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2017-10

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クリスマスクラッカー - 2016.12.25 Sun

先日、ツイッターで何気なく目にした英国大使館の人のツイートを見てハッとしました。
「プレゼント、紙の王冠、ジョークを書いた紙等を入れたクリスマス・クラッカーの両端を隣の人と引っ張りあう」と書いてあったのですが、隣の人、というのがとても気になりました。(元のツイートはこちら

早速英国のクリスマスクラッカーをウィキペディアで調べると、まず形状が日本で目にするものと違うことがわかります。「Christmas cracker
筒状で、だいぶ大きいです。
この形状、かつてのPottermoreにも出ていました。
ポタモア1-28a
赤っぽいキャンディーのような包み

ポタモア1-28b
青い包み
どちらも使用済みのように見えます。実際は以下の図のような形です。

クラッカーa
今年のポタモアのイラストの一部

このキャンディーの包み紙のようなものの両端を隣同士に座った人が引っ張るのがイギリスのやり方で、真ん中で裂けたのが上二つの図だと思います。

ということはっ!
3巻でスネイプ先生が引っ張ったクラッカーは、ダンブルドアと一緒に引っ張った、ということではないでしょうか。

日本語にはこう書かれています。
「クラッカーを!」
ダンブルドアが、はしゃいで、大きな銀色のクラッカーの紐の端の方をスネイプに差し出した。スネイプがしぶしぶ受け取って引っ張った。大砲のようなバーンという音がして、クラッカーは弾け、ハゲタカの剥製をてっぺんに載せた、大きな魔女の三角帽子が現れた。(3巻p.295)

英語はこうです。
‘Crackers!’ said Dumbledore enthusiastically, offering the end of a large silver one to Snape, who took it reluctantly and tugged. With a bang like a gunshot, the cracker flew apart to reveal a large, pointed witch’s hat topped with a stuffed vulture.(UK版3巻ebook)

ダンブルドアはクラッカーの端を差し出していますが、「紐」に相当する文字がありません。これはスネイプ先生はクラッカーの端を突きつけられて、しぶしぶそれを掴んで(took)、引っ張った(tugged)のではないでしょうか。

今までダンブルドアに日本にあるような三角錐のクラッカー🎉を渡され、受け取って1人で紐を引っ張る図を想像していましたが、この筒状のクラッカーの片端を差し出され、もう片端はダンブルドアが持ったまま、スネイプ先生が引っ張った、あるいは二人とも引っ張った、という図が本来の姿のように思われます。少なくとも、イギリスの人達は、この文章からはそんな図を想像したにちがいありません。
翻訳のせいというより、文化の違いで全く違うものが見えていたとは!それを今になって気付くとは!本当に面白いです。

それにしても、ダンブルドアと二人でクラッカーを引っ張る様子、想像すると可愛くて仕方ありません!
マグルのクラッカーには、紙製の王冠と、ジョークを書いた紙などが入っているようですが、出てきたハゲタカのついた三角帽は王冠の代わりということでしょうか。
いえ、わざわざスネイプ先生に声をかけて、引っ張らせたダンブルドア、先日ボガートスネイプが被ったと学校中に野火のように広がった噂を知らないとは思えず、これは明らかに冗談のつもりだったように見えます。きつい冗談です(笑)
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パンツ再考 - 2016.07.18 Mon

昨日、Twitter上でスネイプ先生のパンツの話題が再燃しました。
どんな種類のパンツを穿いていたのか、というアンケートがあったのです。
私ももちろん投票しました。

スネイプ先生のパンツについて、今まで何度ブログやオフ会、Twitterなどで話題にしてきたでしょう。
このブログでも10年前に語っていました。「ローブとパンツ
この、常にファンの想像力をかきたてるスネイプ先生のパンツについて、再度考えてみました。
どんなパンツを穿いていたかマグルのパンツ事情から探る、という真面目な考察です(笑)

オフで語ったり、Twitterなのでのアンケートを見ると、ボクサー型だと考える人が結構多いです。
しかし、ボクサー型は比較的新しいデザインだとの認識が私にはあり、ではいつからか、と調べてみました。ウィキペディア「ボクサーブリーフ」にその歴史が載っています。

1992年にカルバン・クラインが発表したデザインのようです。(余談ですが、「カルバン・クライン」のブランド名を見ると、私はどうしても「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を思い出します)
カルバン・クラインの広告の推移がわかる記事を見つけました。
カルバン・クラインの広告の歴史は、攻めの歴史だった!世界を変えた衝撃ポスター
カルバン・クラインのサイトでは男性下着だけではないものの、下にスクロールすればもっと詳しい推移が見られます。
TIME LINE
1982年、1985年あたりでは、白いブリーフを穿いているんですね!(ちなみに1985年だとスネイプ先生は25歳です)きっとカルバン・クラインが1992年に発表したこのデザインが、ボクサーパンツの始まりだと言われているのですね。

1992年だとスネイプ先生は32歳、マグルのデザインの変化についていくことはできたでしょうか。
Pottermoreに作者の興味深い解説があります。
「一般的に、若い世代はマグルの文化に精通しています。これは、子どものころは魔女や魔法使いもマグルの友達と自由に交流するためです。ですが、やがて魔法界で職に就くと、一般的なマグルの服装について情報を仕入れるのは難しくなります。」(旧Pottermore 日本語版、作者の言葉「衣服」より)

子ども時代、マグルの男子の友達がいたかどうかはともかく、マグルの居住地で暮らし、父親もマグルだったセブルスは、服装のコーディネイトはちぐはぐであっても、下着はマグルと同じだったのではないかと思われます。そして、他の多くの大人の魔法使い同様、職に就いた後は、一般的なマグルの服装についての情報を仕入れるのは困難になっていったのではないでしょうか。特に1992年といえば、ホグワーツでは秘密の部屋が開けられて大騒ぎでしたし、12歳の無鉄砲なハリーを見守るのに忙しかったでしょうから、スネイプ先生は、とてもマグルの服装の情報を手に入れる時間などなかったと思います。

ところで、カルバン・クラインはアメリカのブランドです。イギリスの状況を知りたいと思い、イギリスのブランドを探してみました。
すると、2001年に設立されたというイギリスの男性下着のブランドのサイトに、とても興味深いことが書かれていました。
「aware SOHO社 our story
「It was 2001 and I was getting bored with my job as a lawyer. A friend of mine had just joined a new gym and was moaning that he could not find decent pair of briefs in London that had a bit of personality ; « underwear is just white, white and white with the occasional pair of black boxer briefs » he said. So we decided to star tour own brand of underwear with lots of colours and prints and we called dit AWARE.」
創設者は弁護士だったようで、2001年にジムに通い始めた友人がロンドンではまともなブリーフが見つけられない、白ばっかり(時々黒のボクサーパンツ?)、と嘆いていたことから、カラフルでプリントのある下着ブランドを立ち上げることにした、というような意味だと思います。

重要なのは、2000年を過ぎても、イギリスではおしゃれなロンドンでさえも白いブリーフばかり売っていた、という点です。
アメリカでは既にカラフルなものも売られていたかもしれませんが、2001年までイギリスの下着は白一色だった、ということです。そして、トランクスについては触れていないので(このブランドの商品を見ると、ブリーフとトランクスとボクサーを区別しています)、トランクスも一般的ではなかったのではないかと思われます。あくまでマグルの世界の話ですが。

2001年といえば、スネイプ先生は既に亡くなっています。仮にスネイプ先生がマグルの情報をいち早く入手するタイプだったとしても、存命中には市場に出回っていなかったでしょう。
となると、やはり生涯白いブリーフ(が灰色に汚れたもの)を穿いていた、と考えて良いのではないでしょうか。スネイプ先生は、子どもの頃から慣れ親しんだ白いブリーフをずっと(もちろんサイズは変わりますが)愛用していたに違いありません。

箒なしで空飛ぶ方法 - 2016.07.03 Sun

昨日オフでハリポタを話していて、こんな話題になりました。
箒を使わず空を飛ぶことはヴォルデモートが開発した闇の魔術であり、闇の魔術と言われるからには、ホークラックスに準ずるような肉体改造的な何らかの禁忌を犯しているかもしれず、だとしたらそれを伝授されたスネイプ先生も同じような禁忌を犯していることになるけど、それだけは嫌だ、という話です。
私は肉体改造的な禁忌を犯した、という発想は全くなかったので驚くとともに、やはりとても嫌だと思いました。
 
「人の姿のままで、なんの助けも借りずに飛ぶことを可能にするような呪文は、いまだに考案されていない」(クィディッチ今昔第一章p.15)とありますから、開発したのがヴォルデモートなら、ホークラックスのように常人には考えられないようなおぞましい方法を取った、と考えるのは、むしろ自然なことかもしれません。
でも、私は敢えて肉体の改造なく行った、という方向で考えてみようと思います。魂と心に傷を負ったスネイプ先生を、これ以上傷つけたくはありませんから。

まず、闇の魔術と言われることについて。
闇の魔術、と呼ばれるから、魂を傷つけるホークラックス並みのおそましさを連想するかもしれませんが、実のところ、闇の魔術Dark magicにはJinxやHexも含まれており、程度の差は様々です。
「Hexes:
Has a connotation of dark magic, as do jinxes, but of a minor sort. I see 'hex' as slightly worse. I usually use 'jinx' for spells whose effects are irritating but amusing.
Curses:
Reserved for the worst kinds of dark magic.」(旧J.K.Rowling Official Siteのコピーサイトより)

言ってみれば、コウモリ鼻糞の呪いだって闇の魔術の一つになるわけです。
作者が、ヴォルデモートが箒なしで飛ぶことをどの程度の深刻さで「闇の魔術」と言ったのか、ソースを見つけられていないのですが、それほどおぞましいものとは限らないと思っています。

