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2017-09

破れぬ誓い - 2006.08.06 Sun

ドラコを手助けできるかもしれないと申し出たスネイプ先生に、ナルシッサは『破れぬ誓い』を結ぶことを要求します。
「『破れぬ誓い』?」と聞きかえしたスネイプ先生、無表情な顔からは何も読み取れません。

先生はここでも閉心術を使って、動揺を悟られないようにしているのでしょうか。この後、ナルシッサの目を見据えた後、誓いを結ぶことを先生は承知したのでした。この時、ヴォルデモートの計画を把握したのではないかと書きましたが、それならナルシッサの望みもまたわかったはず。
既に最初に頼まれたヴォルデモートの説得は断ったスネイプ先生。
先生はどうして誓いを結ぶことを承知したのでしょう。

『破れぬ誓い』がどういうものであるのかが、よくわかりません。後に、16章でロンの話から、破ったら死ぬということがわかりますが。
その拘束力はいつまで継続するか、具体的ではない状況の場合、どこまでが誓いの範囲なのか。
読者には知らされなくても、先生は十分承知しているはずで、破れば自分の命がないような誓いを簡単に立てた理由がわかりません。

誓いは全部で三つありました。
1.闇の帝王の望みを叶えようとするドラコを見守ること
2.ドラコに危害が及ばぬよう力の限り護ること
3.ドラコが失敗しそうな場合は、闇の帝王がドラコに命じた行為を実行すること

日本語にするとわかりにくいのですが、一つ目の見守るはwatch over(監視する、世話する)、二つ目の護るはprotect(保護する、庇う、防ぐ)で、より積極的に守ることを要求しているようです。
誓いは三つ立てるものなのでしょうか。それとも、ナルシッサが欲張って三つも言ったのでしょうか。
内容も、だんだん重くなってきています。一つ目はただ見守るだけ、二つ目はドラコへの危害を阻止するため体を張れと言っているようなもの、三つ目はさらにエスカレートして身代わりになれと言っています。
これを見ると、別に一つ目はいらないような気もします。
そんな風に段階付けた三つの誓いこそが『破れぬ誓い』なのかもしれません。
炎も紐→鎖→縄(あるいは蛇)と、より太いものへと変化していますし。

三つ目の誓いで、ナルシッサがまだ全部言い切らないうちに、ピクリと手が動いたのは、先生の動揺を如実に示していると思います。
先生、次に来る質問を想定していたと思うのですが、事の重大さを改めて認識し、覚悟を決めた瞬間だったのでしょうか。一瞬の沈黙の間に、ダンブルドアの命とドラコと自分の命を秤にかけたのでしょうか。
全ては最終的なダンブルドアの計画の遂行のために?

ナルシッサにドラコを守る以外の他意はないと私は思います。スネイプ先生への信頼も本物だと思います。ただひたすら自分の息子を大事に思っていることも、なりふり構わないのも理解できます。
でも、この三つの誓いによって、スネイプ先生に文字通り命を懸けさせた事の重みはわかっているのでしょうか。
「本気で護らないとあなたも死ぬわよ」という脅しだけでは済みません。本当に人を一人殺す可能性のある誓いだということを自覚しているのでしょうか。
物語全体を通して言えることですが、スネイプ先生の命が軽く扱われすぎているようで、辛くてたまりません。命懸けの任務ばかりで、先生、気の休まる時が全然ないじゃないですか!!
そして、本気で護ったとしても、闇の帝王さえ成し遂げなかったことである以上、スネイプ先生も実行できずにドラコより先に死んでしまったら、結局ドラコを守ることができないこともナルシッサはわかっているのでしょうか。ダメで元々と、藁をも縋る気持ちだったのでしょうか。

この誓い、いつまで継続するのか非常に気になります。
三つ目については、具体的に闇の帝王が命じたことをドラコに代わって実行したと思われるので、もう効力はないかもしれません。
また、一つ目の『闇の帝王の望みを叶えようとする私の息子、ドラコを~』についても今回の命令に従おうとすることに限定されれば、効力はなくしたかもしれません。
誓いが三つで一組なら、あるいは、『闇の帝王の望みを叶えようとする』が二つ目の誓いにもかかってきていたら、二つ目の誓いも帳消しになったでしょう。
でもそれぞれに効力があるのなら、二つ目の誓いには先生をまだ拘束する力があるかもしれません。
また、闇の帝王が新たにドラコに命令することがあったら、それはこの誓いに含まれるのでしょうか。今回の誓いで、帝王の具体的な望みを示さなかったことが不安になります。

誓いの効力が失われていなければ、ドラコに危害が加わらないよう、先生は今後も体を張って庇わなければならないのでしょうか、一生。
それはお互いどうなのでしょう?さすがに鬱陶しいのでは?
どこかで先生が解放されますように。
庇いきれず、先生が死ぬような結末ではありませんように。

