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2017-05

悲しみの表現  - 2006.03.23 Thu

最初の閉心術の授業から二ヶ月以上経ち、ハリーがルックウッドの夢を見てから二週間後の閉心術の授業にて。
スネイプ先生の開心術をプロテゴで防いだハリーの頭は、自分のものではない記憶で満たされました。最初の記憶は、「鉤鼻の男が、縮こまっている女性を怒鳴りつけ、隅のほうで小さな黒い髪の男の子が泣いている」(5巻26章p.269)というものでした。

これは、大変辛い場面です。
隅のほうで泣いているのは幼いセブルスだと思われます。
泣いている理由は、両親の不仲が辛いからでしょうか、母親が父親に苛められていると感じたからでしょうか、構って欲しかったからでしょうか。とにかく、この場面を悲しく思っているのは間違いないと思います。

私のイメージは、静かに涙を滴らすか、顔を覆ってさめざめと泣く姿でしたが、原文を見るとcryが使われているので、声に出して泣いているようです。
声に出して泣くというのは、悲しい気持ちを殺しておらず、それほど内に篭っていない感じがします。まだかなり幼いころの記憶ではないでしょうか。

今のスネイプ先生は自分の悲しみを簡単に表さないというか、いままで先生の悲しい表情についての記述は無かったと思います。悲しい思いをする場面がなかったとも言えますが、そんな場面があっても悲しい表情を見せる人には思えません。むしろ、怒りとして表現するような気がします。今まで見せた怒りの数々のいくつかは、悲しみを表していたようにも思うくらいです。(例えば3巻でブラックの話を信じるかのような口調のダンブルドアに対しての言葉「我輩の言葉には何の重みもないということで?」や、ブラック逃亡後の逆上など)
最初の閉心術の授業での「感情を制御できず、悲しい思い出に浸り~」という発言からも、悲しさを表現することへの抵抗を感じます。

素直に悲しみを表していた幼い少年が、次第に悲しみを内に秘めるようになっていったいきさつを想像すると、胸が痛みます。
両親の不仲はこの後も続いたのかもしれません。十分愛されたかどうかが気がかりです。私は母親には愛されたと考えていますが、この記憶以降、母親の愛が遮断されてしまったかもしれないと感じています。
「縮こまっている」と訳された言葉はcoweringで、(寒さや恐怖で)縮こまる、すくむ、畏縮する、などの意味があります。ここでは単に体を小さくしている「縮こまる」というより、恐怖に怯えた「縮こまる」が適当だと思われます。夫への恐怖から母親は逃げ出し、幼いセブルスは見捨てられた可能性もあると思います。
声に出して泣いたところで、誰も助けてくれない、事態は改善しないということを、この時いきなり知ったか、これ以降、徐々に学んでいったのではないでしょうか。優秀な閉心術士となっていった原因もこのあたりの記憶と関係しているように思います。

ハリーに見せたくない記憶として、取り出すほどではないにしても、スネイプ先生にとっては辛い思い出の一つだったのだと思います。

● COMMENT ●

過去のコメント


チョイ悪の記憶 (たこぽん) 2006-03-25 23:07:02

 想像するに、これはスネイプが何かミスをしてしまい、父親に折檻されていたのだと思います。母親がみかねて口出ししたものの、今度は母親が怒鳴られていた時の記憶では?
 また、スネイプが蒼ざめたのは、父親への恐怖を思い出したのでしょう。生き別れかもしれませんが、両親とも既に亡くなっている気がします。 






ありがち (二尋) 2006-03-25 23:15:33

たこぽんさん、コメントありがとうございます。

スネイプ好きの妄想によって、とても悲しい記憶のように解釈しましたが、なるほど、そのようにも見えますね。
ミスを叱られ、母親が庇うというのは、ありがちな光景ですね。というより、自分自身、見に覚えがあります。折檻はあったかもしれないですね。
また、両親ともいないイメージは私にもあります。



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