飛行ではありませんが、身体を浮上させる呪文はプリンスの開発したものとして登場しました。レビコーパスの反対呪文リベラコーパスを、ハリーは「反対呪文(counter-jinx)でありますようにと祈りながら(6巻上p.360かけていますが、そこにjinxが使われているならレビコーパスも闇の魔術の一種と思われます。
それが重力に逆らって身体を浮上させるという似たような働きをするにもかかわらず、術者のハリーも術をかけられたロンも、特別な肉体改造が必要ではなかったところを見ると、箒なしの飛行もその程度の可能性があります。

以前、Twitterで北アメリカの魔法使いの話題から、杖なしで魔法を使ったり箒なしで飛べる魔法使いはホグワーツにいますか?と尋ねられて、いいえ、箒を使う文化的な伝統があります、それに箒なしの飛行はとても危険です(No, there's a cultural tradition of using wands and broomless flight is (as you might imagine) very risky!)と作者は答えています。箒なしで飛ぶことは「本人にとって危険なことだから」敢えて禁忌を犯さない魔法、闇の魔法と呼ばれている可能性もあるのではないでしょうか。



飛ぶことについて。
これは鳥のように飛ぶのなら、翼とそれを動かせる筋力を得るために肉体改造は必要になってくるかと思います。
でも、飛行機のように飛ぶなら、揚力を得る魔法でなんとかなるのではないかと思います。天気を変える呪文があるなら、気流を調整する魔法だってさほど難しいとは思えません。
また、前述のレビコーパスもそれほど高い位置ではありませんが、重力に逆らって人を浮かべることができるし、モビリコーパスは浮かべた人を移動させることができます(これは意識のない状態の人を、物のように動かしただけかもしれませんが)
他人にかけるレビコーパスやモビリコーパスのような、ある程度似通った魔法から、応用で自分を浮かせて飛ぶことを思いついたとしたら、肉体的な変化はなくともできそうに思えます。

以上のことから、箒なしで飛べる魔法は、開発したのがヴォルデモートだったにせよ、魂だけでなく肉体まで傷つけるような方法ではなかった、と信じています。

姿現し - 2016.04.13 Wed

6巻を読み返していて、ふと『姿現し』のことが気になりました。
魔法省の講師トワイクロスが教えた『姿現し』、その時彼は覚えておかなければならない大切なこと、として三つのDを挙げました。「どこへ、どうしても、どういう意図で」
これは、英語ではDestination(目的地), Determination(決意、決断力), Deliberation(熟考、熟慮)となっています。(だいたい同じ意味になっているところがすごいです!)

初めての『姿現し』の練習で、ハッフルパフのスーザン・ボーンズにばらけが起こった時、トワイクロスは「心が十分に「どうしても(Determination)と決意していない時に起こります」(6巻18章、p.97)と言いました。
けれど、「どうしても」が足りなかったにしても、わずかでも移動できたのはスーザンだけのようでした。
ハリーはこの時上の空だったので仕方ないかもしれませんが、それなりに真剣に取り組んでいる生徒のほとんどが失敗していることを考えると、この実技、どういう生徒に向き、スネイプ先生は学生時代どういう取り組み方をしたのかと考えたくなります。

ロンはかなり苦戦し「『姿現し』のコツがどうしてもつかめないんだ」(6巻21章p.213)と嘆く場面がありました。
ハーマイオニーは「ばっちり」で、試験後にトワイクロスにかなり褒められたようです。ハリーが試験を受けたのかどうかは明らかではありませんが、練習ではロンより早く成功していたし、洞窟からダンブルドアを連れ帰ることができたし、その実力は確かなようです。

全ての「D」が噛み合って成功するのだと思いますが、未熟者の成功を妨げているのは、「どうしても」と「どういう意図で」が大きいように思います。ロンは試験で目的地がずれてしまいましたが、それは大きな減点にはならなかったようですし。
割と体で覚える系の魔法は苦手そうなハーマイオニーが上手くできたのも、「決意」と「熟考」が求められるなら、それは得意な分野だったのだと思われます。ハリーも同様です。意志の強い人ほど習得し易いイメージです。

では、学生セブルスはどうだったでしょう?
「決意」と「熟考」も長けていたと考えるので、体得は早かったと推測しています。
元々の気質もそうですが、5年生でO.W.L試験を受けた日にリリーに死喰い人になろうとしていることを否定しない、と言われている点から、死喰い人に片足入れていたと思われ、その活動に必要そうな全ての魔法や技術は手に入れたいという決意は強かったのではないかと思います。また、空間を移動すること自体への学術的な興味も強かったのではないでしょうか。
きっと誰よりも早く『姿現し』できるようになって、試験も難なくクリアしたと思います。

それでも、ハリーたちの練習で最初に誰も成功しなかったのに、トワイクロスが「かまわん、かまわん」と集団よろけ状態以上のことを期待していなかった様子を見ると、誰も皆初回は上手くいかないものだということでしょう。
大広間で、1.5m間隔に生徒たちが並ぶ中の一人として、前に置いた輪っかに意識を集中させ、回転してよろける学生セブルスを想像すると実に楽しいです。よろける姿、大好きです(笑)

ベールの向こう - 2016.03.10 Thu

先日、「ベールの彼方に の全体的な解釈をお聞かせ下さい」「シリウスの遺体が消えて無くなってしまったことの解釈をお聞かせ下さい」という質問を受けました。いつもスネイプ先生のことしか考えていない私には、とても難しい質問でした。
その方は、作者の都合でシリウスの遺体がなかった、その行く末を書くことが、もうめんどくさくなっちゃったのかな?とお考えのようでしたが、私はそもそも作品全体が作者の都合だと捉えていて、作者の都合は登場人物のセリフや行動、世界観に反映されていると考えているので、きっと何か理由はあると思って考えてみました。

作品の中の死には、作者の死生観が強く影響します。作者に信仰があるなら、宗教との関わりも無視できません。この場合はキリスト教ですが、さすがにキリスト教の死生観を調べて咀嚼して飲み込んで消化するのは一朝一夕にはできませんから、そこは一切省いて考えてみました。

私は、ベールはこの世とあの世を隔てる物として考えています。
つまり、あの世はハリー・ポッターの世界に確実に存在する、という考えです。
そこに存在するのは死者の魂です。
死んで身体だけこの世に残り、魂が向かうのがあの世(天国)だと思っています。
傷ついたり分割して物体に収めることのできる物として扱われた魂は、心よりもずっと確かな物としてハリポタの世界に存在しています。
ゴーストのことを、「この世を離れた魂が地上に残した痕跡だ」(6巻p.)とスネイプ先生が授業で説明しています。
また、ニックは「私は残ることを選びました」「私がいるのは、ここでも向こうでもないのですから」(5巻38章p.684)と言っています。、生きた肉体からは離れたけれど、ベールの向こうの世界に行くことを拒んだ魂がゴーストなのだと思います。

シリウスが身体ごと消えてしまったことについては、死は「不可逆反応」だということを知らせるためのものだと解釈しました。一方通行の反応だということです。

魔法使いは、魔法によってこぼれた水も盆に返せますし、アイテムを使えば時間だって遡ることができます。
マグルがやり直したいことは大抵魔法でできてしまう。
ただ、死だけは逃れることができない。一度死んだら何をしても生き返れない。
ヴォルデモートが死を恐れるのも、自分の力ではどうすることもできないとわかっているからだと思います。

たぶん、シリウスは生きたままアーチをくぐったのだと思います。
なぜなら、ベラトリックスの呪文は胸に当たった時はまだ笑顔だったのに、アーチをくぐる時は恐れと驚きの入り混じった表情になっていたからです。
生きたまま向こうに行ったのに帰ってこられない、これこそが、一方通行を決定付ける表現だと思います。

上にも書きましたが、ハリポタの世界では、魂は心よりずっと確かな存在として描かれています。
傷ついたり分けることができたり、ディメンターが魂を吸い取るという表現も、体が傷ついても魂は無傷という表現も、魂は身体の中にありながら別の物として存在していることを表しています。
通常は身体から魂だけがアーチの向こうに行くものなのでしょうが(行くことを拒むとゴーストになる)、シリウスの場合は身体ごと行ってしまった。
それでも、魂が行ってしまえば戻る術(すべ)はない、という非情さを知らせる手段がアーチにかかったベールだったと私は考えています。生きた人間が行っても戻って来られないからこそ、ルーピンはハリーが行ってしまわないようになんとか抑えていたのだと思います。

ただ、神秘部ではアーチの研究をし続けているようですから、いずれ魔法使いは向こうの世界と行き来できるようになるかもしれませんし、その時にシリウスが戻ってくるための布石かもしれないと思っています。

杖の長さと柔軟性 - 2014.12.08 Mon

スネイプ先生の杖については、木材と芯についてこれまで考えてきました。長さと柔軟性についても少し考えてみようと思います。
Pottermoreでは、ローリングさんがオリバンダー氏のノートに書かれた文字を借り、杖の長さと柔軟性について以下のように語っています。

『多くの杖作りは、杖の長さを単に魔女や魔法使いの体格に合わせて見立てようとするが、これは洗練を欠く手法であり、その他の重要な要素を多数無視する結果となる。長い杖は背の高い魔法使いに適しているかもしれないが、私の経験では、そういった杖はおおらかな性格の人物に引かれ、雄大で劇的なスタイルの魔法の使い手を好む傾向にある。一方、こぢんまりとした杖は、優雅で洗練された呪文のスタイルを好む。とはいえ、杖の構造はどれひとつとして他のあらゆる要素と切り離して考えるべきではなく、木材、芯材、および柔軟性で、杖の長さによる特性を補ったり、強化したりできる。
大半の杖は、長さ 23 センチから 36 センチの間に収まる。20 センチ以下のごく短い杖や、38 センチを超えるかなり長い杖を売ったこともあるが、こういったケースは極めてまれである。後者の例では身体的な特徴から極端に長い杖が必要だったのだが、異常に短い杖は通常、体格が小柄な者ではなく、性格的に何か欠けているところがある持ち主を選ぶ(多くの小柄な魔女や魔法使いは、長めの杖に選ばれている)。
杖の柔軟性、あるいは硬さは、杖と持ち主の組み合わせがもたらす、変化に対する順応性や積極性の度合いを示す。しかし、くり返しになるが、この要素も杖の木材、芯材、長さ、または杖の持ち主の人生経験や魔法のスタイルといった要素から切り離して考えるべきではない。こうした要素がすべて組み合わさって、その杖に唯一無二の特性が備わるのである。』(Pottermore1巻5章ダイアゴン横町;オリバンダーの店;杖の長さと柔軟性より)

