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2007-06

逃走中のスネイプ先生 - 2007.06.24 Sun

ダンブルドアに死の呪文を唱えたスネイプ先生は、ドラコを伴って逃走しました。
ハリーは、飛ぶように二人を追っていきます。塔の上から校庭の端まで。

ハリーが途中で見た様々なものの多くは、スネイプ先生も目にしたはずだろうと思いました。
塔に続く螺旋階段下の廊下では、死喰い人と騎士団員やDAメンバーの一部の闘いを、その先では、床に転がる死体や生死のわからない人々を、倒れていたネビルを。ハリーでさえ、ネビルに声をかけた程度でしたから、逃げる立場のスネイプ先生は、視界に入っていてもそれが何であるか認める前に、通り過ぎていったのではないかと思います。ひたすら、玄関と校門を目指して、血の海を通り抜けていったのでしょう。

正面玄関は、もしかしたら、スネイプ先生が吹き飛ばしたものかもしれないと思いました。砂時計も呪いで壊されていましたが、やはり壊したのは、スネイプ先生でしょうか。
必要の部屋のキャビネットから城の中に進入した死喰い人達は、そのまま塔に、つまり上に向かったはずですから、正面玄関を既に通り抜けたスネイプ先生、ドラコ、ブロンドの死喰い人の誰かが、砂時計や玄関を壊したのだと思います。
ブロンドの死喰い人は、ところ構わず呪文を飛ばす性質もあるようなので、適当に呪文を飛ばした結果砂時計が壊れたのかもしれません。
でも、逃走中のスネイプ先生が、視界に入るものに何も心を動かされなかったとしても、所々に先生の計算された上での行いを探したい思いが私にはあって、都合よく解釈したくなります。
玄関ホールでも怯えた生徒が身を寄せ合っていましたが、砂時計を壊すことによって足止めしたり、威嚇したりして無関係な生徒の動きを封じたようにも思えます。

研究室に迎えに来たフリットフィック先生を殺すことなく、気絶させたのも、見張っていたハーマイオニーとルーナにフリットウィック先生の介抱を命じたのも、乱闘に巻き込まれるのを防ぐ目的だったのではないかと思っています。スネイプ先生がダンブルドア側だとしても、小柄なフリットウィック先生はむしろ足手まといと考えて気絶させたのかもしれません。
ヴォルデモート側なら、そのままダンブルドア側を演じて一緒に登っていくことだって出来たはずだし、それが死喰い人側にとって邪魔ならその場ですぐ殺すことだってできたでしょうに、そうしなかったのは、無闇に人を殺したくない思いがあり、そこに足止めするのが最も良いと判断したからだと思います。
結果的に学校側に誰一人死者がでなかったのは、ダンブルドアの保護的措置に因るものだけではなく、スネイプ先生の計算があったからなのではないかと思いたいです。

ところで、若いスポーツマンのハリーでさえ、鳩尾に痛みを感じるほどでしたから、スネイプ先生が走り続けるのはさぞかし大変だったに違いありません。
意志とは裏腹に筋肉が動かない様子は、さすがに私も実感できます。
この後、姿現わしした場所には、精神的にも肉体的にも傷ついて、憔悴しきったスネイプ先生の姿があったのではないかと思うと、胸が痛みます。

嫌悪と憎しみ - 2007.06.17 Sun

4人の死喰い人に促されてもドラコはダンブルドアを殺すことができず怯えて立っていました。そこへ現れたのがスネイプ先生。すばやくあたりを見回し、ダンブルドアや死喰い人達、ドラコへと視線を走らせました。
状況をすばやく読んでいるのだと思いました。いつだってそうでした。スネイプ先生は、その場の空気をすばやく読み取る人です。
その時、スネイプ先生の名をひっそりと(quite softly)呼ぶ声が聞こえました。ハリーを怯えさせる懇願する声で。無言で進み出たスネイプ先生は、ドラコを荒々しく押しのけダンブルドアを一瞬見つめます。

その非情な顔の皺に、嫌悪と憎しみが刻まれていた
「セブルス…頼む…」
スネイプは杖を上げ、まっすぐにダンブルドアを狙った。
「アバダ・ケダブラ!」(6巻27章p.422)