● COMMENT ●

作者の裏を勘繰って

>誓いを簡単に立てた理由
この誓いは有効だったのか?と、作者の裏を勘繰ってしまう私…先日のコメントと言ってることに一貫性がないですが(汗)
破ったら死んでしまうほどの制度(?)を実行するのだから、事前に、こういう内容をこういう文章で誓いましょう、と打合せはしないのでしょうか。これでは一方からの命令と変わらないような気がします。というわけで、こんなもの契約不成立だからかまわないというふうにスネイプ先生考えて受けたとか…。誓いが有効だとベラに思わせて信用させる芝居だったのかも?ドラコに具体的な方法を聞きだす際に「破れぬ誓い」をしたから教えろ、と迫る口実にも出来るし(実際クリスマスにそうしたけど無駄でしたが)…三つ目の誓いを「帝王の望みではないのでそこまでは誓えない」と断ることもできたように思えるのですが、そうしなかったのは、何を言われてもこの誓いが無効(=破っても死にはしない)と思っていたから…。
でも、通常は理不尽な誓いだと気付いた時点で誓いの儀式をやめればすむことだから、最後まで儀式を続けたということはお互いが内容を理解した上での誓いだと認められ、やっぱり有効な誓いとして成立したのかな…。
先生が結果的にドラコを助けたのは、最終対決の場まではヴォル側を演じ続けなければならないのと、ドラコを殺人犯にしたくない、などの理由からでも説明はつくと思ったからです。誓いを破ったら自分が死んでしまうからドラコを助けた、なんていうふうには思いたくないので・・・
>先生の命が軽く扱われすぎているようで、
騎士団の他メンバーにもあてはまるのですが、予言の全貌とホークラックスの件は知らされることなく任務についているのですよね?大事なことを知らされないまま命を賭けさせられているなんて。ヴォルにとらわれたりして、知っていることを吐かされたらまずいから?ロンのほうがよっぽど危ない気がするけど(彼は簡単に操られてしまいそうで・・・)私、ダンブルドアも大好きなので非難したくはないのですが(苦笑)

苦しみながらも非情に

千穂さん、コメントありがとうございます!
そもそも、この誓いが有効とは限らないということですね。
その線については考えていませんでした。
何か、抜け道がないとは言い切れませんね。う~ん、全くわかりませんが。
ただ、この誓い、内容を理解していなくても、誓ってしまえば成立してしまうような気はします。ロンが5歳くらいの時、何もわからないままに誓いを結びそうになって、父アーサーは激しく兄達を怒ったようですから。
スネイプ先生の場合、開心術で内容を知っていたとするなら、何もかも承知で受けたとも思えますが。

>自分が死んでしまうからドラコを助けた、なんていうふうには思いたくないので・・・
ああ。私もそう思います。自分の命惜しさのために助けたのではないと。
先生は憎みながらもずっとハリーを守ってきたし、全ての生徒の未来を考えている人だと思います(クラッブやゴイルの闇の魔術に対する防衛術なども、本気で心配していると私は思っています)そして、何か大きな目的に向かって、時には不本意な選択もしながら、苦しみながらも非情に、強い意志で行動しているような気がします。そうであって欲しいという願望ですが。

>ダンブルドアも大好きなので非難したくはない
私も同感です。ダンブルドアは好きですが、ハリーを愛しく思うことが計画の欠点などと言うように、非情な面も持ち合わせていると思います。
スネイプ先生と同様にルーピンも危険なスパイの役目を任されましたし。
未来の人々が大勢抹殺されることを防ぐため、自分も含めハリーやスネイプ先生、ルーピンなど何人かは駒のように配置しているのではないかと思っています。自分も大いに苦しみながらも、非情で戦略的なダンブルドアの姿を今、想像しています。

もしかしたら

 はじめまして、私もスネイプ先生大好きです。いつも楽しく拝見しています。
 ここしばらく考えていることがあるのですが、もしかしたら、スネイプ先生は、ダンブルドアとの間に、「ハリーを守る」といった破れぬ誓いを結んでいるのではないでしょうか。ハリーの父親の死に深く悔いた先生が、自分から言い出した、とか。
 ダンブルドアは偉大な者が過ちを犯すと、影響も大きく惨禍を招くようなことを言っていたし、ダンブルドアはハリーたち生徒や騎士団員など、多くの人々の安全に責任があるので、ただスネイプ先生を信じる、ということは立場上できないのではないでしょうか。
 6巻の終盤で、ハリーに「臆病者」よばわりされて異様なほど怒るスネイプ先生も、こうした背景なら納得できるのですが。

魔法の力

よしえさん、はじめまして!
コメントありがとうございます。

よしえさんが考えていらっしゃるのは、ハリーを守るという誓いを立てていたとして、「破れぬ誓いを破ったらスネイプ先生本人も死ぬはずだから、ハリーを守らないはずがない、とダンブルドアは思っている(=信じている)」ということでしょうか。
つまりダンブルドアが信じているのは魔法の拘束力と、自分の命を捨てることはないだろうという思い込み、ということでしょうか。
それも十分あると思います。
私にとっては、それはスネイプ先生自身への信頼ではないので、とても辛いのですが。
偉大なものが過ちを犯すと~という言葉は私も気になっていました。おっしゃるように、立場上ただ信じるというわけにはいかないと思います。6巻の結末は、惨禍を招いたようにも見えますが。