オリバンダーは、他のあらゆる要素と切り離して考えるべきではないとしつつ、杖の長さについては「異常に短い杖は通常、体格が小柄な者ではなく、性格的に何か欠けているところがある持ち主を選ぶ」と書いています。
通常は23cm(9インチ)から36cm(14インチ)の間に納まるとのことなので、性格的に何か欠けているところがある人の杖は、23cm(9インチ)未満の可能性が高いです。
また、長い杖は、「おおらかな性格の人物に引かれ、雄大で劇的なスタイルの魔法の使い手を好む傾向にある」とし、こじんまりとした杖は、「優雅で洗練された呪文のスタイルを好む」としています。
柔軟性については、「変化に対する順応性や積極性の度合いを示す」と言っています。

以下に、現時点で杖の長さが明らかになっている登場人物を杖の長さ順に一覧にしてあります。
*ロンは、日本語版では「33センチ」と訳されましたが、14インチなので35cmだと思われ、ヴォルデモートより上に位置させました。

ハグリッド:41cm(16インチ)・良く曲がる(rather bendy)
ロン:35cm*(14インチ) 
ヴォルデモート:34cm(13と1/2インチ)・強力(powerful)
ベラトリックス:32cm(12と3/4インチ)・頑固(Unyielding)
オリバンダー:32cm(12と3/4インチ)・わずかに曲がる(slightly bendy)
セドリック:30cm(12と1/4インチ)・ 心地良くしなる(pleasantly springy)
ケトルバーン先生:29cm(11.5インチ)・ しなやか(whippy)
ジェームズ:28cm(11インチ)・よくしなる(Pliable) 
ハリー:28cm(11インチ)・良質でしなやか(nice and supple)
ハーマイオニー27cm(10と3/4インチ)・
セレスティナ・ワーベック:27cm(10と1/2インチ)・しなやか(Flexible)
リリー:26cm(10と1/4インチ)・振りやすい(swishy)
ルーピン:26cm(10と1/4インチ)・よくしなる(pliable)
クラム:26cm(10と1/4インチ)・かなり頑丈(quite rigid)
ドラコ:25cm(10インチ)・ある程度弾力性(Reasonably springy)
マクゴナガル:24cm(9と1/2インチ)・しなりにくい(stiff)
フラー:24cm(9と1/2インチ)・しなりにくい(in-flexible)
トレローニー:24cm(9と1/2インチ)・とても柔軟(very flexible)
ワームテール:23.5cm(9と1/4インチ)・脆い(Brittle)
クィレル:23cm(9インチ)・よく曲がる(bendy)
カドガン卿:23cm(9インチ)・燃えやすい(combustible)
ロックハート:22.5cm(9インチ)・わずかに曲がる(slightly bendy)
メアリー・エリザベス・カターモール:22cm(8と3/4インチ)
アンブリッジ:20cm(8インチ)
  
目を引くのは、アンブリッジの8インチとロンの14インチではないでしょうか。
短い杖に選ばれるのは性格的に何か欠けているところのある人、ということでアンブリッジは大いに納得できます。カターモール夫人については普段の生活がわからないので(堅実そうですが)言及しませんが、下から三番目にロックハートの杖が位置しているのも興味深いです。
一方ロンの杖は、一般的な杖の長さの範囲にあるもののハグリッドに次いで長い杖を持ち、持ち主の性格のおおらかさを示しているようです。
ハグリッドの杖が長いのは、オリバンダーの言う「身体的な特徴から極端に長い杖が必要だった」の部類に入るのでしょうが、大らかさもあったと思います。
ここで驚くのは、ヴォルデモートの杖が現時点で長さの上位にあることです。
彼は、おおらかに成り得たのでしょうか?とてもそうは思えないので、他の要素と組み合わさって、たまたまこのような数字となったのだと思います。ちょっと謎です。

柔軟性については、マクゴナガル先生の「しなりにくい(stiff)」とかベラトリックスの頑固(Unyielding)など、納得させられるものがあります。
同じ「しなりにくい」でもマクゴナガル先生のstiffとフラーのin-flexibleという違いもあります。
マクゴナガル先生のstiffは、「硬い、堅苦しい、断固とした、不屈の」などの意味があり、フラーのin-flexibleの方は、「毅然とした、不屈の、頑固な、強情の」の意味があります。
また、stiffは硬くて曲がったり伸びたりしない、クラムの杖の表現のrigidは硬くて無理に曲げると折れる、というニュアンスがあるようです。そして、rigidは、「厳格な、堅苦しい、融通がきかない」の意味があります。(weblio英和辞典より)
単語の説明だけ見ると違いがよくわかりませんが、人物の性格に当てはめると、なんとなくわかるような気もします。

さあ、スネイプ先生の杖の長さはどのくらいになるでしょう?
性格に何か欠けている、と言えばそう言えるでしょう。11歳の子どもと同じ目線で意地悪してしまうのですから。
でも、罰則が教育の範囲を越えることはないなど、何か自分の中のルールがあって、それは守っていますから、手の甲に血が出るような傷を残す罰則を与えたアンブリッジとは一線を画しています。
生徒の心を傷つける言動もありますが、生徒の将来もちゃんと見据えている部分もあり、たまたまハリーには憎しみをぶつけてしまったけれど、性格としては飛びぬけて欠けている何かがあるようにも思えません(私の贔屓目というのも大いにあります)
また、優雅で洗練された呪文のスタイルを好みそうなので、やはりそんなに長い方には分類されず、大半の杖が収まるという範囲内で、短めの部類に入るのではないかと思います。
並んだ人物を見ると、総合的に見て、マクゴナガル先生かドラコあたりかな、という気がします。となると、9.5インチから10インチくらいでしょうか。

柔軟性については、「変化に対する順応性や積極性の度合いを示す」とのことで、スネイプ先生の順応性と積極性が問われます。
変化に対する順応性をどう見て良いのか迷うところです。
柔軟な発想がなければ、あれほど次々と呪文の開発ができたとは思えませんし、二重スパイとして死喰い人の顔と不死鳥の騎士団員の顔とを使い分けていたわけですから、変化に柔軟に対応していたようにも思います。

しかし、一覧を見ると、しなやかな杖を持っている人たちの多く(ハグリッド、セドリック、ケトルバーン先生、ジェームズ、ハリー、ルーピン、トレローニー、クィレル)とは、明らかに性質が異なります。
むしろ、マクゴナガル先生に近い感じ。
規律は守るべきと考えているところとか、生涯かけて一人の女性を愛し続ける一途さ、ヴォルデモートを欺き続け、ダンブルドア側の人々に蔑まれながらも憎まれ役に徹した心の強さというのも、杖の柔軟性を低くさせる要因となりそうです。

柔軟性が低いとしても、それを示す単語が多すぎて選ぶのは難しいです。
無理に曲げようとしたら折れる、というrigidではない気がします。
マクゴナガル先生のstiffとか、フラーのin-flexibleあたりでしょうか。

今まで考えてきたスネイプ先生の杖を総合すると(杖の木杖の芯)、私のイメージするスネイプ先生の杖は、木は「黒檀かクルミ」、芯は「ユニコーン」、長さは10インチかそれ以下、柔軟性は曲がりにくいもの、ということになります。
ちなみに、Pottermoreで私を選んでくれた杖は、「黒檀とユニコーン、10インチ、unbending(曲がらない、たわまない)」でした。

黒檀の杖
私の杖

同じだったら、良いな~

杖の芯 - 2014.10.09 Thu

杖の芯について考えてみたいと書いてから半年以上が経ってしまいました。
杖の芯については以前日記の方に書いたことがあるのですが、当時の「オリバンダーは三つの芯しか使わないのか」という疑問はPottermoreで解決されました。

以下、Pottermoreより引用したオリバンダーの言葉です。
「私がまだ見習いだったころ、やはり杖作りだった父は、ケルピーのたてがみのような質の悪い芯材に苦労させられていた。それを見て私は、自分はいずれ最高の芯材を見つけ、家業を継ぐころにはそうした芯材だけを使って仕事をしたいという野望を抱いた。そして、その望みは叶った。膨大な実験と調査の結果、私はある 3 つの素材だけが、老舗オリバンダーで売るにふさわしい杖を生み出せると結論づけた」

つまり、本当に三種類、ユニコーンのたてがみとドラゴンの心臓の琴線と不死鳥の尾羽の三つだけが、当代のオリバンダー氏の作る杖に使われているわけです。
オリバンダーさんはジェームズやリリーの杖も作ったのでスネイプ先生の杖を作ったと考えて間違いないと思います。ヴォルデモートの杖すら作ったし。そうなるとやはり、この三つの内一つはスネイプ先生の杖の芯に違いありません。
スネイプ先生の杖の芯を考える上で、今、改めてそれぞれの芯の特徴を比較してみたいと思います。

以前の私は、杖の芯ごとにキャラクターを分けて一番内面が近そうなのがユニコーングループだと感じました。
Pottermoreでは、今まで杖の材質が明らかでなかった登場人物の杖について続々と明かされています。その人物も加えて現時点での杖芯のグループ分けをしてみます(抜けがあったらお知らせ下さい)

・ユニコーン
ロン、セドリック、ドラコ、ネビル、クィレル、ルーピン

・ドラゴンの心臓の琴線
ハーマイオニー、ベラトリックス、ワームテール、ビクトール・クラム、ルシウス、オリバンダー、マクゴナガル、ロックハート

・不死鳥の尾羽
ハリー、ヴォルデモート、セレスティナ・ワーベック、ケトルバーン先生

杖の木と長さが作品中で明らかになっているリリーとジェームズ、依然として芯についての発表はないので分類できませんでした。個人的には、リリーがユニコーン、ジェームズがドラゴンのイメージがあります。
不死鳥の尾羽グループにセレスティナ・ワーベックとケトルバーン先生が入ったことは意外でした。

