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2017-08

蝿を撃ち落とす少年  - 2006.03.27 Mon

プロテゴで開心術を撥ね返したハリーが、二つ目に見たスネイプ先生の記憶は、「脂っこい髪の十代の少年が、暗い寝室にぽつんと座り、杖を天井に向けて蝿を撃ち落としている」(5巻26章p.269)というものでした。

静かな記憶です。この時十代のセブルスは何を考えていたのでしょう。

開心術によって覗かれる記憶は、だいたいが強い感情を伴った記憶のように思います。
ハリーが最初にスネイプ先生に見られた記憶は、5歳の時にダドリーの自転車を羨ましさで張り裂けそうな気持ちで見ているというものでした。その後も、ブルドッグに追われて木に登ったところをダーズリー親子が笑って見ている(恐怖と屈辱)、組分け帽子を被っている(不安)、顔が黒い毛で覆われたハーマイオニーを見ている(心配)、吸魂鬼が迫ってくる(恐怖)、ヤドリギの下でチョウ・チャンが近づいてきた(戸惑い→喜び)等々。(括弧内は二尋が想像したハリーの気持ちです)
何気ない生活のひとこま、例えば食事をしているとか、授業をぼんやり聞いているなどの記憶は混じっていません。その後の課外授業で覗かれた記憶も同様で、恐怖や屈辱など負の強い感情を抱いている場面がほとんどです。正の感情はヤドリギの下のチョウの記憶とみぞの鏡の両親の記憶くらいですが、やはり強い感情の揺れがあった場面だと思います。
開心術で嘘がすぐに見破られるのも、嘘というもの自体強い動揺を伴っているからかもしれません。だからこそ、閉心術を身につけるために感情を無にする必要があるとも考えられますが。

さて、このように考えると、この蝿を撃ち落す一見静かな記憶も、セブルス少年の心の中には激しい感情が渦を巻いていたように思えます。

そもそも、この時彼は何をしていたのでしょう?
杖で蝿を撃ち落すには呪文を使うしかなさそうです。何の呪文でしょうか。
最初に想像したのはアバダ・ケダブラでした。でも、失神呪文で飛んでいる蝿を麻痺させて落とすことは出来そうですし、他にも、石にして動きを止めることや、服従の呪文でも落ちるよう従わせることは出来そうです。
ですが、やはり激しい感情の揺れを伴うとなると、死の呪いアバダ・ケダブラのような気がします。

蝿を殺すことに動揺していたのでしょうか。
私でさえ、蝿や蚊を叩き殺す時、何のためらいもなく叩いていますから、セブルスだって迷いなく撃ち落していたような気がします。
むしろ、その呪文を使うことが気分を高揚させていたのではないかと思います。入学前から多くの呪いを知っていたとはいえ、アバダ・ケダブラを試すのはこの時が最初だったのかもしれません。

ベッドに座って静かに死の呪いを試しているとしたら・・・怖い場面です。

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