ついにこの場面まで来てしまいました。6巻について語り始めて1年あまり経つのに(!)、私の先生像は相変わらず定まっていません。先生がどういうつもりで死の呪文を唱えたのかいまだにわからないのですが、やはりこの時のスネイプ先生は、とても苦しんでいるように思えます。
まとまらないまま書きます。考察でもなんでもありません。

この時、スネイプ先生は自分の部屋にいたことが、後のハーマイオニーたちの証言からわかっています。
自分が不在の間、騎士団員を警護にあたらせていたダンブルドアですが、校内にいて当然のスネイプ先生が警護にあたらず、部屋にいるのは不自然です。二重スパイですから、自分の判断だと思われるような動きはせず、人に呼ばれて動く形をとっていたということでしょうか。状況に応じて動けるようにしていたのではないかと思います。どちらの側にもとれるように動き、先生は無事塔の上に到着しました。
すばやくあたりを見回し、どう動くべきか状況を読んでいたところに、ダンブルドアの声がかかったのではないかと思いました。ひっそりと呼ぶダンブルドアの声。ハリーを怯えさせたというその声にスネイプ先生もまた怯えたのではないでしょうか。
「ひっそりと」と訳されている「quite softly 」は、私は原書で読んだ際、優しくなだめるような声を想像しました。
前回書いたように、私はダンブルドアとスネイプ先生の間でいくつかの選択肢が用意されていたのではないかと思っています。その一つがダンブルドアを殺すこと。それを19章で提示して、拒否したスネイプ先生に強く言い聞かせていたのではないかと思っています。
ドラコを助けられないような状況の今、残された選択肢を教えるために、声をかけたような気がします。quite softly に。親が子どもを宥め優しく諭すように。

無言で進み出るスネイプ先生は、狼男でさえ怯えさせるオーラを放っていたようです。その顔にハリーが見てとった嫌悪と憎しみは、やはり自分にこのようなことをさせることへの憎しみ、そして自分自身への嫌悪と憎しみの表情に思えます。少なくとも、優秀な閉心術士であるスネイプ先生が、表情に感情を込めたのは、そこには何も計算はなく、ありのままの姿で立っていたような気がします。
スネイプ先生、とても苦しそうです。かわいそうに。

以前、コメントでいただいたことがありましたが、ダンブルドアがハリーに、場合によっては自分を置き去りにせよと命じ、実際水盆の水薬を何があっても飲み干させるよう言い聞かせた姿を思い出します。この時のハリーも大変辛そうでしたし、自分自身を嫌悪し、憎んでいました。
ダンブルドアは、同じことをさせているのでしょうか。それがどれほど辛いことなのかわかってやっているのだとしたら、私もやはりダンブルドアを許せません。
6巻読了直後からの疑問ですが、ダンブルドアはそこまで冷徹な人物なのでしょうか。そんな風にはとても思えないのですが、ここで全くダンブルドアの依頼なくスネイプ先生が死の呪文を唱えたと考えることも私には辛くて、ダンブルドアに悪役を押し付けたくなってしまいます。ハリーがダンブルドアに、何があっても水薬を飲ませると誓わされたように、スネイプ先生もまた、何かの誓いに従い、その誓いを破れない自分を憎んだのでしょうか。
(後に「臆病者と呼ぶな」と激昂したスネイプ先生の姿を考えると、それが図星であったと思うのですが、自分の何を臆病と感じたのか気になります。その点はまた後日考えてみますが)

あくまでもスネイプ先生はヴォルデモート側で、死喰い人の手前もあってダンブルドアに手をかけたとしても、一瞬見つめた間に葛藤があったはずです。でなければ、そんな嫌悪と憎しみの表情が現れることなく、さらりと実行したに違いありませんし、後に臆病者に反応することもなかったでしょう。

いずれにしても、このダンブルドアを見つめた一瞬、スネイプ先生は色々な覚悟を決めたのだろうと思うと、痛ましくてなりません。
どうか今後、何があっても投げ遣りな気持ちになりませんように。

