topimage

2007-02

陶酔感を誘う霊薬 - 2007.02.24 Sat

クラスのほとんどが「姿現わし」の試験を受けるため、3人しか出席しなかった魔法薬学の授業で、スラグホーンは何か楽しいことをしようと持ちかけました。何でもいいから、おもしろいものを煎じてみてくれと言われ、ハリーは教科書から「陶酔感を誘う霊薬」を選びました。

プリンス版「陶酔感を誘う霊薬」は、教科書をさんざん書き換えたものでした。
副作用を相殺する働きのあるハッカの葉を加えるというオリジナリティーがあります。
副作用は、唄を歌いまくったり、やたらと人の鼻を摘んだりするというものです。
これは!まさか、オリジナルの薬が完成していない時点で、セブルス少年自身にこの副作用の症状が出ていたりしないでしょうか。

ちょっとテンションの高いこの副作用、行動の異常さに本人は気付いているものなのでしょうか。冷静に自分の行動を観察しつつ、でもやめられない状態なのか、気分が高揚して普段絶対やらないような行動に疑問も感じないのか、どちらなのでしょう。
いずれにしてもこの状況に陥ったセブルス少年の姿を想像するのは楽しいです。冷静に観察できる状態にあったなら、唄を歌いまくるというのは、とりあえず一人でできますから、どこか人気のないところを探したかもしれません。人の鼻を摘むというのは、きっと自分の鼻ではなく他人の鼻ということだと思います。ということは、鼻を求めて、校内を歩き回ったりしていたりして!
それを自覚して屈辱的な気持ちでいるセブルス少年もまたいいな

さんざん書き直す、ということは、スラグホーンの言う「直感的なリリー」とは違い、理論に基いて試行錯誤していったということだと思います。唄を歌いまくったり、人の鼻を摘みたくなる心理状態がどうして起こるのか、その状態を相殺させる物質は何か。その過程は、短いものであったとは思えません。
5巻のペンシーブで見た最悪の記憶の中では、O.W.Lの試験後、開放感に浸りのんびり過ごす他の生徒達とは異なり、しばらく試験問題に没頭するセブルス少年の姿がありました。どんなテーマも、彼にとっては簡単に解決するものではないのだと思います。答えは一つではないのです。教科書に調合の手順の載った完成度の高い魔法薬でさえ、わずかな問題点(たまに起こるとされる些細な副作用)の解決に心血を注ぐスネイプ先生の真摯な姿勢に、惚れ直さずにはいられません。

授業場面 - 2007.02.18 Sun

ドラコが必要の部屋を利用していると知って、自由時間に入室を試みたハリーは、その後のスネイプ先生の授業に遅刻してしまいました。
グリフィンドールから十点減点されますが、まだクラスの半数は着席していませんでした。

私はスネイプ先生の授業風景が大好きで、しっかり描かれていると、とても嬉しいです。他の先生方に比べれば、スネイプ先生の授業場面は多い方ですが、各巻において、一年間の学校生活である割には、その場面はあまり多くのページを割いてはいないようです。6巻では、9章と21章に登場します。
今までのスネイプ先生の授業開始の描写では、まず廊下に生徒が集まり、先生がドアを開けてくれるのを待つといったイメージです。
実際その描写はあまり多くないようですが。
「昼食の後、ハリーとハーマイオニーが地下牢のスネイプの教室に着くと、スリザリン生が外で待っていた」(4巻18章p.460)その後スネイプ先生が到着して「さあ、教室に入りたまえ」と言っています。
「ハーマイオニーは(中略)すでに教室の外に並んでいた」「教室のドアが開き、スネイプが(中略)廊下に出てきた」「『中へ』スネイプが言った」(6巻9章267~268)

そうだとすると、21章のこの場面、先生に開けてもらったドアから生徒達が入り、席に着き始めたところにハリーが入ってきた、というところでしょうか。ハリーが特に遅れたとは言えないと感じるのももっともかもしれません。
スネイプ先生にしてみれば、ドアから入ってきた時間で判断したのでしょうし、それでいいと私は思いますが(贔屓目)

ところで、「闇の魔術に対する防衛術」の授業を六年生で受けているのは、25人なのですね!回収したレポートが25本の羊皮紙でしたから。
ハリー、ロン、ハーマイオニー、ディーン、シェーマス、ネビル、ラベンダー、パーバティ、ドラコ、パンジーが確認できました。

