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2010-02

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変化 - 2010.02.22 Mon

リリーとの決別の場面の次は、死喰い人時代のセブルスが、風の吹きすさぶ丘でダンブルドアと会っている時の記憶でした。
トレローニーの予言を聞いた後、さらにヴォルデモートは予言の男の子がリリーの息子だと解釈した後の出来事のようです。

丘の上は冷たく、そこに立つ木の枝は落葉していることから、秋から早春にかけての出来事ではないかと思います。ハリーが生まれた1980年の秋から1981年早春あたりでしょうか。
誰かを待ってその場をぐるぐる回るセブルス。見ているハリーに乗り移るほどの恐怖を抱いているセブルス。
白い光線とともに現れたダンブルドアに杖を吹き飛ばされ膝をついたセブルスは、がっくり膝をついて「殺さないでくれ!」(7巻33章p.433)と言いました。
予言の男の子がリリーの息子であることを話すセブルスは、ダンブルドアに、息子と引き換えに母親であるリリーを見逃してくれるようヴォルデモートに頼まなかったのか尋ねられ、「そうしました―私はお願いしました」(7巻33章p.435)と答えました。


子ども時代~学生時代のセブルスは、今までのイメージを覆すような無邪気さがあって驚いたのですが、この時も、大人になっているというのに、6巻までの私のイメージと全く違うものがあり、だいぶ驚きました。

まず、第一声が「殺さないでくれ!」という臆病なところが。
そして、リリーさえ助かれば、その息子の命はどうなっても良いと思っているところが。ジェームズがどうなっても良い、というのは理解できますが、赤ん坊の命と引き換えにその母親の命乞いをするというところが、ちょっと信じられませんでした。
そして、そうした上で、まだ心配でダンブルドアのところにリリーを守ってくれるようやってくるところも。

私が知っているのは、ハリーが入学してからのスネイプ先生で、それはつまりリリーの息子を守ると誓った後の姿ですから、当然と言えば当然なのですが、やはりそのギャップには驚かされます。
彼はこの時点までは、周りのことが見えていない上に、命の重みもわかっていなかったのだとつくづく思います。
ただただ自分が大事、だから自分の愛するただ一人の女性の命も大事、でもその女性にとって大事なものまでは考えない。
こんなに自己中心的な人だとは思っていませんでした。
けれど、驚きはしたものの、幻滅するようなことはありませんでした。
この後の変化を際立たせるエピソードとなった、と感じる程度です。

この時、自分大事のセブルスは、第一声が「殺さないでくれ!」でしたが、実はものすごく身の危険を冒してダンブルドアと面会したのだと思います。
ヴォルデモートの配下でありながら、その命を脅かす者の母親を守って欲しいとダンブルドアに言いに来たことが知れたら、命はないものとわかっていたでしょう。
ダンブルドアだって死喰い人にとっては敵ですから、のこのこ出て行ったら殺される、くらいの恐怖はあったと思います。
ダンブルドアを待つ時の恐怖は、ダンブルドアとヴォルデモートの両方に対するものだったのではないかと思っています。
死にたくないけれど死ぬかもしれない、でもリリーを助けたい、その思いで出かけていったセブルスは、自覚はなくとも既にリリーを自分よりも大事な存在と考え始めていたのではないかと思います。

また、リリーだけの命乞いをしたことを侮蔑されても一切の弁明をせず、全員を隠すよう頼んだのも、プライドも何もかなぐり捨てての必死な思いが伝わります。

さらに、ダンブルドアに「その代わりに、わしには何をくれるのじゃ」と見返りを尋ねられ、しばらくの沈黙の後に「何なりと」と答えたセブルス。それはつまり、自分の命を含めリリー以外の大切なものを全て差し出しても、自分の犠牲を知らぬままリリーが夫と息子と楽しく暮らしても、リリーが生き延びることを優先した、ということだと思います。
この時、今までは自分あってのリリーだったのが、完全に自分よりも大事なものとしてリリーの存在を意識したのだと、私は考えています。