I need Severus... - 2007.06.09 Sat

水盆の薬を飲み干して弱ったダンブルドアを連れ、ホグズミードに「姿現わし」したハリーは、なんとかして早くマダムポンフリーのところへ連れて行こうとします。
しかし、ダンブルドアが必要としたのは、スネイプ先生でした。
「必要なのは……スネイプ先生じゃ……」
「セブルスじゃ」「セブルスが必要じゃ…」(6巻27章p.399)
原文はもっと切迫しているというか、主語がある分、ダンブルドアの想いが強く感じられると思いました。
‘It is...Professor Snape whom I need...’
‘Severus’‘I need Severus...’(UK版p.542)
さらに、闇の印の上がった学校に戻り塔の上に降り立った際、ダンブルドアはまずスネイプ先生を呼びに行かせようとしました。
「セブルスを起こしてくるのじゃ」「何があったかを話し、わしのところへ連れてくるのじゃ。ほかには何もするでないぞ」(6巻27章p.404)

この後、結局ハリーはスネイプ先生を連れてくることは出来ませんでしたが、先生を単独でここに連れて来ることが出来ていたら、ダンブルドアはどのようなことをスネイプ先生に望んだのだろうか、と思いました。

指輪の呪いを受けた右手にすばやい処置を施してもらったように、今度もまたスネイプ先生に処置してもらおうと考えていたのでしょうか。
それとも、ここで既に、自分を殺すよう頼むつもりだったのでしょうか。
私はずっと、後者の方だと思っていましたが、今は前者のような気もしています。もし、スネイプ先生に予め自分を殺すよう依頼していたとしても、この時点では、ダンブルドアはまだ生き残るつもりがあったような気がしてきました。ホークラックスだってまだまだたくさん残っていますから、まだ表舞台から去るわけにはいかなかっただろうし。

ダンブルドアは、ドラコと1対1で話している時、選択肢を提示し、我々の側に来るよう説得していました。完璧にドラコを匿うことが出来ると言っています。
ダンブルドアを殺すことが出来なくても、完璧に匿ってもらえるなら、ドラコはヴォルデモートに殺されないし、スネイプ先生だって死ななくて済みます。とりあえず誰も死なない、という選択肢がダンブルドアにとっても第一選択であったのではないかと思います。
説得の言葉にわずかに杖を下げるように感じられたところを見ると、死喰い人達さえ乱入してこなければ、ドラコもその選択をしたかもしれません。ドラコがその道を選んでいたら、スネイプ先生の役割はまた違ったものになったかもしれないと思うと、とても残念です。


ダンブルドアがスネイプ先生を呼ぶ様子が最初は「スネイプ先生(Professor Snape)」だったのが、「セブルス」に移行していったのも気になります。ぐっと距離が縮まった感じです。ダンブルドアとスネイプ先生との会話なら当然ですが、ハリーに対しては常に、「スネイプ先生」と礼節をもって先生を呼んでいたのに、この場面でなぜ?
ダンブルドアが弱って地がでたのでしょうか。
ハリーとスネイプ先生が、ダンブルドアの中で同等なのを示した感じもします。愛しい教え子、という括りで。
というか私の願望です。

ダンブルドアが5巻で、ハリーを愛しく思いすぎた、と述べていますが、まるで今までそのようなことがなかったような口ぶりが気になっています。
ダンブルドアは、スネイプ先生のことも、愛しく思ってくれているのですよね?ハリー同様に、特別な存在で、過酷な運命を背負わせたことを申し訳なく思っているのですよね?
ただの駒だと考えているのではないですよね?
スネイプ先生の苦しみを承知した上で、先生を必要としているのですよね?(依頼があったと仮定して、熱くなっています

ホークラックスを守る薬 - 2007.06.03 Sun

海の洞窟の中で、水盆の中の薬を飲みながら拒絶し続けるダンブルドアの言葉は、水盆の薬を飲み干すことを拒否するというより、別なことを言っているようにも受け取れます。

最初、この部分を読んだ時、抑制がとれた状態のようだと思いました。普段理性で押さえつけられた本音の部分が薬の作用で出てきたのだと思いました。真実薬に近い働きをするものなのでしょうか。真実薬なら、無色透明ですが、この薬は緑色の光を放っています。また、真実薬なら、質問に対して真実を答える作用があるようですが、この時のダンブルドアは、ハリーの質問に答えているわけではありませんでした。勝手に、心の内を叫んでいるように見えます。
また、この時のダンブルドアは誰かに対して懇願しているようにも見えます。これがまた、ハリーに対して言っているわけではないように私には思えました。自分自身か、別の誰かに。