では、Pottermoreではそれぞれの芯についてどう説明しているのでしょうか。
以下Pottermore第五章 ダイアゴン横町 「杖の芯」より抜粋です。

【一角獣(ユニコーン)】
・概して最も一貫性の高い魔力を生み出し、揺さぶりや妨害を受けにくい。
・一角獣のたてがみを芯に用いた杖はおおむね、闇の魔術に最も感化されにくい。
・あらゆる杖のなかで最も忠実で、最初の持ち主が熟練の魔女や魔法使いであるかどうかにかかわらず、その者との結びつきを強く保ち続ける。
・些細な欠点は、強度の点で劣るという点と(木材で補うことは可能)、取り扱いを極度に誤るとふさぎ込みがちで、たてがみが「死ぬ」こともあり、そうなると芯の交換が必要になるという点

【ドラゴン】
・一般に、ドラゴンの心臓の琴線を用いると、最も強力な杖になる。
・ドラゴンの杖は特に華々しい呪文をかけることができ、他の杖よりも学習が速い傾向にある。
・最初の持ち主から勝ち取られた場合、新たな持ち主に忠誠を示すようになるが、そのときどきの持ち主に対しては常に強い結びつきを保つ。
・ドラゴンの杖は、闇の魔術に最も感化されやすい。とはいえ、自発的にそうなることはない。
・いくぶん気まぐれなところがあるため、3 つの芯材のうち一番事故を起こしやすい。

【不死鳥】
・不死鳥の尾の羽根は最も希少な芯材である。
・使える魔法の幅広さは随一ながら、一角獣やドラゴンの芯材と比べて、その本領を発揮するまでに時間がかかる。
・3 つの芯材のなかでは最も自発性が高く、自分の判断で勝手な振る舞いにおよぶこともある。
・不死鳥の羽根を芯材に使った杖は、決まって持ち主に対する選り好みが激しい。素材の提供元である不死鳥自体が、この世で最も独立心が高く、超然とした生き物であるため。不死鳥の杖は、手なずけるのも、自分好みに調整するのもとりわけ難しく、通常、忠誠を得るのも容易ではない。


闇の魔法に最も感化されにくいのがユニコーンのたてがみで、感化されやすいのがドラゴンの心臓の琴線ということですね。
ハーマイオニーとマクゴナガル先生は“ドラゴン”ですが、闇の魔法に微塵も惹かれなかったので感化されることもなかったということでしょうか。
学生セブルスは闇の魔術に傾倒していきましたが、その後死喰い人に属しつつも闇の帝王を裏切り続けました。死喰い人の中で唯一パトローナスを作り出せたスネイプ先生ですから、その杖も闇の魔法に感化されなかったと言えるようにも思います。闇の魔法を使ってもどこかよそよそしいというか。
しかし、もし“ユニコーン”だとしたら、闇の魔術に傾倒していた間、たてがみが「死ぬ」ことはなかったのだろうか?という疑問もでてきます。「取り扱いを極度に誤った」ことにはならない、ということでしょうか。

忠誠心はどうでしょう。
ユニコーンは最初の持ち主との結びつきが強く、ドラゴンは勝ち取られた方に忠誠心が移動しやすいようです。これは、ドラゴンの方がたやすく勝ち取れるということでしょうか。ドラコの杖をハリーが勝ち取りましたが、ユニコーンのたてがみを芯に持つその杖は、ドラコにも未練を残している、ということでしょうか。ハリーの手にすぐに馴染んだように見受けられたので、この辺の感覚が今一つわかりません。
願望としては、スネイプ先生の杖は、たとえ戦いに負けても簡単には忠誠心が移らないようなタイプであって欲しいです。敵の多そうなスネイプ先生ならなおのこと、杖だけは同じものが忠誠を示していて欲しいです。
スネイプ先生も全然移り気ではないようなので、しばしば新しい杖を購入するようにも思えません。まあ、負けなければどの杖にしても忠誠心は移動しないし、スネイプ先生はそうやすやすと敗れたりはしないでしょうから、その時の持ち主と強い結びつきを持つ“ドラゴン”でも結果は同じなのかもしれませんが。

”不死鳥”はハリーとヴォルデモートという正反対でもあり似たところもある二人の杖に使われています。似たところは、スネイプ先生にも共通する部分でもあり、「スネイプの杖にも不死鳥が使われた」と言われればそうかもしれないと思うでしょう。
それでも、自発性の高さの点では、スネイプ先生の杖の材料ではないように思います。自分の判断で勝手な振る舞いをするような場面が思い当たらないからです。呪文の開発で試行錯誤していたことを考えると、とりあえず常に意のままにはなっていたのではないかと思うのです。

新しい情報を元に考えてても、やはり私の中ではユニコーンのたてがみが優勢です。次いで、「学習が速い」と言われるドラゴンの心臓の琴線の順。
このままいけば、いつか必ずスネイプ先生の杖の材質も明かされそうですが、それまではああでもないこうでもないと考えていきたいものです。

大鍋4(6/2追記) - 2014.05.28 Wed

今年の読書会の記録を読んでいたら、まだまだ私の中で大鍋のことが解決していないことがわかりました。
大鍋については、何度か語ったことがあります。
大鍋
大鍋2
大鍋3
(元々は日記に書いたものを移動しました)

大鍋の大きさやその大鍋を入れて持ち運ぶトランクの大きさなどを考えてきましたが、大鍋はやはり映画のよりもっと大きそう。
作る魔法薬によって大きさが変わるのだとしても、カルカロフが授業中におしかけてきた時は、確かにハリーが身を隠せるくらいの大きさではあったはず。
これで大鍋の陰にしゃがみこむ口実ができた。ほかの生徒がガヤガヤとドアに向かっているとき、ハリーは床を拭いていた。(4巻27章p.245)
~, which gave him an excuse to duck down behind his cauldron and mop up while the rest of the class moved noisily towards the door.(UKペーパーバック版 p.564)
 
この時授業で調合していたのは、『頭冴え薬』でした。
この時の材料は、タマオシコガネを乳鉢で粉々にしたもの、根生姜を細かく刻んだもの、アルマジロの胆汁、が明らかになっています。
分量が比較的わかるのは、アルマジロの胆汁で、計量カップ(measuring cup)を持ちあげて分量を見る(振りをしている)場面があるので、カップという名だし、持ち上げられるくらいだし、まあ普通の200ml入るカップ程度だと考えて良いのではないかと思います。
タマオシコガネもスネイプ先生が話しかけている間に粉々になっているし、根生姜を刻むのもそれほど時間がかかっていないようだし(どちらも手動)、それほど多いものとは思えません。

それらをハリーがある程度身を隠せるくらいの大きさの鍋に入れたって、底の方にほんのわずか溜まるだけのような気がします。描写の無い物質が多量にあるとしたら、水でしょうか。水薬を作っている割に水分が胆汁だけとは少なすぎますから、かなりたくさんの水でも足して、『頭冴え薬』は作られているのかもしれません。
うーん。
5巻29章ではハリーが完成させた『強化薬』の一部を大鍋からすくい取ってフラスコに入れて提出し、振り返った途端落ちて粉々になったので、もう一度鍋に残ったものを提出しようとしたら、ハーマイオニーが中をきれいにからっぽにしていたことがありました。
余った魔法薬は消して(捨てて)いるんですね!
うーん……
どうにも無駄が多いような……。

6/2追記
大鍋の大きさについて、さらに気付いたことがありました。
ジニーの大鍋にロックハートの本などいくつかの本が入っていた件について、もう少し詳しく書いておきます。

ロックハートの本の厚さですが、7冊全部を机の上に積むとロックハートの実物を見なくて済む、という記述がありました。
教室の机の上にロックハートの著書7冊を積み上げると、ハリーの座高ではロックハートが見えなくなる、ということで結構厚さがありそうです。
ハリーは全著書をもらったので、教科書7冊+自伝「私はマジックだ」とおそらく 「ギルデロイ・ロックハートのガイドブック―― 一般家庭の害虫」も、入っていたのではないかと思います。このガイドブックは分厚いとの描写があります。
ウィーズリー夫人は暖炉の上の本の山から、分厚い本を引っ張りだした(2巻3章p.54)

他の著書も、内容は薄くても見た目は豪華なハードカバー、ページ数もありそうです。
ジニ―の大鍋には、ハリーがもらった全著書と、ロンの本7冊(もしかしたら基本呪文集もあったかも)とジニ―の変身術入門、さらにリドルの日記も紛れ込んだので、伸び縮みしないと仮定したら、鍋は相当大きかったのではないかと思います。

寝巻き - 2014.05.02 Fri

日記の方で子ども時代のパジャマについて考えていたら、スネイプ先生が最後にパジャマ(寝巻き)を着たのはいつだろう?という疑問が出てきました。

スネイプ先生の寝巻き(nightshirt)を拝めるのは、4巻で、ムーディに「パジャマパーティかね?」と言われた時です。
あの時は、長い灰色の寝巻きを着ていたスネイプ先生ですが、きっと他の日も就寝時は同じスタイルだったのではないかと想像しています。

まだ結末を知らなかった頃、黒尽くめのスネイプ先生が灰色を身につけていたことを、「戒めを解くみたいなイメージ」と書いたことがありますが、やはりあれは、スネイプ先生の最も心安らぐ時間を演出する重要な小道具だったのだろうと思います。
スネイプ先生が一時でも安らぎの時間を持っていたこと、今になると奇跡のようにも思えます。

スネイプ先生がホグワーツを追い出されたのは深夜でした。
逃亡を続けていたハリーたちがホグズミードのアバーフォースに助けられてホグワーツに忍び込んだのは5月1日の晩でした。
マクゴナガル先生と城の中を歩いていた時に遭遇したスネイプ先生は寝巻き姿ではなく、マント姿でした。マクゴナガル先生は古いタータンチェックの部屋着、フリットウィック先生もスプラウト先生も寝巻き、スラグホーン先生はエメラルド色の絹のパジャマを着ていましたが。
スネイプ先生が寝間着姿でなかったのは、分霊箱がハリーによって破壊され始めていることに気付いたヴォルデモートが、レイブンクローの塔にハリーが忍び込むかもしれないと警告してあったからかもしれません。

