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2008-11

森で過ごした時間 - 2008.11.24 Mon

フィニアスの言葉からハリーたちの居場所を知ったスネイプ先生は、ダンブルドアとの一通りの会話の後、剣を取り出し、旅行用マントを上から羽織るだけの身支度で校長室を出て行きました。
まだまだ、朝は早かったでしょう。

そんな朝早くホグワーツを出発したスネイプ先生が、ハリーに剣を届けたのは、もう真っ暗な夜になってからでした。
ちなみに、グロスターの12/26の日の入りは16:02です。
刻一刻と闇が深まり、何も見えなくなった後、ハリーはテントに凭れて眠り、首が痛くなって何度か体を起こしたのち、銀の牝鹿と出会いました。
日が暮れてからの時間の感覚がつかめませんが、ハリーが眠っては起き、眠っては起きしているところを見ると、銀の牝鹿との出会いは夜も更けてのことだったと思います。

スネイプ先生は、刺すように寒い森に、一体何時間いたのでしょう?
火消しライターが仲間のいる場所に連れていってくれるものだとしたら、ロンはそれを使ったからこそ、ハリーが保護呪文の境界から出た時には見えるほど近くに姿現わしできたのだと思います。
でも、スネイプ先生に与えられた情報は、「ディーンの森」だけでした。
109平方キロメートル(川越市くらい)の広さの森のどこにいるか、というのは、スネイプ先生といえども最初はわからなかったのではないかと思います。

スネイプ先生は夜までかかってハリーを探していたのでしょうか。
それとも、もっと早い時期に見つけていて、暗くなるのを待っていたのでしょうか。
暗くなってから相当時間が経って銀の牝鹿が現れたことや、スネイプ先生に時間の余裕があるとは思えないことから、やはり精一杯の努力の結果、あの時間にハリーに牝鹿を送ることができたのではないかと私は考えています。
9章でアーサーの送ったパトローナスが伝言を持ってグリモールドプレイスにやってきたことや、騎士団員の伝達方法としてパトローナスが使われていたことを見ると、パトローナスには、会いたい相手のいる場所を見つけ出す能力がありそうです。
広い森の中では、やはりパトローナスを使って突き止めたのではないかと思います。
だとしたら、いきなりハリーを目指してやってきたのでしょうか。適当に姿現わしした場所から、パトローナスを放ち、それを追って歩き続けていたのでしょうか。足跡を残していないところを見ると、魔法で消しながら歩いたかもしれません。空を飛ぶ、というのは、マグルもいる森ではあまり実用的ではなさそうです。
ハリー達が一日中テントの中でリンドウ色の炎で暖をとっていた時、スネイプ先生はハリーを探して歩いていたのだと思います。

早朝のおそらく暗いうちにホグワーツを出発し、刺すような寒さと午後から降り出した雪の中、ハリーを探して歩いたかもしれないスネイプ先生。
葉の落ちた森の中を、冷え切った体でパトローナスに先導されて静かに歩く、美しくも寂しい姿を想像すると泣けてきます。

それでも、ハリーの前に姿を現したパトローナスの、明るい月のように眩しく輝く様子を見ると、スネイプ先生の体は芯まで冷えていたとしても、心までは凍えていなかったのだな、と思います。
牝鹿の長いまつげが見てとれるほど、しっかりしたパトローナスを作り出すことのできる幸せな思い出が、スネイプ先生の心を温めてくれていたのだと思います。

「とっても朝早く」 - 2008.11.19 Wed

ハリーたちがディーンの森に移動してきたのは、クリスマス翌日の、まだ朝早い時間でした。前の滞在地で、暗いうちに起き出したハリーが移動を提案し、その30分後には姿くらまししています。
その時「ここはどこ?」とハリーが聞き、ハーマイオニーがテントを出すためにバッグの口を開けていたことから、「グロスター州のディーンの森よ」(7巻19章p.531)という言葉がフィニアスの耳に飛び込んだことが後の33章からうかがえます。

33章にはこう書かれています。
スネイプが再び校長室に立っているところへ、フィニアス・ナイジェラスが急いで自分の肖像画に戻ってきた。
「校長!連中はディーンの森で野宿しています!(後略)」
(7巻19章p.455)