今回提出の『吸魂鬼』のレポートの前は、『服従の呪文』への抵抗に関するレポートを提出していました。また、この日授業が始まる前、たまたまシェーマスが『亡者』について質問したことから、ハリーに『亡者』と『ゴースト』の違いについて聞いています。そして、授業が始まってからは『磔の呪文』の最初の二つの段落を読むように指示しています。
この日の授業で話題に上ったものがいくつか、一番最初の授業で、スネイプ先生によって説明されています。壁にかかった絵についての説明でした。『磔の呪文』の苦しみ、『吸魂鬼のキス』の感覚、『亡者』の攻撃を挑発した者。
スネイプ先生は、ヴォルデモートが自由に操れるこれらの呪文や道具に対抗する術(すべ)をやはり生徒たちに身につけさせたかったと思えて仕方ありません。以前「全ての生徒達への配慮」という記事でも書きましたが、やはり最終決戦を踏まえて、必要最低限の防衛術を教えようと必死だったと思います。「今回のレポートはそれ(服従の呪文への抵抗に関するレポート)よりはましなものであることを、諸君のために望みたいものだ」(6巻21章p.210)というのは、本心だと思います。
亡者についても、ハリーを指して答えさせたのは、この後間もなく、ハリーが亡者と出会うことがわかっていたからではないでしょうか。
無言呪文を含め、この1年間で先生が教えようとしたことは、きっと7巻でも重要な位置を占めるものになると思います。
そして、大好きなスネイプ先生の授業場面も、この時の描写が最後になってしまいました。

吸魂鬼と取り組む最善の方法 - 2007.02.13 Tue

ハリーとロンが退院した次の週、談話室でスラグホーンを説得して本当の記憶を手に入れるにはどうしたらいいかと考えるハリーの横で、ロンはスネイプ先生のレポートに取り組んでいました。
「~ロンは、こんどは途方もなく難しいスネイプの宿題と格闘していた」(6巻21章p.193)
どうやら、吸魂鬼に関するレポートのようですが、大変気になる一文がありました。
「吸魂鬼と取り組む最善の方法に関して、ハリーはスネイプと意見が合わなかったので~」(6巻21章p.193~194)
吸魂鬼と取り組む方法は、ハリーが3年生の時にルーピン先生から習った以外にも、方法があるというのでしょうか!

ルーピン先生が教えてくれたのは、言うまでもなく、「守護霊の呪文(パトローナス・チャーム)」でした。パトローナスを作り出すことによって吸魂鬼を祓う、パトローナスに盾になってもらう、というものです。そして、このパトローナスを作り出す呪文「エクスペクト・パトローナム」を唱える時、何か一つ、一番幸せだった想い出を渾身の力で思いつめた時に、初めてその呪文が効く、というものでした。

スネイプ先生が吸魂鬼と取り組む最善の方法と考えるやり方は、パトローナスを使ったものではないということなのでしょうか。
そして、今、3巻のこの一文を読んで気付いたのは、「初めてその呪文が効く」という意味の解釈です。
今まで、パトローナスを呼び出すために、一番幸せだった想い出に神経を集中させるのだと思っていました。実際、ハリーが「どうやって造り出すのですか?」という質問をした時に、一番幸せな想い出云々の説明を受けていますから。
が、これは、呼び出したパトローナスが吸魂鬼に対して効果を表すには、一番幸せだった想い出に集中する、という意味なのではないかという気がしてきたのです。
つまり、通信手段としてパトローナスを用いる際には、それほど強い想い出ななくても可能なのではないか、という気がしてきたのです。

ハリーが初めてパトローナス・チャームに挑戦した時は、箒の初乗りの瞬間を思いだすことによって一条の銀色の煙のようなものが出てきています。が、その後(ボガートの)吸魂鬼と対峙した際には、その想い出では不十分で、別な想い出を選ぶようアドバイスされています。
ただパトローナスを呼び出すだけなら、十分な幸せな想い出でなくとも可能で、吸魂鬼を祓うには、一番幸せだった想い出を渾身の力で思いつめる必要があるという違いがあるのではないかと思います。

私は、スネイプ先生が5巻で、ハリーらが神秘部に行ったことを不死鳥の騎士団員たちに伝える手段として、パトローナスを使ったことで、先生にはパトローナスを呼び出せるほどの強烈な幸福な想い出があるのだろうと喜びました。でも、そうとは言い切れないかもしれません。
まして、授業で、ハリーが知っている方法と違う吸魂鬼と取り組む最善の方法を教えたのだとしたら、ますますその可能性が高いように思います。
スネイプ先生には、パトローナスで吸魂鬼を追い払えるだけの、幸せな想い出がないというのでしょうか(号泣)