でも、もしその警告が発せられていなかったら、スネイプ先生は寝巻きを着ていたでしょうか?
ヴォルデモートがニワトコの杖を手に入れようとホグワーツを訪れたのは、おそらく3月で早朝のことでしたが、マント姿のスネイプ先生が迎えています。
死食い人二人が教師として城内に入り、ヴォルデモートからいつお呼びがかかるかわからない状態では、スネイプ先生が安らかに眠れる日などもうなかったのではないかと考えています。
それを言うなら、6巻で死食い人が城内に入ってきた時も、フリットウィック先生が呼びに来てすぐに出てきたスネイプ先生はちゃんといつもの黒いローブ姿でした(6巻29章p.457)

ヴォルデモート復活後、学校の中すら不穏な状態になってきた頃から、スネイプ先生は寝巻きを着なくなったのではないかと思っています。もしかしたら、二重スパイの役目を負った時から、既にいつでも飛びだせるような姿だったのかもしれません。
心休まる日など、もう何年もなかったかもしれないと思うと痛ましいです。

16年前の今日の夜明け前に息絶えたスネイプ先生。
どうか今は安らかに眠っていてほしいです。

杖の木 - 2014.02.17 Mon

以前、日記でスネイプ先生の杖の木について語ったことがありました。
その何ヶ月か後、Pottermoreで杖に使われる素材の特徴がかなり詳しく説明されました。オリバンダーが語る形で、その主観も交えつつ説明されています。
中には、物語の中には登場したのに説明がないものもありますが(ジェームズのマホガニーが見当たりません)、多くは載っています。現時点では杖の材質が明かされていない主要キャラクターもたくさんいますが、作者は既に誰がどの材質の杖を持っていたかは決めているのではないかと感じるような内容です。
それを踏まえて、再度スネイプ先生の杖の木について考えたいと思います。

以前、私が考えた材質は黒檀でした。
木自体が黒いので、スネイプ先生に似合っていると思ったからですが、その後黒檀の堅さや希少価値があること油を含んでいて使うほど内から輝くなどの性質があると知り、考えは変わりませんでした。
Pottermoreでは、38種類の木について説明されていて、その中には黒檀もあり、その説明文は私のスネイプ先生像にかなり近いです。
でも、他にもいくつか気になる木があって、一たび説明文にスネイプ先生っぽさを見つけると、どの木もどこかにスネイプ先生っぽさを含んでいるような気がしてきました。

そんな中でも特に気になったのが、黒檀の他にモミとクマシデとマツとクルミでした。
そてぞれ気になったフレーズを抜き出します。
黒檀…体制にくみさず、自立心が強いか「はみだし者」の立場を好む者が多い。外部からどんな圧力がかかろうとみずからの信念を貫き、たやすく決意をくつがえさない者。
モミ…耐久力と強い決意を持った者。ひとつのことに集中する強い意志。場合によっては威圧的な態度も辞さない。
クマシデ…1つのことに純粋な情熱を注ぐ、才能ある魔女や魔法使い。人によってはその情熱を「執着」と呼ぶ。
マツ…一匹おおかみと思われたり、好奇の目で見られたり、謎めいているという印象を持たれたり~。新しい手法や呪文に抵抗なく適応する。
クルミ…知性の高い魔女や魔法使い。魔法の革新者や発明者が所有者となる例も多い。ずば抜けて多様な用途に向いており、適応力も高い。いったん服従したら最後、持ち主が望むことはいかなることでも成しとげてしまう。

黒檀は、信念を貫き、たやすく決意をくつがえさないというところが、非常に芯の強いスネイプ先生らしいです。
マツも良いのですが、どうも長生きする人を見抜くようで、オリバンダー自身も若くして死んだマツの杖の持ち主を見たことがないと言っているので、多分違うかなという気もします。
クマシデの、一つのことに情熱を注ぐとか執着とかは良いキーワードだと思いますが、実際にクマシデを持っているオリバンダーとクラムを見ると、その情熱のかけ方が少しスネイプ先生とは違うかな、という気もします。
クルミはベラトリックスの杖ですが(邦訳では鬼胡桃でしたが、実際は、ただのWalnut)、知性が高いとか魔法の発明者とか、非常に怪しい気がします。持ち主が望むことはいかなることでも、というところも、闇の魔法もパトローナスの呪文(デスイーターにはできない)も、両方使えるスネイプ先生に合っています。

というところで、今、私の中では黒檀とクルミが同じくらいの位置にいます。
杖の芯や長さについてはまた次の機会に考えてみようと思います。

Pottermoreでの説明を読めない方もいらっしゃり、説明したいのですが、丸写しするわけにはいかないので、特に興味のあったキーワードだけ記します。キャラクターの杖の素材がわかっているものは、わかる範囲で(Pottermoreで明かされたものも含め)書いておきましたが、十分ではないかもしれません。
私がスネイプ先生の杖の素材としてあり得るのではないかと挙げた五つに★をつけています。
スネイプ先生の杖ではありませんが、リンゴの木は、ダンブルドアの元々の杖の材質なのでは?という気がするのは私だけでしょうか?

続・肖像画 - 2013.12.22 Sun

スネイプ先生亡き後の肖像画については以前語ったことがあります。
肖像画
発言の意図

その後、スネイプ先生の肖像画に関しては新たな情報を目にしていないのですが、ホグワーツの肖像画についてはPottermoreでローリングさんが新しいことを書いています。
英語のサイトではその記述は読み飛ばしたのですが、日本語サイトが出来てからやっと読み、その内容に驚愕しました。
今Pottermoreは誰でも登録でき、日本語版も出来たとはいえ、古いPCなどからは閲覧できず、ファンの共通の認識とするのは難しいものもあるので、続きは隠します。
Pottermoreのネタバレが大丈夫な方は、続き以降をお読み下さい。

フィニート インカンターテム - 2013.11.07 Thu

先日映画「死の秘宝パート1」を見ていたら、関係ない場面でスネイプ先生を思い出しました。

ポリジュース薬で別人になりすましてトリオが魔法省に先入した時のこと、水漏れを直すようヤックスリーに言われたカターモール姿のロンが途方に暮れていると、ハーマイオニーが「フィニート インカンターテム」を使うよう言ったのです。
呪文を聞いて瞬時にスネイプ先生を思い出しました。
ちなみにその場面、本でも同じ呪文をまず試すようハーマイオニーは勧めています。

『フィニートインカンターテム 呪文よ終われ』は2巻の決闘クラブの場面で初めて登場しました。スネイプ先生が「『フィニートインカンターテム(Finite Incantatem)!』」と叫ぶと、ドラコに『タラントアレグラ』をかけられて勝手にステップを踏んでいたハリーの足も、ハリーに『リクタスセンプラ』をかけられて止まらなかったドラコの笑いも止まりました。(想像してみるとドラコが動くことさえできないほど笑い転げている前でハリーがクイック・ステップを踏んでいるというのも相当面白いです。それを止めるスネイプ先生は、きっと可笑しくもなんともないという表情で淡々とあるいは苦々しげに止めただろうと思います)

この決闘場面は、スネイプ先生が後にハリーがヴォルデモートを倒す時に使った武装解除呪文『エクスペリアームス』のお手本を示した、という点でとても重要だと考えていますが、『エクスペリアームス』だけでなく地味に重要な、呪文を終わらせる魔法も使って見せていたのですね。

このフィニートインカンターテム、結局ヤックスリーの部屋の雨漏りを直すことは出来なかったようですが、実はかなり有用なのではないかと思っています。ハーマイオニーが、まず一番最初に試すように助言したのがこの呪文で、「呪いとか呪詛で降っているのだったら、それで雨はやむはずよ」(7巻12章p.354)と言っています。この時ハーマイオニー言う「呪い」は「hex」で、「呪詛」は「curse」です。
curseにも効くんですね!

呪文の定義についてはかつてローリングさんのサイトに分類されていましたが、今は公式サイトがリニューアルされて内容が変わってしまいました。Pottermoreに書かれているかもしれませんが、先日日本語版を始めたばかりで、その辺確認できていません。(英語では詳しく説明読んでません)
が、とにかくcurseは強度の呪い、闇の魔術であるようですから、それを止めることができるのは相当のものだと思われます。

スネイプ先生、1年生の初授業のベゾアールといい、決闘クラブの武装解除呪文とこのフィニートインカンターテムといい、ハリーの低学年時に基本的な身を守る術(すべ)をなんとか教えようとしているように見えます。
魔法薬の先生として、大抵の毒に効く解毒剤を一年生の初授業時に実習に先立って教え、本来なら他の科目の先生が教えるべき呪文までも、機会を捉えて早期に教えていたのではないかと思えます。
それが意図したものでなかったとしても、スネイプ先生が教えたりお手本を示したものが、結果として後々生徒たちの身を守るものになったことに、私は誇りを感じずにはいられません。

手にした物 - 2013.10.05 Sat

以前日記に、両手で重くて大きい何かを抱え、背中を反らせているスネイプ先生を見たい、と書いたことがあります。
スネイプ先生は本の中で実際どの程度まで大きなものを持ったのでしょう。というよりスネイプ先生の手はどんな物を持った(掴んだ・握る・摘んだ・触れた)ことがあるのでしょう。

スネイプ先生が何かを持っている(掴んだり握ったり摘んだり触れたりしている)場面を探してみました。
「持つ」「掴む」「摘む」などの表現の他、「受け取った」「取り上げた」「取り出した」「広げた」なども、「魔法で」「杖を使って」といった手段についての描写がないものは「手で」している動作と判断しました。
曖昧な場面、動作は、特に珍しいものでもない限り除きます。また、杖や箒や扉や扉の取っ手は除いています。同じ物が出てきた時は、最初の方かよりはっきりわかる表現の方を書きます。
(網羅できたか自身がありません。見落としなどあったら教えてください)