距離の離れた肖像画同士を行き来するのにどれくらいの時間がかかるのでしょう。
5巻でアーサーがナギニに襲われた時、校長室の肖像画のエバラードとディリスは、ロンドンの魔法省や聖マンゴ魔法疾患傷害病院への往復をダンブルドアから言い付かりました。
スコットランドにあるのではないかと言われるホグワーツ。ロンドンまでとディーンの森まではほとんど同じ距離かややディーンの森の方が近いか、というところなので、同程度の時間がかかると見て良いと思います。どちらも急いでいたことだし。さらに、フィニアスの場合は片道なので、魔法省に行ったエバラードの半分の時間でやってきたのではないかと思います。ダンブルドアが「エバラードとディリスが戻るまでに数分(several minutes)はかかるじゃろう」(5巻22章p.83)と言っているのでその半分、2~3分くらいでしょうか。
で、何が言いたいかというと、ハリーたちの移動から約3分後には、スネイプ先生は早朝にもかかわらず校長室に立っていたということです。

と言いたかったのですが、よく調べたら、冬のこの時期、緯度の高いイギリスの日の出は遅いのでした(汗)
たとえばエジンバラだったら12/26の日の出は朝8時44分、グロスターは8時16分、ロンドンなら8時6分が日の出のようです。
ハリーが暗いうちに起きたと言っても、それが日の出のどのくらい前なのかわかりません。7時起きだったら、別に早くもないかも…

でも、ハーマイオニーも後に「とっても朝早く出発したわ」(7巻19章p.562)と言っているので、やはり早朝だったと思うのです。
そして、早朝から普通に起きて立っていたスネイプ先生の激務を思い、胸を痛めました。

(ここまで日の出が遅いとは誤算でした。早朝のイメージが崩れ、説得力のない文章になってしまいましたが、次に繋げるには必要だったので、敢えてUPしました)

ディーンの森 - 2008.11.12 Wed

ゴドリックの谷でヴォルデモートからすんでのところで逃れたハリーとハーマイオニーは、雪に覆われた山間の斜面で二晩すごした後、木々の生い茂った森へと移動しました。
ここはどこかとハリーに聞かれ、ハーマイオニーは答えました。
「グロスター州のディーンの森よ。一度パパやママと一緒に、キャンプに来たことがあるの」(7巻19章p.531)

本を読んだ時は、実在する森だとは思いもしませんでした。
この森での出来事があまりにも幻想的で美しかったので。
この時のスネイプ先生の行動はとても興味深いのですが、それを考えるのは次回にして、今回はこの森について調べてみようと思います。

この森が実在すると知って、イメージを膨らませたいと思い、色々調べてみましたが、日本語で詳しく説明しているサイトは見つけられませんでした。英語ならWikipediaにもありますが、公式サイトが充実しています。 

ディーンの森は、ハーマイオニーの言う通り、グロスター州にあります。
27,000エーカーの森林地帯です。1エーカーが4046.856平方メートルなので、およそ109平方キロメートル、埼玉県の川越市とか、長野県の諏訪市くらいの大きさでしょうか。
セヴァーン川とワイ川、グロスター市に囲まれたほぼ三角の地域を指し、さらに、Wye ValleyとVale of LeadonとSevern ValeとRoyal Forestという4つのエリアに分かれているようです。Valleyは谷を、Valeも谷とか谷間を表す言葉です。

109平方キロメートルの広さでは、一体どの辺りにハリーたちは姿現わししたのかわからなし、銀の牝鹿に導かれた池が実在するのかどうかもわかりません。ただ、この森のどこかにあると思うと、とても親しみが湧き、懐かしい気持ちにすらなります。
ディーンの森の公式サイトには11のキャンプ場が示されていましたから、その中の一つに近いところなのかもしれないと思っています。
公式サイトやWikipediaには、名所として二つの池(Cannop PondsSoudley Ponds )が紹介されていました。ただ、これがponds(池;英国では人口池)で、本の中の池はpool(自然にできた水たまり・小さい池・ため池)なので、イメージと合うかどうかはわかりません。
また、ハリーの潜った池なら岩場(rocky side)もあるはずです。

