スネイプ先生に開心術!!
スネイプ先生についてあれこれ思ったことを綴ります。「ハリーポッター」7巻のネタばれあり。未読の方はご注意ください。
『闇の魔術』の魅力
2006年09月04日 (月) 23:47 | 編集
『闇の魔術に対する防衛術』の初授業。廊下でしゃべっていると、ドアが開いて「スネイプが、いつものとおり、カーテンのようなねっとりした黒髪で縁取られた土気色の顔で廊下に出てきた」(6巻9章p.267〜268)
まさにいつものとおり、スネイプ先生を表す言葉で登場です。6巻では2章、8章に次いで3度目の登場ですが、その都度似たような表現で修飾されています。
各巻の初登場場面にとどまらず、毎回こんなにも容姿を細かく記載する登場人物って他にいるでしょうか。既に、読者にイメージさせるという目的で書かれているわけではないような気がします。よほど作者に愛され、イメージがしっかりできているからこそ、細かい描写をせずにはいられないのではないかという気がするのですが…

さて、『闇の魔術』について語るスネイプ先生を見て、ハリーは愛撫するような口調と感じています。
いったい、スネイプ先生は、闇の魔術の何を愛しているのでしょう?
曰く「多種多様、千変万化、流動的にして永遠なるものだ」(6巻9章p.269)それと戦うことを怪物との戦いに例え、首を切り落としても、別な更に獰猛な首が生えてくる終わりのない戦いだ、と説明しています。

この説明を読んだ時、唐突ですが、MRSAを連想しました。院内感染で話題になる、メチシリンという抗生物質に耐性をもった黄色ブドウ球菌のことです。もともとは黄色ブドウ球菌はメチシリンが効いたのですが、多用するうち、メチシリンの効かない強い菌ができてしまったのです。さらにその強い菌に対しててバンコマイシンという抗生物質も開発されましたが、最近ではまた耐性を持った菌が現れているようです。
いたちごっこです。

それが、スネイプ先生の語る闇の魔術と重なります。
どんなに闇の魔術に対抗する防衛術が開発されても、次々新しい闇の魔術も発明されて、闇の魔術を防衛する術も日々変化していく。
現にスネイプ先生自身、セクタム・セんプラを編み出し、その反対呪文も心得ています。まずセクタム・センプラの開発があって、その後初めて反対呪文が登場するわけです。そんな強力な呪文であっても、その反対呪文があれば効果は打ち消されますから、闇の魔術を欲する者は、さらに強力な呪文を開発してくるでしょう。ホークラックスについても、魂を7つに分断すればより強力なものになるとは、リドルの発想でした。
闇の魔術は強くなり続けているのです。

こうしてみると、スネイプ先生ってチャレンジャーなのではないかという気がしてきます。
闇の魔術自体の破壊力に魅せられたというより、次第に強くなってくる相手を自分の力で打ち負かすことに悦びを感じるのではないかと思いました。
上述のマグルの薬学が、次々強くなる細菌との闘いであるように、スネイプ先生は魔法薬学にしても、闇の魔術に対する防衛術にしても、強くなり続ける未知の物に挑むのが好きなのではないかという気がします。

「柔軟にして創意的でなければならぬ」と、闇の魔術に対する防衛術を説明するスネイプ先生。
まさに創意的であるという点で、魔法薬学や、闇の魔術、その防衛術に強く惹かれるのだと思います。常に開発し続けることができるエンドレスな分野、次第に手強くなっていく相手、という点でスネイプ先生は闇の魔術に魅せられたのだと思います。
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