topimage

2005-11

「こんなにはっきりしたのははじめてだ」 - 2005.11.28 Mon

魔法薬学の授業中、スネイプを尋ねてきたカルカロフ。興奮した様子で「話がある」と言い出します。「授業が終わってから話そう」というスネイプに「いま話したい。セブルス、君が逃げられないときに。君はわたしを避け続けている」と続けます。そして、アルマジロの胆汁を拭き取るふりをして隠れているハリーには気付かず、腕をスネイプに見せるのでした。(4巻27章p.244~245)

授業中に押しかけてくるとは、カルカロフの様子も相当切迫しているようです。
クリスマスの時に不安そうにスネイプに相談していたカルカロフ。今回は少なくとも3月にはなっているので(4巻27章p.232参照)その間2ヶ月あまりの間、ずっとスネイプに避けられていたのかもしれません。
クリスマスの時点で、この数ヶ月の間にはっきりしてきたという何か(闇の印と思われますが)。ここにきてさらにはっきりしたようで、「こんなにはっきりしたのははじめてだ。」と言っています。少しずつ鮮明になってきた闇の印が急に濃くなり、居ても立ってもいられず、授業中に飛び込んできたのでしょう。
カルカロフが言っているように、スネイプ先生も気付いていたと思います。
カルカロフは神経質に度々腕の印を確認していそうです。スネイプ先生も着替えるときなど(灰色の寝巻きに!)ちらっと見ていたのではないでしょうか。表情ひとつ変えずに。

スネイプ先生はこの授業で真実薬を持ち出してまで、ハリーが研究室に忍び込んだか確認しようとしています。堂々と嘘をつくハリーが憎いだけのようにも見えるし、教育者として盗みを咎めているようにも見えるし、研究室に何かを隠していて神経質になっているようにも見えます。確かに、鰓昆布を盗まれて、その直後の第二の課題で、ハリーが使用している動かぬ証拠を見たからには、白状させてやろうと意気込んでもおかしくありません。
でも、闇の印がはっきりしてきてヴォルデモートの復活が疑われるこの時期のことです。私は、夜中に出歩くハリーの身の安全にスネイプ先生が危機感を持っているのではないかと考えました。
階段でムーディと対峙した時の「ポッターがまた夜遅く徘徊しているなら、(中略)やめさせなければならんと思っただけだ。あの子の、あの子自身の――安全のためにだ」(4巻25章p.178)という言葉そのままに。
だから、闇の印がいつになくはっきり浮かびあがった直後の授業に、真実薬を持ち出したのではないでしょうか。研究室に侵入者があった直後(1月半ば頃?)ではなく。

真実薬  - 2005.11.28 Mon

スネイプの前で毒ツルヘビの皮も鰓昆布も「なんのことか僕にはわかりません」と嘘をつくハリー。そこでスネイプ先生が取り出したのは真実薬。この後何度か大事な役割を果たす真実薬の初登場場面です。非常に自然な登場の仕方で、ローリングさんやるな、と思いました。
堂々と嘘をつく生徒を警告するために、真実薬を取り出すことは、何の違和感もありません。ここでスネイプがハリーに説明することで読者にその働きを説明し、後にクラウチJr.に飲ませる時は「ハリーに飲ませるとスネイプが脅した」で済むわけです。クラウチJr.に飲ませる時に初登場では、その説明のために緊張した場面が間延びしてしまいそうですから。

さて、『スネイプなら手が「滑って」飲ませるくらいはやりかねない』(4巻27章p.243)とハリーは思います。
でも、そうでしょうか。私はやらないと思います。魔法省の指針で使用が厳しく制限されている真実薬を、規則を重視する先生が私用で使うとは思えません。
また、なんだかんだ言って、スネイプ先生は生徒に薬をやたらに飲ませたりする人でもないと思うのです。
今までだって、トレバーに縮み薬を実際飲ませたことはあっても、生徒に薬を飲ませたという描写はあったでしょうか。解毒剤の授業の時も実験台を選ぶと言っていたにもかかわらず、その描写はありませんでした。学期末の解毒剤のテストでも、ハリーはベゾアール石を入れ忘れたと言っていますが、実際毒薬を飲んだとは記されていません。
目的のためなら手段を選ばないスリザリン寮出身のスネイプ先生ですが、もし手段を選ばず生徒に真実薬を飲ませるつもりなら、かぼちゃジュースの真上で「手が滑る」とは言わないでしょう。警戒させてしまって目的を達成できなくなりますから。ここは、脅しているだけだと思います。
でも、脅してやろうと真実薬の入った小瓶をローブに忍ばせているなんて、やっぱりスネイプ先生はかわいいいです。たまたまハリー達を授業に集中できるよう別々に座らせましたが、そうでなかったらどうやって真実薬を見せたのでしょうか。もともと何とか因縁をつけてハリーを一人で座らせるつもりだったのかもしれません。