さっきまであんなに自己中心的だったのに、いつの間にかリリーとその家族を隠すことの優先順位が上がり、自分は他の何を失っても良いと考えている……。
沈黙の間にどんな思考がセブルスの頭を過ったのでしょう?
ダンブルドアとの会話の中で、セブルスが自分の本当に大事なものを自覚していく様子が感じられて印象深い場面です。
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かみあわない二人 - 2010.02.11 Thu

ジェームズに逆さ吊りにされ、擁護したリリーに向かって「穢れた血」と言ってしまったセブルスは、リリーから絶交を言い渡されてしまいました。

以前、セブルスを口下手だと書きましたが、肖像画の前でのリリーとのやり取りは、ほとんど一方的にリリーが話し、セブルスが弁解する余地がありません。ものすごい剣幕で話すリリーに、思考がまとまらなくなってしまったのでしょうか。
セブルスの説明の言葉を最後まで聞かずに、勝手に文章を完結してしまうリリーにも腹が立ちます。
全部言わせてあげてよ。「聞いてくれ」って言ってるじゃない!

しかし、リリーにしてみれば、もう何年も同じ話をしてきたと感じているのでしょう。今更何を繰り返す必要があるのかと。
確かに、一つ前の記憶で、リリーは懸命にエイブリーやマルシベールの行いを非難し、闇の魔術を否定していました。
けれど、その時点で既に二人の会話は全くかみ合っていませんでした。
リリーが何を嫌っているのか、セブルスには全然わかっていなかったのだと思います。実際、リリーの言う闇の魔術を、セブルスは冗談だと思っていたようだし。
また、リリーがジェームズをけなすのを聞いたとたんセブルスの体全体が緩んで、足取りが軽くなり、リリーが再びマルシベールとエイブリーを非難する言葉は耳に届いていないようでした。
それはそれでものすごく可愛くて好きなのですが、こうして二人はかみ合わない会話を続けてきたのだろうと思うと、悲しくなる場面でもあります。

セブルスは闇の魔術がどういうものなのか、この時はわかっていなかったのだと思っています。
ちょうどレギュラスがクリーチャーの受けた扱いによって考えを変えたように、セブルスはリリー(の息子)がヴォルデモートから狙われることになって初めて、自分の所属する場がどういうものか理解したのだと思います。それまではただわかっていなくて。

闇に惹かれたというより、ただただ大きな力に憧れていただけ、それが人にどのような影響を及ぼすのか、どれほど人を傷つけ自分自身の魂も損なうものなのか、ということまではわかっていなかったのだと私は思っています。リリーの「邪悪なもの(Evil)なのよ」という言葉も、具体的なものとして、セブルスの心には届かなかったのだろうと思います。

7巻以前に私が抱いたセブルスのイメージは、父親=マグルに対して恨みを持つ心に深い闇を抱いた少年でした。今は、純真で無垢で清らかな心を持っている少年をイメージしています。
確かに家庭環境は彼の心に影を落としたけれど、魔法の世界に対する強い憧れと希望によって、彼の心は支えられていたと思うのです。
リリーに対しても、そんな魔法の世界の象徴のように思い、強く憧れていたのではないかと考えています。マグルどころか、魔法そのものの象徴として、大きな支えになっていたと。

父親=マグルへの復讐といった根深い恨みによって闇へ闇へと進んでいったわけではないと私は考えています。
スリザリンという環境も影響し集団心理が働いて、『何かすごく力のある格好良いもの』的な見方をしていたに過ぎなかったと思うのです。ただ、リリーとの決別によって、後戻り出来る道は断たれてしまったのでしょうけれど。

同様にリリーにも、セブルスの魂が無垢であることや、セブルスの求めるものはそれほど邪悪なものではないとは、わかっていなかったのだと思います。何度言っても闇の魔術を使う集団から抜け出さない闇に惹かれた人にしか見えなかったのでしょう。

リリーを責めることも、とても出来ないと感じています。
出会った頃から二人は少しかみ合っていなかった。
お互いの話を最後まで聞いていなかった。
大事なことはお互い全然伝わっていなかった……。


この時、「どうして、わたしだけが違うと言えるの?」と聞かれ、何か言おうともがいていたセブルスに、リリーは軽蔑した顔で背を向け去っていきました。
ああ、リリー。あなたは彼にとって特別な存在だったのよ、あなただけは本当に違うのよ、と代わりに言ってあげたいです。



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