喉から押し込むベゾアール - 2007.02.05 Mon

ちょっと、話が前後するのですが、言い忘れたことがあったので、書こうと思います。

誕生日に惚れ薬入りのチョコレートを食べてしまったロンが、解毒剤を飲んだ後、今度は毒入り蜂蜜酒を飲んで泡を吹いて倒れてしまいました。唖然とするスラグホーン先生を尻目に、ハリーはすばやく行動し、ベゾアール石をロンの口に押し込んだのでした。

ベゾアール石と言えば、1年生だったハリーが最初の魔法薬学の授業でスネイプ先生に質問攻めにされた時に出てきた名前です。
その後、忘れたと思った頃に突然脚光を浴びたこの物質、いったいどのくらいの大きさなのでしょうか。そのまま飲み込んで窒息しないのでしょうか。

以前、オフでお会いした方は、こぶしくらいの大きさを想像していたとかで、それを喉に押し込むのは辛いだろう、と語り合ったことがありました。
多分、「石というより乾涸びた腎臓のようだった」(6巻18章p.85)という記述から、実際の腎臓サイズを想像されたのだろうと思います。
私が想像していた大きさはそら豆サイズでした。それも喉に押し込んだら、窒息の可能性があるとは思います。

ハリーが材料棚で見つけたベゾアールは、小さな紙の箱(small card box)に半ダースほど入っていました。card boxが「紙の箱」となっていますが、これって、「名刺入れ」とか「トランプカード入れ」という意味ではないのでしょうか。少なくとも大きさとしてはそのくらいをイメージしていました。その中に6個くらい入る腎臓型の結石といったら、実際はそら豆より少し小さいくらいでしょうか。それを口に入れたわけです。

ところで、毒を飲んで手足が痙攣しているロンが、はたしてちゃんと石を飲み込めるかが、私は最初に読んだ時から気になっていました。
痙攣とは、不随意に起こる筋肉の収縮ですから、自分で筋肉をコントロールできる状態にはないということだと思うのです。手足が痙攣していて泡も吹いているなら、きっと全身の筋肉が痙攣していると思います。
それで、まだ邦訳が出版される前、ハリーポッターを読んだことのない同僚に質問してみました。嚥下の専門家である二人のSTに同時に。
痙攣している人に、嚥下はできるのか?と聞きました。
答えは「できない」でした。「ファンタジーの世界だからできるんだよ」とも言われました。
ううむ。確かに随意運動(自分で動かそうと思って動かす運動)は無理だと思いました。筋肉が勝手に収縮しているときには、反射も起こらないでしょうし。

様々な毒に対して解毒作用のあるベゾアール石。でもたいてい毒を飲んだ人は、毒による症状が出ていて、飲み込むことは困難なのではないかと思います。例えば、意識がない場合とか。
魔法薬の本に書かれたスネイプ先生の指示はどうなっているでしょう?
「ベゾアール石を喉から押し込むだけ」(Just shove a bezoar down their throats)とあります。

嚥下には第1期(口腔期)から、第2期(咽頭期)、第3期(食道期)まであります。
第1期は随意運動ですが、2期と3期は反射ですから、痙攣している時は無理でも、咽頭まで入れれば、意識はなくても反射で飲み込めるのではないかと思いました。
先生、素晴らしいです!咽頭まで押し込んでやれば、後は反射で入っていくというのですよね。

そこで、また最近聞いてみました。
どうやら、そう簡単な話でもないようです。反射といわれる部分でも、「飲み込もう」という意志は働いているので、随意運動がないとは言い切れない、ということでした。だから、意識の無い人に何かを飲ませることは非常に危険、ということでした。
たしかに、マグルの世界ではそうだと思います。
でも魔法界においては、毒で死ぬか生きるかという時、一か八かで、ベゾアール石を喉まで押し込むという方法が取られても、おかしくないと思います。「口にいれるだけ」と書かず、「喉から押し込むだけ」とおそらく学生時代に書いたスネイプ先生の正しさに舌を巻きました。

そのような指示があったにもかかわらず、ハリーは口に押し込んでいますね。原書でもmouthですから、随意運動なしでは難しかったかもしれません。
あの状態でロンが飲み込めたのは、やはり魔法の世界ならではの出来事だからか、一時的に痙攣が治まり、意識があったと考えるかのどちらかだと思います。


注意!
意識のない人の喉には、決して物を押し込まないで下さい。

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

拍手コメントについて

拍手コメントをいただいた時は、その記事のコメント欄にお返事いたします。

プロフィール

二尋

Author:二尋
スネイプ先生への愛を語らずにはいられません。         

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

スクロール式になっています

前ブログからの訪問者数

リンク

このブログをリンクに追加する

最近のトラックバック

ブログ内検索

RSSフィード