我輩に嘘は通じない  - 2005.11.20 Sun

低い声で語りかけるスネイプを無視して、根生姜を刻みはじめたハリー。スネイプは警告します。
「今度我輩の研究室に忍び込んだところを捕まえたら――」「僕、先生の研究室に近づいたことなどありません」「我輩に嘘は通じない」(4巻27章p.241)
このあとハリーは、抉るように目を覗かれます。
実際ハリーは忍び込んだことはなかったので、この時点では後ろめたいことは何もなかったでしょう。
この後、毒ツルヘビの皮と鰓昆布を持ち出されて後ろめたく思うハリー。「なんのことか僕にはわかりません」と嘘をつきはじめます。
更にスネイプは、研究室に侵入者があった夜にベッドを抜け出していたと指摘し、今度研究室に入ったらツケを払う羽目になると警告します。
対してハリーは「どうしてもそこに行きたいという気持ちになることがあれば、覚えておきます」(4巻27章p.242)と生意気な発言をします。

この場面、スネイプ先生の言っていることとハリーが思っていることは微妙にずれているのですが、結局後ろめたいところがあるハリーは嘘をつき通そうとします。そして実際、目を覗くスネイプ先生には嘘は通じないのです。
でも、「盗まれた品には身に覚えがあるけれども、研究室には入っていない」ということまでは、目を抉るように見てもわからないと思います。スネイプ先生から見れば、研究室に忍び込んだことを(嘘をつくという態度で)認めたことになるのでしょう。
スネイプ先生、目を見て堂々と嘘をつくハリーがさぞかし憎らしかったことでしょう。考えてみれば、ハリーは今までもいくつかの場面でスネイプ先生の前で堂々と嘘をついていました。2年生の時のハロウィーンパーティに出席しなかった理由を述べた時、ふくれ薬に花火を投げ入れた時、3年生の時に忍びの地図を使ってホグズミードに行った時など。
スネイプ先生の前で堂々と嘘をつく生徒は今まであまりいなかったかもしれません。(双子のウィーズリーあたりは怪しいですが、もう少し軽い嘘のイメージがあります)
そんなハリーの様子がふてぶてしく見えて余計憎らしく思うのではないでしょうか。
それだけに、ここの誤解は互いのために解いてあげたくなります。
こんな誤解の積み重ねが二人の関係を悪化させ続けているようで、とても切ないです。

なんとも思わん  - 2005.11.14 Mon

もつれた恋愛関係より魔法薬に集中できるよう、三人は席を離され、ハリーはスネイプ先生の机の前のテーブルで作業をすることになりました。
スネイプ先生、後からついてきて、ハリーの動作をじっと見ています。なんと羨ましい!!
そんなことしているから、タマオシコガネの一つひとつを顔だと思ってつぶされてしまうのですが。
ハリーも結構すごいことを想像しています。以前、ハーマイオニーの前歯事件の時も、大鍋でがつんと打つこと想像していましたし。
ところで、タマオシコガネは実在するのですね。フンコロガシのことでした!!結構大きな虫をつぶしていたのですね、粉々になるまで(汗)

でも、後からついてきたのは、この後、ハリーに話したいことがあったからなのでしょう。警告してやらなければいかん、などと思って。ハリーから見れば鬱陶しいことこの上ないでしょうが、傍から見ればこれから言ってやろうと構えているようでちょっとかわいいです。ほくそ笑んでいたりしたら尚更です。