【1巻】
11章p.263 「クィディッチ今昔」の本
11章p.266 包帯(フィルチが手渡して(handing)います)
17章p.452 マクゴナガル先生の手(握手)

【2巻】
5章p.116 夕刊予言者新聞(広げています)
16章p.431 椅子の背(ぎゅっと握り締めてます) 

【3巻】
7章p.165 柄杓
7章p.169 ヒキガエルのトレバーと小さいスプーン(左手でトレバー)、オタマジャクシのトレバー、小瓶
8章p.204 脱狼薬入りゴブレット
9章p.222 「闇の魔術に対する防衛術」の教科書(タイトルは不明。3年生では新しく買っていないので、1年生の時に買った「闇の力―護身術入門」?)
11章p.295 クリスマスのクラッカーとハゲタカの剥製のついた魔女の三角帽子(クラッカーから出てきた物)
14章p.359 隻眼の魔女像の頭(なぞってます)
14章p.367 ハリーが座っている椅子の左右の肘掛け
14章p.370 ゾンコの袋(鼻食いつきティーカップ、糞爆弾、しゃっくり飴、カエル卵石鹸など)と忍びの地図
14章p.372 キラキラする粉(フルーパウダーと思われる)
18章p.462 透明マント
19章p.467 ルーピンを縛っている紐の端(ends of cords)

【4巻】
25章p.175 自分の左前腕(闇の印のある場所)
27章p.239 雑誌(週刊魔女)
27章p.243 べリタセラムのクリスタルの瓶
36章p.536 左の袖(捲り上げてます)
36章p.541 シリウスの手(握手)

【5巻】
24章p.178 自分の唇(指を這わせてます)
24章p.182 ペンシーブ
24章p.183 自分の手首(ハリーの反撃でみみず腫れのできたところを揉んでます)
26章p.270 ハリーの胸(と書くと誤解を与えそう。押してます)
28章p.358 ハリーの腕(痺れるほど強く握ってます)
ゴキブリの瓶は持ったかどうか不明

【6巻】
2章p.38 ワインボトル、ワイングラス
2章p.54 ナルシッサの両手首(しがみつくナルシッサの手を外す)
2章p.55 ナルシッサの腕(床にくずおれているところを立たせてソファーにいざなう)
2章p.57 ナルシッサの右手(破れぬ誓いの場面)
8章p.242 ランタン(魔法で浮かせている可能性もありますが、上下に動きながら近付いているので持っているのではないかと思います)
24章p.310 セクタムセンプラを受けたドラコ(半分抱え上げて立たせる)
24章p.316 ハリーのカバン、 ハリーの教科書とロンの上級魔法薬の本
24章p.323 ジェームズとシリウスの名と悪行が書かれたカード
28章p.422 ドラコ(アバダケダブラ直前に押しのけて(push)います。「手で」かどうか定かではありません)
28章p.424 マルフォイの襟首(アバダケダブラ直後、扉からドラコを押し出す時に掴んでいます)

【7巻】
30章p.324 甲冑(押し出して(forcing)を使っているので、手での動作ではないかと思いました)
32章p.403 自分の首の傷(出血を止めようとして
32章p.404 ハリーのローブの胸元(最期に持った物)
33章p.428 木の葉(子ども時代)
33章p.440 傷ついたダンブルドアに飲ませる金色の濃い薬の入ったゴブレット
33章p.454 リリーのシリウスに宛てた手紙と写真
33章p。455 ダンブルドアの肖像画の額の横、グリフィンドールの剣
33章p.456 旅行用マント(本の描写では一番最後。羽織るという動作なので持っていると推測)

こうして見るとあまり大きな物は持っていませんね。
一番重そうなのは甲冑かドラコでしょうか。動作を考えると甲冑は持ち上げたわけではなく、ドラコは傷ついてぐったりしているところを抱えて立たせたので力がかかったのはドラコの時かもしれません。
グリフィンドールの剣も銀でできているし、結構重そうですが、2年生のハリーに操れたので、驚くほど重いということはなさそうです。
大鍋はきっと持ちあげることもあると思うのですが、その記述は見られませんでした。

魔法使いは魔法で物を動かしたり、杖自体で触れたりと手では直接行っていないこともあり得るので、抜き出すのが難しいです。
本当に手で掴んだり、指で摘んだりしたことがわかる記述の方が少ないくらい。
それでも、私の主観混じりで抜き出した上記の品々(時に人間)は、スネイプ先生の手に触れた、というだけで私にはとても貴重なものに感じられます。
個人的には、ルーピンを縛っている紐の端を持ったという記述とそれが複数だったことが面白かったです。6巻2章でナルシッサシリーズが続いたのも(笑)

スネイプ先生に直接持たれた・触れられたことのある人物は、ハリーとドラコとナルシッサとシリウスでした。シリウスがすごく意外ですが、短時間ではあるけれど握手しているので紛れも無い事実です。
逆にダンブルドアを介抱しているところなどどこかで触れているかと思うのですが、あいにく片手にゴブレットを片手に杖を持っている描写のみで、実際に触れたことは確認できませんでした。
最期に持ったのはハリーのローブでした。
わかってはいたけれど、書くのはとても切なかったです……。

ぺしゃんこ薬の与え方 - 2013.08.08 Thu

2巻でハリーが放り投げた花火がゴイルの大鍋に入って、クラス中にふくれ薬が降り注いだ時、スネイプ先生、「薬を浴びた者は『ぺしゃんこ薬』をやるからここへ来い。(後略)」(2巻11章p.279)と言いましたよね?
日本語訳の「ぺしゃんこ薬」の語感が可愛くてそのことにばかり目が行って、今まで見逃していたことがあったことに気付きました。
スネイプ先生は先生はどうやって生徒たちに『ぺしゃんこ薬』を渡したのでしょう?

生徒たちは薬を浴びた部分が膨れ上がり、重みも増しているようです。
マルフォイなどは、鼻が小さいメロンほどになり、重みで頭を垂れていました。棍棒のようになった腕とか、唇が巨大に腫れあがって口をきくこともできない、などの描写もあります。
そんな生徒達が、ドシンドシンとスネイプ先生の机の前まで集まってきたのです。

スネイプ先生はその日の授業で作る『ふくれ薬』と拮抗する作用を持つ『ぺしゃんこ薬』を生徒全員に行きわたるくらいの分量を用意していたのですね。
この授業に限らず、どんな魔法薬でも授業で作らせる時は解毒剤を用意したに違いないと思っています。それくらいの危機管理能力のある人だと私は考えています。
そして今回は、たいていの魔法薬に対して解毒作用を持つというベゾアール石ではなく、『ぺしゃんこ薬』が使われました。コスト的なものがあったかもしれませんが、とにかくスネイプ先生は『ぺしゃんこ薬』を使ったのです。

『ぺしゃんこ薬』は、原文では『Deflating Draft』という特に可愛くもない名前ですが、Draftとなっているところを見ると、液体であるようです。
そして、「ここへ来い」と言い、生徒が列をなしているところを見ると、小瓶などに予め分けてあった薬を一瓶ずつ渡して勝手に好きなだけ飲ませるのではなく、スネイプ先生が個別に与えている印象を受けます。
「勝手に飲み干せ」ということなら、先生が配って歩く方が時間は短縮されるし、合理的なスネイプ先生ならそうしたでしょう。騒ぎの合間にハーマイオニーが教室を出て保管庫まで行って必要な材料を盗んで帰ってくるだけの時間の余裕も生まれなかったと思います。

スネイプ先生はそれぞれの状態を見て『ふくれ薬』を浴びた量を即座に判断、『ぺしゃんこ薬』の量も加減して与えていたのではないかと想像しています。
生徒の中には、唇や鼻が膨れたり腕が棍棒のようになっていて、自力で口まで薬を運ぶのが困難な生徒をいたはずです。そんな生徒には先生手ずから飲ませていたのではないかと思います。
いや、もしかしたらスネイプ先生は、列に並んだ生徒全ての口に薬を入れていたかもしれません。
そうだとしたら、なんとも微笑ましい光景ではないですか!
スネイプ先生はひどく不機嫌で作業も機械的だったかもしれませんが、それでも一人一人を見てくれるんです。

そして、ここが大事なのですが、スネイプ先生はみんなが解毒剤を飲み、いろいろな『ふくれ』が収まったときに、ゴイルの大鍋の底をさらって花火の燃え滓を見つけました。
授業が混乱してどんなに腹立たしくても、騒ぎを起こした原因を探るより先に、まず生徒の不調を治すことを優先したんです。スネイプ先生は!さすが『先生』です!

