、何か重要なことを見落としているような気がしてなりません。

● COMMENT ●

そう仕向けた?

前回の記事「追求なし」と今回の記事の両方を読んで、思ったことですが、スネイプ先生は、ハリーの持ってきた上級魔法薬の教科書に対し、フローリッシュ・アンド・ブロッシュ書店から買ったものかと聞いています。プリンスの本はどうした、とは聞いていません。
もしかして、この時点のスネイプ先生は、プリンスの本をハリーが他の誰の手にも渡らないように隠すこと(=必要の部屋に隠すこと)を望んでいて(どうして?と聞かれると深くは考察できていませんが)、ハリーがそうしたこともわかったので、軽い罰で済ませたのかなと思います。

>もとから知っていなくても、少なくともこの開心術によってスネイプ先生は、自分の教科書をハリーが所有し、利用していることは完全にわかったはずです。
と私も思っています。

重要なヒント

果穂さん、コメントありがとうございます。
この場面、やはり先生に何か思惑があるような気がします。本当に自分の教科書を取り戻したければ、持ってくるまでもっとしつこく追及できるはずですよね。「開心術で見たものと違う」と言い切れば良いわけだし、「どこに隠したかもわかっている」と指摘することもできるでしょうし。
ハリーに言葉だけで確認し、「嘘つき」と言いながらも提出させなかったのは、ハリーから取り上げるつもりはなかったのではないかと思えます。
この教科書、やはりまだ重要な役割が残されているのではないかと思います。私としては、スネイプ先生がハリーを助けるために、残していったと考えたいところです。少なくとも、最後に自分がプリンスであることを明かしている以上、先生が開発した呪文などの手の内は知れてしまいます。それは、「対スネイプ先生」の重要なヒントになってしまいますね(泣)

>やはりまだ重要な役割が残されているのではないかと思います。私としては、スネイプ先生がハリーを助けるために、残していったと考えたい
に同感です。

ここで必要の部屋の様子が細かく描かれていることも、何かのヒントなのでしょうか。例えば、ハリーがこのプリンスの本の助けを借りようと探しに来て(ああ、7巻ではそんな風にスネイプ先生を好意的に捉えるハリーになるのかどうかも淡い期待ですが)この部屋でホークラックスの手がかりもしくはそのものを見つけるとか。

>ハリーが素直にプリンスの教科書を持ってきたときには、どんな反応を示したのだろうかと考えずにはいられません
ここが、ちょっと痛いところですけれど。そうしたら必要の部屋は出てこないので。

必要の部屋

果穂さん、続けてのコメントありがとうございます!

必要の部屋に入ることは、物語の都合上、どうしても必要ですよね。
姿をくらますキャビネットをさりげなく登場させる必要があって。
言い換えれば、5巻以降、こんなに度々登場していたキャビネットに疑いを持たなかった読者としての自分も悔やまれますが。
私としても、ドラコが今学期のほとんどを割いて取り組んだ「キャビネットがあった場所」の説明だけでこの場面終わって欲しくないです。
やはり、7巻につながる一場面であって欲しいと、この場面に出てきたものをチェックしています。
ホークラックスはありそうですよね。レイブンクローに関する何かとかね。まさか、あのティアラ?


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