「だめじゃ、だめ、だめ…だめじゃ…わしにはできん…できん。させないでくれ。やりたくない・・・」
「わしのせいじゃ。わしのせいじゃ」「やめさせてくれ。わしが悪かったのじゃ。ああどうかやめさせてくれ。わしはもう二度と決して・・・」(6巻26章p.387)
「わしにはできん」「やめさせてくれ」という対象は、5巻で語ったダンブルドアの計画のことではないかと思いました。ハリーを愛おしく思ったことが欠陥、という計画は、非情なものであったことが窺われます。それをやりたくない、遂行しようとする自分を止めたい気持ちが常にあったのではないかと思います。

「あの者たちを傷つけないでくれ、頼む。お願いだ。わしが悪かった。代わりにわしを傷つけてくれ・・・」「頼むお願いだ。お願いだ。だめだ…それはだめだ。わしが何でもするから・・・」(6巻26章p.388)
「わしは死にたい!やめさせてくれ!やめさせてくれ!死にたい!」「殺してくれ!」(6巻26章p.389)
「あの者たち」という複数形も気になります。ここは、ドラコとスネイプ先生のことではないかと思いました。ドラコの任務はわかっていたようだし、スネイプ先生が破れぬ誓いを立てたことも知っていたでしょう。あの者たちの代わりに自分を傷つける、というのは、まさにこの後起こることのように思えます。ドラコが任務を遂行できなければドラコはヴォルデモートに、スネイプ先生は誓いの効力で死んでしまうでしょうから、それを避けたいという気持ちでこの言葉が出たのではないかと思います。自分が死ぬしかないと。

こうして見ると、この薬、飲んだ人の弱い部分が出てくる作用があるのではないかと思いました。
だいたい、ヴォルデモートは何か意図があって、この薬を用意したはずでしょうし、その意図は、「すぐさま殺さない」だけでなく、「ホークラックスを手に入れさせない」というものも含まれていたに違いないと思うのです。ただ怖気付かせるだけで十分かもしれませんが、ここまで来られた者は、ちょっとやそっとの脅しには屈しないでしょう。そこで、心の中の弱い部分が露呈するような薬を用意したのではないかと思いました。
もしそうだとすると、そして引用の後半部分の「あの者たち」がスネイプ先生とドラコのことだとすると、結果的にダンブルドアの弱い部分が採用されてしまったことになります。でも、強気のダンブルドアは、ドラコもスネイプ先生も切り捨てるくらいの心構えがあったとは、考えにくいような気がします。うーん、やっぱりこう考えるのは無理があるでしょうか。

では、一番心配なことが出てくる作用でしょうか。
ハリーを心配し、ドラコもスネイプ先生も心配でたまらないダンブルドア校長。これなら、受け入れ易いです。ヴォルデモートのホークラックスを狙ってここまでやってくるような者にとっての心配事は、やはりヴォルデモートに命を狙われることだと思います。そんな心配が出てきて怖気付く、という薬かもしれません。これなら、謎の人物R・A・Bが、ホークラックスを手に入れることができたのも頷けます。初めから死ぬ覚悟ができていた様子なので、この薬が妨げになることはなかったのではないかと思います。

そこにはいない誰かに懇願しているように見えるのは、ヴォルデモートの幻でも見えるのでしょうか。誰に対して話しているのかも気になるところです。

ところでこの部分、翻訳が気になります。
「わし」「嫌じゃ」などとダンブルドアの口調として訳されていますが、これは英語圏の人が読んだ時どう解釈したのだろうと思いました。つまり‘No’とか‘I can't’とか‘I don't want to…’などの、とても短い文章の中に、ダンブルドアらしさはでていたのだろうか、誰か別な人のセリフには見えなかったのだろうか、という疑問です。「ダンブルドアの声とは思えない声を発した」(6巻26章p.385)というのも気になります。
この辺がよくわかりません。
これがもし、ダンブルドアの本心などではなく、別の誰かの言葉だとしたら。
スネイプ先生の言葉かもしれないと思って見てみると、そんな風に見えなくもありません。スネイプ先生の心の叫びかもしれないと思って読むと、とても悲しくなってしまいました。

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