大鍋3 - 2013.04.23 Tue

前回調べて、生徒が魔法薬学の授業で使う大鍋はかなり大きいことがわかりました。
また、生徒はその大鍋をトランクに入れて新学期に持ってきているらしいこともわかりましたが、ではトランクはどのくらいの大きさなのでしょう。

ハリーの大きな重いトランクは車に乗せられ(1巻6章p.137)
(ハリーは)列車の戸口の階段から重いトランクを押し上げようとしたが、トランクの片側さえ持ちあがらず、(1巻6章p.142)

このトランク、1年生では列車に持ち込む時一人ではできないくらい大きくて重いようです。この時ハリーのトランクはフレッドとジョージに手伝ってもらって列車に乗せられました。
2年生と3年生と5年生では、自分たちでトランクを持ち上げていると思わせる描写はありますが、一人で持ち上げられたかどうかは微妙で、二人での作業かもしれません。
さすがに6年生のゴイルは振り回して下ろすことができるようです。


ハリーは(中略)ゴイルがトランクに手を伸ばしたのに気付かなかった。ゴイルがトランクを振りまわして棚から下ろす拍子に、(6巻7章p.232)


この荷物棚も、コンパートメントにいる全ての人のトランクを乗せられるだけの大きさがあるかどうかわかりませんが、少なくとも3個は乗せることができているようです。

ハリーとネビルは、トランク3個とヘドウィグの籠を荷物棚に上げ(5巻10章p.297)

コンパートメントの荷物棚に置けて、1年生以外はなんとか扱えるトランクに、4年生のハリーが引きずって歩けるサイズの大鍋が入るのは、ちょっと妙な気がします。
ここは、魔法なしで考えるのは難しそう。

となると、トランクにはフォードアングリアやテントにかかっていたような見かけより内部を広くする魔法がかかっている、ということでしょうか。
ハーマイオニーのビーズバッグも小さなバッグなのにテント一式が入ってましたから、トランクに大鍋を入れるのはたやすいことではないかと思います。
ホグワーツ特急の荷物棚も同様に、見た目以上に物が乗せられるようになっているのではないかと思います。JRの荷物棚程度では、そうそうトランクを置けないでしょう。

しかし、ここでまた一つ疑問が出てきます。
ハリーが一年生の時に持って行ったトランクは、マグルの製品ではないか、ということです。バーノンおじさんが1特に疑問も持たずに車に乗せたり駅のカートに乗せたりしているので、そのトランク自体はダーズリー家にあったものではないかという気がします。
だとすると、鍋自体の大きさが変化するものなのでしょうか。

ハリーが一年生の時、ハグリッドと買い物して、買った物と一緒に地下鉄に乗っている描写があります。パディントン駅ではハグリッドと別れる際、列車に乗り込むのをハグリッドに手伝ってもらっています。
11歳のハリーが大きな鍋とヘドウィグの鳥籠を一緒に一人で持ち帰るのは無理と思われます。
鍋屋さんで包んでくれた時に、中身が縮小できる風呂敷みたいなものにでも入れられたのかもしれません。
あるいは、鍋自体に大きさを変える魔法の機能がついていて自分でサイズをセットすると小さくなるとか。授業中だって調合する物や量によって大きさを変える必要がありそうな気がします。
出来上がった魔法薬を瓶やフラスコに入れてスネイプ先生の机の上に提出するなら、そんなに大量は必要ないでしょうから。

大鍋は、魔法薬の授業前後に持ち歩いている描写を私は見つけられていません。出来上がった魔法薬を提出した後、鍋をきれいにする、という描写はあるのですが、それを持って教室を出る、という描写が見つけられないのは、置きっぱなしの可能性もあります。鍋の大きさを変えるか、保管場所を広げるかで、1000人の生徒の鍋を保管しているのかもしれません。
毎回スネイプ先生が、次のクラスのために生徒の鍋をどこからか出しているのでしょうか。
魔法を使ったとしても大変なことだと思います。お疲れ様です。

大鍋2 - 2013.04.21 Sun

先日、大鍋の大きさについての疑問を書きました。
あの後、鍋をトランクに入れている描写があると聞き、他にも大きさが推察される描写がないか探してみました。
見つけたのが、この描写。

大鍋が二十個、机と机の間で湯気を立て、机の上には真鍮の秤と材料の入った広口瓶が置いてある。(2巻11章p.278)

大鍋は、映画のように机の上ではなく、机と机の間にありました!
おそらく、床に直に置いてあるのだと思います。
床に置いて作業するなら、映画サイズの大鍋では小さすぎると思います。
また、同じページにはこんな一文もあります。

ハリーはすばやく大鍋の陰に身を隠し、ポケットからフレッドの「フィリバスターの長々花火」を取り出し~(2巻11章p.278)

2年生のハリーが身を隠すことが出来る程度に大きかったのだと思います。映画を見る前に既にこの描写を読んでいたから、「大きな」大鍋のイメージが出来ていたのかもしれません。
4巻にも同様の描写があります。

これで大鍋の陰にしゃがみこむ口実ができた。ほかの生徒がガヤガヤとドアに向かっているとき、ハリーは床を拭いていた。(4巻27章p.245) 

授業中に乗りこんできたカルカロフが授業後にスネイプ先生に何を話すのか盗み聞きするために、ハリーはわざとアルマジロの胆汁を床にこぼして大鍋の陰に隠れました。大鍋は、4年生でもしゃがめば隠れる程度の大きさがあったのだと思います。
他にも鍋の大きさを示す描写がいくつか見つかりました。

ロンもジニーの鍋の中に本を入れ(2巻4章p.93)
ハリーがロックハートの全著書を入れたところに更にロンもロックハートの本7冊を加えているので、相当な量入るということです。

ハリーは材料とカバンを大鍋に放り込み、空席になっている地下牢教室の一番前のテーブルに鍋を引きずっていった。(4巻27章p.240)

魔法薬の材料だけでなく、カバンも入れています。また、ハリーはそれを引きずっているので、ハリーの手と床の間に納まる程度の高さはあるはずで、やはりあまり小さなものではないようです。
大鍋については、こんな描写もあります。

ハリーの呪文の教科書も、魔法の杖も、ローブも、鍋も、最高級の箒ニンバス2000も、家に帰った途端、バーノンおじさんが階段下の物置に押し込んで~(2巻1章p.9)
ダーズリー一家は、ハリーの呪文集や杖、鍋、箒を夏休みの初日に鍵をかけてしまい込む(3巻1章p.7)

学期が終わるごとに家に持ち帰っているということですね。
さらにこう書かれています。

大鍋に下着を詰め込んでいたとき(4巻10章p.141)

これは新学期が始まる前日に荷造りしている時の様子ですが、大鍋に下着を入れたのなら、そのままトランクに入れられることが予想できます。
そして、実際そう書かれている場面もあります。

ベッドの下から「透明マント」を引っぱり出し、「色変わりインク」の蓋を元どおり閉め、大鍋を詰め込んだ上から無理やりトランクの蓋を閉じた。(6巻3章p.81)

前述のようにかなり大きな大鍋をトランクは入れることができそうです。
このトランクの大きさも調べてみましたが、あまりに長くなったのでまた次回に。

大鍋 - 2013.04.10 Wed

ハリー・ポッターに出てくる大鍋(cauldron)って一体どれくらいの大きさなのでしょうか。
『大鍋』と日本語で書いても大きいとは限らないでしょうが、私は大きな鍋を想像していました。

日本語版のハリー・ポッターの表紙や扉絵を描いている方はイギリス人ですが、cauldronはかなり大きく描いています。
4915512576ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)
J. K. ローリング J. K. Rowling
静山社 2006-05

by G-Tools
6巻上巻表紙の大鍋をかき混ぜるハーマイオニー(?)

和式の浴槽くらいありそうです。
で、私もこれくらいの大きさを想像していました。
映画やPottermoreではまあ普通の深鍋くらいの大きさで、授業中に扱うことを考えてもそれが妥当な線かな、という気はします。

じゃあ、なぜ私も、挿絵のダン・シュレシンジャーさんも、和式の浴槽くらいの大鍋を想像したんでしょう?
これは、昔からの魔女の鍋のイメージじゃないか、と思います。
cauldronで画像検索すると、6巻の表紙のようなサイズの鍋をかきまぜている魔女の絵がいくつも出てきますが、まさにそんなイメージ!童話に出てくる魔女の鍋のサイズが、私の大鍋のイメージでした。

マイクロソフトオフィス クリップアートの中にもこんな画像があります。
MH900116028.jpg
大鍋をかき混ぜる魔女

MH900090965.jpg
直火にかけた大鍋をかき混ぜる三人の魔女

まさに、私のイメージした大鍋のサイズです!
マジクエストの大鍋も浴槽ほどではありませんでしたが、結構大きなものでした。
DSC04213-1.jpg
マジクエストの大鍋とパペットスネイプ先生との比較
私一人なら入れそうな大きさです。

実際はローリングさん、どのくらいの大きさをイメージしながら書いていたんでしょう?
ハリーが1年生の時、ダイアゴン横町の鍋屋さんで買っていますが、その時の看板には「大小いろいろあります」と書かれていました。
ということは、本当に昔からの魔女のイメージのサイズの大鍋もあったかもしれません。
新入生の必要なもののリストの大鍋の欄には、「錫製、標準 2型」と書かれていました。
この標準2型が原文では satandard size 2となっているので、これが大きさを示しているのだと思いますが、それが実際どのくらいなのかはわかりません。
購入した鍋を持ち帰ったのなら、地下鉄に乗った時の“変な形の包み”の中にあったわけで、サイズ的にも入学の日に持っていた大きなトランクの中に納まる程度ではあったのではないかと思います。
また、後々魔法薬の授業で使う材料の量を見ても、浴槽サイズにしては少ないし、第一浴槽サイズではほとんどが無駄になってしまいそうだし、やっぱり映画に出てくるくらいなのでしょうか。

しかし、2巻の描写を読むと、また少し違った印象を持ちます。
ダイアゴン横町でウィーズリー家の人々やハーマイオニーと買い物をしていた時の描写です。
本屋でギルデロイ・ロックハートのサイン会があって、ハリーはその時彼の全著書をプレゼントされました。重みでよろけながら部屋の隅に逃れたハリーは、そこでジニーに会いました。
その時の描写がこれです。

そこにはジニーが買ってもらったばかりの大鍋のそばに立っていた。
「これあげる」
ハリーはジニーに向かってそうつぶやくと、本の山をジニーの鍋の中に入れた(2巻4章p.92)

ジニーが大鍋のそばに立つ(Ginny was standing next to her new cauldron.)
という表現は、鍋が見た目でジニーと同等に近いくらいの大きさをもっていそうに感じます。
また、本の山をジニーの鍋の中に入れた(~,tipping the books into the cauldron.)という表現は、鍋がそれだけの容積があることを示していると思います。(tipはごみを捨てる、中身をあける、という時に使われる単語のようです)少なくとも、映画でジニーが腕に下げていたサイズでは、ロックハートの全著書を捨てる入れることは出来ないでしょう。

さらに、ここにもう一つ重要な描写があるを忘れてはいけません。
5巻15章での占い学の授業中に、ハリーがロンに言ったセリフ―予兆的な夢の授業で、互いの夢を解釈し合うという場面で、ハリーがねつ造した夢の内容―です。

「えーと、僕の観た夢は……スネイプを僕の大鍋で溺れさせていた。うん、これでいこう……」(5巻15章p.492)

僕の大鍋で溺れさせる!?
やっぱりハリーの大鍋は浴槽サイズなのでしょうか??
大鍋の大きさ、謎です。
ハリー・ポッターと謎の大鍋…

ボガートスネイプ先生 - 2013.03.10 Sun

以前からの疑問なのに、一度もブログに書いてないことがありました。

ボガートを退治する方法について、ルーピン先生は「リディクラス」を使うように教えました。ボガートを笑える姿に変えて退治する呪文です。
ハリーのボガートはディメンターの姿を取りました。
ハリーはこの偽ディメンターを使ってパトローナスの呪文を練習しましたが、これはどういうことでしょう?