また、以前から私もスネイプ先生が、秘密の守り人であったり、他の魔法で拘束されている可能性はあるかもしれないと思うことがありました。
そうは思っても、拘束によってハリーを助けるのではなく、自分の意志で助けていると思いたくて、あまり触れていませんが。
でも、私の希望はともかく、その可能性は捨てきれないと思います。それに、自分の強い意志をもって破れぬ誓いを立てた、と考えれば、私の希望にも副いますね。

妄想ばかり言ってすみません…

お返事が遅れてすみません。実はパソコン持ってなくて図書館からコメントしているものですから…(お恥ずかしいです)
私も千尋さんと同じ気持ちです。
せめてダンブルドアくらい無償でスネイプ先生を信じていてほしいです。
私はダンブルドアからスネイプ先生に破れぬ誓いを強制することはないと思います。非人道的過ぎますから。
あくまでスネイプ先生自身が「命を懸けてハリーを守る」とダンブルドアに表明するのです。
今は、ハリーを守るため(=ヴォルを倒すため)に、それこそみんなが命を懸けている切迫した状況です。(あのルーナ・ラブグッドだって命がけです)
スネイプ先生がその気なら、ダンブルドアは誓いを受け入れるでしょう。
ヴォル亡き後(=ヴォルの開心術により秘密がばれる心配がなくなった後)、ハリーはダンブルドアに促され、「憂いの篩」で誓いのシーンを見ます。
そこでハリーははじめて、スネイプ先生が常に一貫して自分を守ってくれていたことに気づくのです。
かっこいい…
という妄想に取りつかれています。
でもある意味、こうでもしなければ、めでたくヴォルを葬った後、スネイプ先生はダンブルドア殺害の罪でアズカバン送りになっちゃいます。
ダンブルドアがそんな無責任な死に方しちゃ、スネイプ先生がかわいそう。

ごめんなさい

ごめんなさい。
失礼しました。
お名前間違えてしまいました。
二尋さんの「尋」の字を出そうとしてうっかり…。
直し方が分からなかったものですから、申し訳ありません。

悔悟の念

よしえさん、図書館からご覧になってくださっているのですね。ありがとうございます。

スネイプ先生は自分のしたことを深く悔いてあくまでも自分の意志で誓いを申し出たのではないか、ということですね。
誓いを申し出たかどうかということ以前に、先生の後悔の念というものが私にはよくわかりません。私はスネイプ先生は大好きなのですが、6巻でダンブルドアが説明した、盗み聞きがもたらしたことを深く悔いたというスネイプ先生の話は、まだ説明として十分ではないと感じています。何か語られていない重要なエピソードがありそうで、今はまだ、ダンブルドアの言うスネイプ先生の後悔の気持ちも納得できません(スネイプ先生を信じられないのではなく)。
ただ、ダンブルドアが「スネイプ先生がどんなに深い自責の念に駆られたか、君には想像もつかないだろう」と言うくらいですから、やはりスネイプ先生のその気持ち自体は本物だろうと信じています。スネイプ先生が縷々語って聞かせたという悔悟の言葉を知りたいです。むしろ、ハリーには、この言葉を憂いの篩で見て欲しいと思いました。
ダンブルドアは肖像画となっても憂いの篩を見ることは促せそうですね。やはり、客観的に示すものがなければ、スネイプ先生の真意は永遠に伝わらないので是非、そうして欲しいです。
7巻でスネイプ先生が、ハリーにも読者にも正しく理解されることを願っています。

あ、名前の件は大丈夫ですよ~

かなり残酷な考えですみません。自分ではそうであってほしくはないと思います。考えたのは、3つの誓いがセットになっていた場合、スネイプ先生がドラコをかばいきれず、呪いによって死ぬのではなく、誰か他者によって殺されたのではないかということです。(この場合はヴォルデモートということになります。)おそらく破れぬ誓いが破られた場合の死に方というのは、謎で自分の中で引っかかっていました。

>コルデリアさん

コメントありがとうございます。

>自分ではそうであってほしくはない
ごめんなさい。この「そうであってほしくない」の「そう」が何を指すのかよくわからず、お返事がずれているかもしれません。
誓いを破った時の死に方が、「『呪いによって死ぬ』ではあってほしくない」と解釈してお返事しますね。

実際どうなのかはわかりませんが、私の考えるところを書きます。
ロンが5歳くらいの時にフレッド(7歳くらい)と手を握り合って、その誓いをやりかけた、と言っていること、見つけた父親(アーサー)が、本気で怒ったと言っているところを見ると、子どもでも形式に従って誓いを立てれば、効力を発揮するものだとわかります。
子どもが誓う内容は、「誰か(ヴォルデモート)から誰か(ドラコ)を守る」というような人の命がかかるような重大な約束ではなく、「勝手におもちゃに触れない」とか「お菓子を独り占めしない」とか他愛ないものの可能性が高いと思います。
その場合でも誓いを破ったら死ぬのだったら、「誓いに登場する他者に殺される」より「その瞬間に心臓が止まってしまう」的なものではないかと推察しています。


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