ハリーが黙々と作業を続ける中、ネチネチと語り始めます。誰にも聞こえないような低い声で。
「マスコミに注目されて、おまえのデッカチ頭がさらに膨れ上がったようだな」
「魔法界全体が君に感服しているという妄想に取り憑かれているのだろう」
「しかし、我輩はおまえの写真が何度新聞に載ろうと、なんとも思わん」(4巻27章p.241)
ううむ。これはどうでしょう。(この場合、「なんとも思わん」のは、感服しないという意味だとは思いますが)むしろ、スネイプ先生が一番気にしているような気がします。注目されること、魔法界全体が感服すること。
以前の記事にも書きましたが、ハリーが有名人であることが気に入らないように見受けられることがあります。
その点がジェームズと似ているからなのか、そもそもジェームズのそういう点が気に入らなかったのか。いずれにしても「注目されてつけ上がっている」と思ってはいるようです。
新聞はきっちり読んでいそうなスネイプ先生、何度もハリーの写真と遭遇してその度にイライラしているのではないでしょうか。何とも思わんとは思えん。

「週間魔女」と授業中の私語  - 2005.11.10 Thu

第二の課題後の魔法薬学の授業中、「週間魔女」の記事を読んで話し込むハリー達三人の背後から、氷のような声が聞こえてきました。「君の個人生活のお話は、たしかに目眩くものではあるが、ミス・グレンジャー」「我輩の授業では、そういう話はご遠慮願いたいですな。グリフィンドール、十点減点」(4巻27章p.239)

2巻での突然の登場シーン同様、ドキリとする登場のさせ方にローリングさんナイス!と声援を送りたくなります。いきなり私語を諌める言葉を言うのではない、慇懃な声の掛け方が洒落ています。生徒の私語に対して、なんて気の利いたことを咄嗟に言えるんでしょう。しかも氷のような声で。
そして、「週間魔女」を朗読するスネイプ先生。十倍も酷い記事に聞こえるというその読み方、間を取ったり、「おう、おう、ポッター、今度は何の病気かね?」「感動的ではないか」などの相の手を入れながら読むことで一層の効果を上げていたのでしょう。先生が声に出していることを想像しながら改めて記事を読むと、なるほど、恥ずかしさ倍増です。
言葉では「感動的」などと言いながら、読み上げる声に感情はこもっていなかっただろうな、目は虚ろだったのかな、間の取り方は計算されたものだったろうな、などと想像しました。

この後、三人を別々に座らせ、スネイプ先生は授業を進めます。
当然です。常に危険の伴う魔法薬学の授業中、背後の先生の気配にも気付かないで私語に興じる三人を、離して座らせるのは。大事な注意のいくつかを聞き漏らしていたに違いありません。
しかも、先生が背中を向けた途端、ハーマイオニーが授業中に雑誌を読むとは!学年が上がるにつれて行動が大胆になってきたようです。
2年生の時から既にハリーもロンも授業をちゃんと聞いていませんでしたが。
1年生のころは、クラス中が一言も聞き漏らすまいと呟くような声に耳を傾けていたのに。
スネイプ先生もだいぶなめられたものですね(泣)

鎮まらない怒り - 2005.11.06 Sun

階段場面でムーディが来てからのスネイプ先生の様子を観察してみました。
こめかみに青筋がピクピク走る。
顔色が土気色からレンガ色に変わる。
歯を食いしばる、歯噛みする、歯ぎしりする。
非常に怒っている様子が伝わってきます。人が怒っている時、緊張している時は交感神経が優位に働いています。そして確かに交感神経が活発な様子が伺えます。
交感神経が優位だと体にどのような変化が出るかというと・・・
血管が収縮する(青筋がピクピク)→血圧上昇、心拍数増加、胃腸の働き抑制、瞳孔散大、気管・気管支の筋の弛緩、立毛筋収縮(鳥肌がたつ)、粘調性唾液の分泌、手掌・足底からの発汗などが挙げられます。(参考文献:貴邑冨久子・根来英雄,シンプル生理学,南江堂、)
発汗は額からもあるとの説があるので、そうなるとねっとりしたこめかみは額からの発汗かもしれません。

この時、スネイプ先生は怒りを鎮めることなく、帰っていきました。
この交感神経優位のストレス状態は持続したのではないかと推察しています。
この後、直接寝室には戻らず、まず研究室へ向かったのでしょう。そこで、毒ツルヘビの皮の盗難に気付いたはずです。
盗んだと確信しているハリーへの怒りとムーディへの怒りと、ムーディに逆らえなかった自分への怒りは到底治まらなかったのではないでしょうか。
怒った状態では交感神経優位な状態は続き、つまり上記のような体の状態が継続したと思われます。
副交感神経優位にならなければ眠くなりませんから、きっと寝付けなかったに違いありません。あるいは、眠ろうという気すら失せたかもしれません。
リラックスできるような薬を自分で調合したかもしれませんが、なんかカッカッしたままのイメージが私にはあります。
血圧が高く、心拍数も増加し、胃腸の働きが低下したまま眠れずに朝を迎えたとしたら、ますます顔色が悪くなっていたのではないでしょうか。先生の体が心配です。
考えてみると、全巻通して先生の怒りは鎮められることなく場面が変わっていることが多いようです。気の毒で仕方ありません。