ボガートである以上、やはりリディクラスでしか退治できないように思うのですが、偽物であってもディメンターはパトローナスチャームで追い払うことができました。
また、練習中ハリーは体が冷えたり、母親の悲鳴や父親の叫び声を耳にしています。
つまり、ボガートディメンターはちゃんとディメンターの性質を持っていた、ということだと思います。
ボガートが姿を変えた対象が本物の性質をそのまま持っているのだとしたら、ネビルのボガートスネイプ先生はどうなるのでしょう?

やっぱりスネイプ先生としての性質をそのまま持っていたということでしょうか!スネイプ先生のコピー?
いや、ネビルの恐怖の対象としてのスネイプ先生だから、ネビルフィルターのかかったスネイプ先生像が再現されて、意地悪さが増幅されたスネイプ先生だったのでしょうか。
それとも、ボガートに出来るのは、あくまで「人間」「ディメンター」「蜘蛛」という大きな括りでの再現でしょうか。つまり、ディメンターの性質は再現できていたけれど、ディメンター内での個体差まで再現できていなかったという具合に。
でも、ハリーが恐れていたのはあくまで「ディメンター」がもたらす恐怖そのものだったから「ディメンターA」と「ディメンターB」を区別する必要は元々なかったわけです。
そうなるとやっぱり「スネイプ先生」が怖いネビルのボガートスネイプ先生は、ネビルの知っている(ネビルが怖いと思う)スネイプ先生の特徴が強く出ているにしても、スネイプ先生の性質はある程度再現されていたような気がします。

ネビルのばあちゃんの服を着せられて生徒に笑われて、途方に暮れたように立っていたボガートスネイプ先生。
それは恐怖を笑いに変えられて戸惑うボガートの姿だとずっと思ってきましたが、もしかしたら同じことが本物のスネイプ先生の身に起こっても同じ反応が見られるということかもしれません。
そうだとしたら、突然女装させられて生徒の前に立たせられたスネイプ先生も、途方に暮れたように立ちつくすのでしょう。気持ちは十分理解できますが、美味しい状況であることには変わりません。
通常なら有り得ない状況で、有り得ないスネイプ先生の反応を見せてくれたネビルにもルーピン先生にも、本当に感謝しています。

閉心術中 - 2013.02.11 Mon

ちょっと時間が経ってしまったのですが、以前、ヴォルデモートに対する閉心術について、「本心を隠すだけではなく、ヴォルデモートに見せるための、ダミーの感情(ハリーたちへの憎しみ、ダンブルドアに対しての怒りなど)が必要そう、そうでないと何か大事な感情を隠していると、疑われてしまいそう」という内容のコメントをいただきました。

このコメントをいただいて、私が想像する閉心術とはイメージが違うと思いました。
考えてみれば、文章だけで示された魔法の説明ですから、解釈も色々出てくるのだと思います。
では私が閉心術についてどのようなイメージを持っているのか、その時は自分でもよくわからなかったので、ここでまとめてみようと思います。(文中開心術と閉心術が入り混じっています。文字が似ているのでご注意ください)

閉心術については、既に何度か語ったことがあります。
閉心術
閉心術2
 
最初は、ヴォルデモートの烈しい視線すら貫けないほど心を閉ざせるスネイプ先生の強さや技術を誇りつつ、そこまで感情を抑え込むことのできたスネイプ先生の苦しみを嘆き、普段から自分の悲しみを封じ込め気持ちをすり替えていたからではないかと想像し、どれほどの苦しみを押し殺してヴォルデモートの腹心の部下を演じ続けたのだろうと心を痛めました。
次に思いついたのが、自分の悲しみを封じ込める力が強かったからではなく、それほど強い愛があったということなのではないか、リリーを失った悲しみが心を閉ざす力を強めたのではなく、リリーを愛する気持ちが、ヴォルデモートを寄せつけなかったのではないかと考えました。内に閉じ込める力が働くのではなく、内からの力が外部からの侵入を許さない、というイメージです。

後者は今も私の閉心術のイメージですが、それは見せたくないものをどうやって見せないか、ということであって、ではヴォルデモートがスネイプ先生に対して開心術を使うと何が見えるのか、ということまでは書いていませんでした。
何も見せない、ということも可能かもしれませんが、逆に不自然過ぎるので、何かは見せているのではないかと思います。

私のイメージでは、ハリーがプロテゴでスネイプ先生の記憶を覗いてしまった時に見えたものが近いです。
不仲な両親と泣いている自分とか、箒にうまく乗れない屈辱的な場面とか、要するにヴォルデモートがその時確認したいと思っている事柄とは無関係の昔の記憶が見えるのではないかと思っています。

ハリーは閉心術の初授業の日、スネイプ先生との個人授業を嫌がりながらもしぶしぶ研究室に赴き、説明を聞いて、何をしたら良いかわからないまま無防備に開心術に晒されました。
すると、切れ切れの映画のように、画面が次々に心を過ぎり、最初にハリーが目にしたのは、五歳の時の光景でした。
ここでは、ハリーはスネイプ先生に対しての憎しみや怒りを隠そうともしていないのにスネイプ先生とは無縁の記憶が呼び起こされています。
つまり、それが疚しいことのない人が開心術を受けた時の自然な反応なのだと思います。
ハリーがセクタムセンプラをドラコに向けて使ってしまった時、スネイプ先生はハリーに開心術を使いました。その時、ハリーはプリンスの上級魔法薬の本を思い出さないように努力しながらもそれを頭に浮かべることを止められませんでした。
疚しいことがあった時、たいていの人はそれをイメージするのを止められず、相手に知られてしまうのだと思います。
スネイプ先生は、ヴォルデモートに対して嘘をついても疚しい気持ちにならない強さを持ち、特に見せる記憶をコントロールするわけではなく、自然な反応らしくその場面とは無関係な記憶は見せ放題にしていたのだと私は考えています。

5巻の閉心術の課外授業で呼び起こされたハリーの記憶については、以前「非常に強い感情が湧き上がった時の記憶が選ばれているのではないか」というようなことを書きました(蠅を打ち落とす少年
その点については今も同じ考えで、スネイプ先生の場合も、心が強く動いた場面の記憶が見られ易いのだと思います。
ハリーとの個人授業であらかじめ抜き取っておいた記憶などは、まさにその最たるもの。
屈辱感と怒りと激しい後悔の混じった感情が蘇るその場面は、抜き取っていなかったら真っ先に見られてしまう記憶なのだと思います。
そして、ヴォルデモートに対しては、マグルを「汚れた血」と呼び、グリフィンドール生を攻撃したり罵ったりする場面は特に隠す必要もないことなので、たぶんたびたび見られたことでしょう。同時に自分も見なくてはならない辛さに耐えながら、スネイプ先生は黙って開心術を受けていたのだと想像しています。

時計 - 2013.01.19 Sat

先日、スネイプ先生のお誕生日をお祝いする会を開催しましたが、その際、「スネイプ先生に差し上げたいもの」をプレゼント交換しました。
私が用意したのは、時計でした。

「魔法使いが成人すると、時計を贈るのが慣わしなの」(7巻7章p.164)
とモリーは言ってハリーに時計を贈りました。
ロンも6巻18章で誕生日の朝に両親から届いた金時計の包みを開けていました。
ウィーズリー夫妻が、ずっとお下がりばかり与えていたロンに、この時ばかりは奮発して新しい時計を贈っていました。
さすがにハリーの時はお古でしたが、それでもモリーの弟の遺品という大切な品を渡されたわけで、成人のお祝いとして時計がどれほど重要な位置にあったかと思わされます。

17歳のセブルスも、誰かから時計を贈られたのでしょうか。
ハリーやロンの誕生日の様子を見ていると、成人した我が子に親かその代わりになる大人が贈るもののような印象を受けます。
セブルスが17歳の時に母親がいれば、きっと贈ったのではないかと思います。
けれど、6巻で見た生家スピナーズ・エンドの様子からは、両親がその家を空けてから年月が経っているように見受けられました。
もしかしたら、とっくに亡くなるか、失踪してしまったのではないかという気もします。
そうだとしたら、大切な成人の日のお祝いを、セブルスはしてもらわなかったかもしれません。
それを考えると居ても立ってもいられない気持ちになります。

だから、私から贈ったのです。
日本語訳を読むとロンが貰ったのは「重そうな金時計(heavy gold watch)」、ハリーが貰ったのは「ウィーズリー夫妻がロンの十七歳の誕生日に贈ったとそっくりの腕時計(a watch very like the one Mr and Mrs Weasley had given Ron for his sevrnteenth)」とあります。
この「時計」「腕時計」は、原文では「watch」です。
watchは、腕時計の他に懐中時計も示す言葉です。
私としては、腕時計より懐中時計の方がより魔法使いのアイテムらしい気がしたので、懐中時計を用意しました。
そして、息子の持ち物に名前を入れる母親の気持ちを込めて、ラインストーンで「S」の文字を描きました。
Severusの「S]です。

DSC09380a.jpg
緑のラインストーンで描かれたSの文字
ちょっとスリザリンロケットを彷彿させてしまうでしょうか?

DSC09450.jpg
蓋を開けたところ

17歳のセブルスへ
成人おめでとう!

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