4つの地区のうち、Royal Forestという部分は古代の森で、実際航空写真で見ると一番緑の濃い部分です。あの幻想的な出来事は、やはり古代の森こそふさわしいような気がして、古代の森の航空写真を眺めています。

森を構成するのは落葉性の広葉樹が多く、主にオーク(ナラ・カシワ・カシ・クヌギの総称、典型的には落葉樹のナラをいう≪ジーニアス英和辞典≫)で、ブナも一般的ということです。
銀の牝鹿が現れたのも1本のナラ(oak)の木陰からでしたし、ロンが何かの気配を感じたのも2本のナラの木の間でした。

落葉した裸の木々が立ち並ぶ刺すような寒さの雪の森。
クリスマス過ぎの、雪の降り続ける真っ暗な夜の森。
普段の服装に旅行用マントを羽織っただけのスネイプ先生。
剣を持って歩き、池に沈め、パトローナスを作り出し、ハリーを見守る。
その一連の動作が美しく想像されると同時に、広大な森の中ではあまりにも小さな存在であることが思い知らされて、泣けてきます。

罰則 - 2008.11.04 Tue

グリフィンドールの剣を盗み出そうとしたジニーたち3人は、スネイプ先生によって罰則を与えられました。
『禁じられた森』でハグリッドの手伝いをする、という罰則です。
それを肖像画のフィニアスから聞いたハリーは、
「スネイプはそれが罰だと思ったろうけど」「でも、ジニーもネビルもルーナも、ハグリッドと一緒に大笑いしただろう。『禁じられた森』なんて……それがどうした!(後略)」(7巻15章p.442)
と馬鹿にした口調です。

後にハリーにもスネイプ先生の意図がわかったことでしょうが、私はここを最初に読んだ時に、それが「罰」ではないと十分わかりました。

校長室に忍び込んで、中の物を盗もうとするなど、スネイプ先生でなくとも罰則を与えるに決まっています。十分罰を受けるに値する行為です。
それは、きっと他の先生方だって反論できないでしょう。
スネイプ先生が死喰い人の一員として校長となっている、と認識しているマクゴナガル先生も、その時スネイプ先生に生徒を傷つける意図などないことに気づかなかったのでしょうか。
だって、マクゴナガル先生自身、1年生のハリーに禁じられた森に行ってハグリッドを手伝う罰則を与えたのですよ?まだ1年のハリーやハーマイオニー、ネビル、ドラコに。
かつて偽ムーディがドラコをケナガイタチにしたところを目の当たりにし、ショックを受けたマクゴナガル先生が、スネイプ先生の至極まっとうな罰則に、何も感ずることがなかったのか疑問です。

他の罰則にしても、全ては生徒を守る方向に働くものだったはずです。
ジニーがホグズミード行きを禁じられたのも、安全を考えてのことだと思います。ホグズミードには、死喰い人と吸魂鬼がいるし、ジニーの父アーサーは「問題分子ナンバーワン」のハリーとの接触の可能性ありと全ての行動が監視されています。ジニー自身がハリーとつき合った過去があることも知れているかもしれないとなれば、ホグズミードになど危なくて行かせられないというものです。

学生集会禁止令にしても、カロー兄弟に見咎められるようなことはできるだけ避けようとの配慮だったと思います。
ネビルが「僕たち、夜にこっそり抜け出して、『ダンブルドア軍団、まだ募集中』とか、いろいろ壁に落書きしていたんだ。スネイプはそれが気に入らなくてさ」(7巻29章p.278)
と言っていますが、スネイプ先生は、カロー兄妹に見つかる危険のある目立つ活動をやめさせたかったに違いありません。

そんな配慮も、当の生徒たちには全く伝わっていません。
というか、伝わらないよう上手く演じたのでしょうけど……
表立った学生集会を禁じたけれど、ジニーたちの活動自体は封じるつもりはなかったのだと思います。
禁じられた森の罰則では、ジニーとネビルとルーナとハグリッドで、きっと活発な話し合いがされたと思います。
罰則と称し、敢えてそういう場を提供したのだと思います。
全く、スネイプ先生という人は……
憎まれ、嘲笑されながら、どうしてそこまでできるのでしょう。
やはり、リリーへの愛だけだったとは、とても思えません。
大きな愛を持った人なのだと思います。




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