ちなみに交感神経が優位に働く人は、基礎代謝が上がり、太らないともいわれるようです。胃腸の働きが低下していれば尚更太れないでしょう。先生、いつも緊張したり、怒ったりしているから痩せているのでしょうか。

ベッドに戻ろう - 2005.11.02 Wed

階段場面で、スネイプの研究室に侵入者があったと話し始めたフィルチを「黙れ!」と制するスネイプ。
これから後のスネイプ先生とムーディの会話が好きです。
スネイプ先生の様子がいつもと違うのです。
生徒に対する威圧的な態度はもちろん、校長に対しての“主張はするけど命令には必ず従う態度”とも少し違うし、もと同級生のルーピン、ブラックに対する“対等でいてやや上からみるような態度”とも違うように思います。
話し方は対等に見えます。命令に従うわけでもありません。が、今ひとつ押しが弱い感じです。
侵入者のあったことを話したがらないスネイプ先生。
だれがハリーに恨みがあるか興味があると言われて、「我輩はただ」と言い訳するスネイプ先生。
睨み合いの後「ベッド戻ろう」と折れるスネイプ先生。
いつもの先生らしくなくて少し不安になってしまいます。

この場面は好きなのですが、ここも、私自身の解釈が定まらない場所です。
そもそも、侵入者のあった事実を話したがらないのは、なぜでしょう。
「君自身がかなり徹底的に調べたはずだ」(4巻25章p.174)とのセリフから既にムーディによって調べられた事実があると考えています。
後に真実薬によってクラウチJr.が告白した「毒ツルヘビの皮は地下牢から盗んだ。魔法薬の先生に研究室で見つかったときは、捜索命令を執行しているのだと言った」(4巻35章p.505)と合わせて考えると、ムーディは透明マントも使わず研究室から毒ツルヘビの皮を盗み、スネイプ先生に見つかっているようです。捜索命令と言われてすんなり引き下がったのでしょうか。闇祓いはそれほどの権力を持っているということでしょうか。闇祓いの特権をこの時も振りかざされてさぞかしいやな思いをしたことでしょう。
本当に何か隠している、見られたくないものがあるとも考えられますが、今回はこれ以上部屋に入られる口実を作りたくなかったのかもしれないと思っています。部屋を調べられることはやましいことがなくても不愉快ですから。

ところで、盗んだのは着任してすぐのことだったのではないでしょうか。ポリジュース薬を作るには時間がかかりますから、持参した薬の在庫が切れる前に作ろうとしたのではないかと想像しています。新学期が始まって2~3日経った時にスネイプはムーディを怖がっているように見えるとハリーとロンが話していました。この時点で既に「捜索」されていたのかもしれません。

さて、階段での場面に戻りますが、押しの弱さの他にもう一つ気になることがあります。
ムーディの言葉の一つ一つに体が反応しているようなのです。
研究室に何か隠してはいないな?と問われ、レンガ色(泣)に顔色を変えるスネイプ先生。
消えないシミと言われ、咄嗟に左腕を掴むスネイプ先生。
「君の考えがいかに素早くハリー・ポッターに飛躍したかを!」(4巻25章p.177)と言われ、動きを止めて振り返るスネイプ先生。どれもムーディのセリフに敏感に反応しています。
いつも冷静なのに、体が反応してまうのは何かやましいことでもあるのでしょうか。
それとも、デスイーター時代の闇祓いへの恐怖が染み付いているために反応しているだけでしょうか。そしてそんな自分に腹を立てながらも逆らえないのでしょうか。
よくわかりません。

ムーディが来る前は侵入者への怒りに燃えていたようなのに、怒りを抑えてベッドへ戻ると言ったのは、どのような理由であれ、これ以上詮索されるのを避けるためだったのでしょう。その胸中を思うと、私も胸が張り裂けそうな思いで一杯になります。

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