topimage

2011-03

不誠実 - 2011.03.04 Fri

ハリーと同じ情報をもらえないことで、自分は信用されていないと言うスネイプ先生に、ダンブルドアは、信用の問題ではないと言います。
が、その説明もスネイプ先生を納得させるには不十分な上、話途中で「きみがわしを殺したあとに」と不承不承頷かせたことを前提に話し始めたり、若いスリザリン生について話題を転じたりしたために、ますますスネイプ先生は頑なになってしまいました。
そこでダンブルドアは、その夜十一時に部屋に来るよう言います。そうすれば信用していないなどと文句は言えなくなるというのです。

ダンブルドアの部屋で聞かされた話に、スネイプ先生は自分の信用問題以上の衝撃を受けてしまいました。
リリーのためにハリーを守っていると思っていたのに、ハリーは死ぬべき時に死ぬことができるよう生かされてきた、という内容だったからです。

リリーが死んだ時、「私も死にたい」と言ったスネイプ先生に、ダンブルドアは「おまえの死が、誰の役に立つのじゃ?」と言い、リリーを愛していたなら、これからの道ははっきりしていると、リリーの息子ハリーを守ることを提示してきたのでした。
その言葉はこうです。
「リリーの息子をわしが守るのを手伝うのじゃ」(7巻33章p.437)
Help me protect Lily’s son. (UK版p.544)
「闇の帝王は戻ってくる。そしてそのとき、ハリー・ポッターは非常な危険に陥る」(同)
-the Dark Lord will return, and Harry Potter will be terrible danger when he does.(UK版p.545)
この言葉を聞いて、スネイプ先生は、ハリーを守る道を選んだのです。

ダンブルドアの中では、『ハリーがヴォルデモートを倒せるように育つまで、真実を知っても自ら進んでその命を差し出すようになる時まで、十分機が熟す時まで』は、死んでしまわないよう守るのを手伝え、という意味だったかもしれませんが、もちろん、そんなことはこの言葉からはわかりません。ただ単に、ヴォルデモートが蘇った時に狙われるであろう、リリーの息子を守る、としか解釈できなくて当然です。
というか、そうとしか解釈できません。話が違いすぎます。騙しているとしか思えません。
スネイプ先生は、リリーが命に代えて守った息子を、リリーが守りたかった命を、陰ながら懸命に守っていたのに。
こんなにいい加減な話ってあるでしょうか。

真実を聞かされたスネイプ先生が、「あなたは私を利用した」(7巻33章p.451)‘You have used me’(UK版p.551)と言うと、ダンブルドアは「はて?」‘Meaning?’(同)と問いかけます。
「あなたのために、私は密偵になり、嘘をつき、あなたのために、死ぬほど危険な立場に身を置いた。すべてが、リリー・ポッターの息子を安全に守るためのはずだった。いまあなたは、その息子を、屠殺されるべき豚のように育ててきたのだと言う――」(同)

全くその通りです。
しかし、ダンブルドアの反応は、ずれています。
「結局あの子に情が移ったと言うのか?」(同)
仮に、そうだったとしても、スネイプ先生が言いたいのはそこではないはず。
話が違う!という内容の抗議の言葉に対し、「結局あの子に情が移ったと言うのか?」(同)と質問するのは的外れ過ぎます。
まずは、最初の話と違うことを謝るなり、何かしらの言い訳をするなりすべきだったと思います。

また、以前こんなこともありました。
リリーとその家族を救って欲しと懇願するセブルスに、「代わりに何をくれるのじゃ?」とダンブルドアは聞き、セブルスは「何なりと(Anything)」と答えました。
見返りを求めて「何なりと」という答えを得たのに、ダンブルドアはリリーたちを救えませんでした。
それは仕方のないことだと思います。
が、その時、「あなたならきっとあの女(ひと)を守ると思った」(7巻33章p.436)と言われて出てきた言葉が「リリーもジェームズも間違った人間を信用したのじゃ」「おまえも同じじゃな、セブルス」(同)でした。
Anythingは、それこそ自分の命に代えても、の意味だったと思います。それほどの覚悟を以て頼んだのに、守り切れなかった時の言葉が、故人やセブルスの落ち度を指摘するものでは、論点がずれている上、あまりに誠意がありません。
自分を殺すことをしぶしぶ頷いたことを「誓ってくれた(You gave me your word)」と言うなら、この時助ける代わりに何でも差し出すと言ったセブルスに対して、ダンブルドアもリリーたちを助けることを「誓った」と言えるのではないでしょうか。
ここにも不誠実さを感じます。


ダンブルドアは、あらゆる場面において、スネイプ先生の言うことに正面から答えていなかったように見受けられます。この不誠実さが、私にはとても気になります。
どんな計画があったにせよ、真剣な相手には、誠実に対応すべきではないでしょうか。いつも話を逸らし、焦点をぼかして答えているではありませんか。
その結果、スネイプ先生はもやもやした気持ちは一向に解消されなかったのではないかと思います。

結局、初めにスネイプ先生がこだわっていた自分が信用されているかどうか、という問題は解決されたのでしょうか。
後のページで、グリフィンドールの剣をポッターに与えることの重要性について、「あなたはまだ教えてはくださらないのですね?」(7巻33章p。455)と言っていることから、まだスネイプ先生の中ではわだかまりは消えていないのだろうと考えています。
そして、これがスネイプ先生の遺した最後の記憶だったので、きっとこの感情は解消されることはなかったのだろうと思います。
その寂しさを想像すると、とてもとても辛いです。

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

拍手コメントについて

拍手コメントをいただいた時は、その記事のコメント欄にお返事いたします。

プロフィール

二尋

Author:二尋
スネイプ先生への愛を語らずにはいられません。         

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

スクロール式になっています

前ブログからの訪問者数

リンク

このブログをリンクに追加する

最近のトラックバック

ブログ内検索

RSSフィード